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太りたくない

お腹まわりと太腿が太った、気がする。
体重はそう大して変わってないのだけれど、身体の感覚としては明らかに激太りした。
気になって仕方がなくて絶望的な気分になり、元に戻す方法はないかと、ひたすらお腹をへこませて歩く。

正直、太っているわけではない。
なんなら痩せすぎなくらいに痩せている。
体重を言ったら心配されることの方が多いくらいに。
太ったと騒いでいる私にかけられる言葉は、やっと少し健康的になれるかとか、もっと太った方がいいよとか。
それでも、太ることがとにかく怖い。

小学生の頃、先生に家でごはんをもらえていないと思われたら困るから、もっとたくさん食べて太りなさいと母に何度も言われた。
給食を全部食べられたのは数えるほどで、嫌いなものがあるとか以前に食べきれなかった。
外食に行って一人前食べると次のごはんが食べられなくなったし、お弁当箱の中にはそんな私でも食べきれるようにいつもごはんが薄くしかれていた。
そうやってたくさん食べられるわけでもないから、20代半ばになって周りの友達が太った話をしている中でも、私は緩やかに痩せていっていた。

Sサイズのスカートのがばがばだったウエストが、ぴったりした状態に変わった。
これまで食べられなかったごはんの量が、簡単に食べられてしまうようになった。
これはここ数週間に起こった変化で、私はこのことでどこか自分は太ってしまう病気なのではと本気で思った。
椅子に座った時に触れ合う太腿の感覚が気持ち悪い。
スカートの布地と触れ合う身体の感覚が気持ち悪い。

今のままなら、大して問題ないのはわかる。
問題ないとかどうこうの前に、そもそも今だって世間一般で言う痩せ過ぎのラインに収まっている。
怖いのは短期間で太ったことと、このまま太り続けてしまうのではないかということ。
ストレスで更に痩せて半年くらい前にBMI17を切った体は、今でも18にすら届いていない。
まぁ人生で18に届いていたことは多分ないのだけど。

太りたくない。
本当に絶対に太りたくない。
周りがいくら太っても、太った方がいいと言われても、痩せている自分に安心したいし、Sサイズの服が少し大きいくらいの自分でいたい。
この思考自体がそもそも誤っているのかもしれなくても、この考え自体はどうにもできない。
ただ、自棄になって食べ過ぎてしまったりするのではなくて、美味しいものを美味しいと思いながら過ごせる時間は、きちんと認識して幸せを感じられる状態を保ちたい。

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