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地続きの明日に

ちょっとずつ刺激をつくって、毎日は穏やかにゆるやかにまわっていく。
自分で少し無理をして取り入れてきた刺激も、外から突発的にやってきた刺激も、ちょっとずつ中に閉じ込めてひっくるめて、自分を少しずつ拡大していく。
まるで雪山を転げ落ちる小さな玉が、麓につく頃にはいつしか大きな玉になっているみたいに。

人間は大きくは変われない。
生まれ持った素質がある程度あって、そこに経験や刺激を追加して少しずつ大きく丸くなっていくことは、できる。
だけど根本的に築いてきている考え方や根っこの性格・安心を得るもの・楽しさを感じるものとかは、きっとそんなに揺るぐことはないんじゃないだろうか。
二十歳の頃好きだったものは27になった今だって大好きだし、小学生の頃に担任からよく言われていた特徴や性質からも、今そう大きなギャップは見られない。

だけどだからもう変わらないとか、変えたいけど無理だとかそう思うことが必要なわけじゃなくて、切望して欲しいものは自分のものにしてしまえばいい。
アセスメントシートの結果は「今ここ」にいる自分の状態を示すもので、1年後も全く同じだと言い切れるものでは全くなくて、足りなくて補いたいものがあったりこうなりたい自己像がより強い箇所に頑張っていくことだってできる。
ただ、そうしても自分がそのなりたいものに完全になりきるわけではないと思う。
地続きの明日に。
あなたの今持っているものに色々なものを少しずつ足していって、鮮やかに自分を広げていくような、そんなイメージが近いんじゃないかな。

持ち物は増やし続けられないということもあると思うけれど、考え方や価値観・性質・気質といった意味合いでは、捨てるとか捨てないとかそんな単純な話じゃなくて、捨てようと思って捨てられるものではないのだと思う。
持っていようとして持っていなくても、そこにただひたすらにある。
その存在をないがしろにせず、新しい刺激によって湧いてきたものを重ねて溶かして、そんな過程の果てに自分らしい新たな何かができあがるのだろう。

1年後の自分に成長したと実感できていたら、それはとても素晴らしいこと。
だけどきっとその時分は今とそこまで大きく変わっていなくて、持っているのは地続きの明日の中に、ちょっとだけスパイスを加えた強さや優しさなのだろう。

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