【好きなこと】考え始めると止まらなくなること

 海外の俳優さんで、役作りの一環として自分が演じるキャラクターの「ストーリー上には出てこないバックグラウンド」を自分なりに考える人を時々見かける。(日本の俳優さんについては普段邦画邦ドラをほとんど見ないのでわからない)
 もちろん、その大半は本人の胸の中に仕舞われており、多くとも監督や共演者くらいまでにしか共有されることはほとんどないし、ストーリーに反映されることはもっとないだろう。それは「それが無くともストーリーには影響しない」、もっと言えば「明示するとくどくなったり本来の主旨が薄れる」からだ。(俳優の提案でキャラクターやストーリーに変更が加えられる場合については今回は除外)

 それでも彼らは自分が演じる役のバックグラウンドを考える。生まれはどこか、どんな家庭環境で育ったのか、どんなきっかけで今の道を選んだのか、どんな苦労や事件を経て今に至るのか。今の彼が抱いている主義思想は、どういった過程を経て形成されたものなのか。好きなこと、嫌いなこと、得意なこと、苦手なこと。愛用の武器、口癖、嗜好品……エトセトラ、エトセトラ。

 私はそういういわゆる「裏設定」を見るのがとても好きで、前述のような話には「そのバックグラウンド全部聞かせて!」と思わずにはいられないたちなのだが、自分で考えるのも大好きだ。二次創作でも、自分の一次創作でも。

 しかし私は同時に、考え始めるとドツボにハマるたちでもある。
 今日はうっかりキャラクター全員の好きな食べ物(今後のストーリーに関わってくるかもしれないが関わらない可能性の方が高い)を(小説の続きを放置して)考え始めてしまい、すでに2時間ほど溶かしているがまだ半分も終わっていない。小説の続きに必要な一人のキャラの好きな食べ物を考えたのが始まりだったのに、完全なる本末転倒である。
 小説や漫画など表現方法を問わず物語を考えるのが好きな人(特にアマチュアの)にとっては恐らくあるあるだと思うのだが、ストーリー本編を書くよりキャラの過去や世界観設定を作り込んでいる時の方が楽しくて、ついつい設定ばかり膨らんでしまう。創作を始めてもう何年も経つのでいい加減学習しろと我ながら思うが、ふと思考の隙間ができた時にぽんと浮かぶそれを止めることは難しく、思いついたら書き留めずにはいられないし、書き留めないで忘れたら忘れたで悔しいから仕方がない。私にできることはせいぜいこの設定を全開にせず秘めておくことくらい……という言い訳のもと、今日も私の書くキャラクター達の設定は元気に膨らみ続けている。

 とりあえず今日のところは、次の話に出す予定のキャラ全員分の好きな食べ物設定ができたら、そこで一旦中断して執筆作業の方に戻ろうと思う。あと20分足らずで日付変わるけれども。

 それではまた明日。