見出し画像

一人は孤独じゃない。

1人でいるから、2人のありがたみがわかる。

僕はLGBTのTである。FTMトランスジェンダー。1980年生まれ。鈴木優希

これまでの人生、何をするにも誰かと一緒だった。
幼い頃は、母親。
年頃になれば、友達。彼女と。

祖父母とも一緒に住んでいたし、母親も専業主婦だった為、幼いころから「ひとり」の時間というものがなかったし、三人兄弟で自分の部屋もなく、常に誰かがいるのがあたりまえだった。

ひとり=孤独

ずっとそんなイメージでいた。
一人で外食している人、一人で買い物している人も見てかわいそうだなぁなんて勝手に思っていた。
だからこそ、一人でいる時間は寂しいものでなんだか怖くて、自分の人生には必要がないものであり一人になる事から避けてきた。

大人になってからもずっと依存体質だった。
誰かが傍にいないと不安。
彼女が出来たらすぐに同棲。それが当たり前だった。
そんな僕が40歳を過ぎてはじめて一人になってみようと思えた。
何か大きなきっかけがあったわけではなく、そうしてみたいと初めて思った自分でも不思議なタイミングだった。

はじめての一人暮らしから学んだ事。

例えば、そこにごみが落ちていてもこれまでは誰かが拾ってくれる。
それが今は拾わなかったら一生そこにある(笑)

だから拾うし、つかったものも元に戻す。

最新の家電を買っても、補充やメンテナンスはしなければいけないし、掃除がしたくないから何もしないようにしても、どこからかきたほこりが溜まる(笑)

料理をすれば汚れるし、使わなければ野菜は腐る。
トイレットペーパーの値段。
そんな当たり前の事を今学んでいる。

日々、勉強。


そして、一人でいると色々と考えることも知った。
暮らしの事もそれ以外も。

誰かといると楽しいけれど、楽しいばかりでは大切な何かに気付けるのが遅いこともあるのだろう。

いつまでもの永遠は無い。

1人で生まれ、1人で死んでいく。

でも1人は決して孤独では無い。
会おうと思えば会える人いる。電話できる人がいる。心に大切な人が居る。

今自分にあるものを当たり前に思ってはいけない。
会えないからこそ会いたいと思う。
ひとりで居る時に想う誰かがとても大切な存在なんだと感じる。

今、自分のことを愛してくれる人も当たり前だと慢心してはいけない。

明日じゃなくて、今度じゃなくて「思った時に」ちゃんと伝えよう。

ココに居てくれること。
愛してくれていることに感謝。

後悔先にたたず。

その人がいなくなってしまってから、どれだけ思っても伝えても悲しさが残る。

会えない時間に思うこと。

その寂しさや会いたい気持ち。感謝の気持ちがあるから、また次に会うことが楽しくなる。

だれが大切な人なのか、自分の気持ちと向き合うことでわかることもある。

自分と向き合う

この時間は、家族がいても恋人がいても大切。

自分の心と向き合って、それに従って生きていくこと。

性同一性障害で悩んだ日々も、何かでまやかしていた時は、全然うまくいかなかった。

辛いけど「自分と向き合う」ことで、はじめて自分を知り、どうなりたいか?
なりたい自分になるために、スタートを切れた気がしている。

寂しさや辛さから学ぶことがある。
そこを知るから、楽しさやしあわせをもっともっと感じることができる。

人といるのも楽しいけれど、自分を見つめることもとても大切な作業。

生きていくことは、楽しいことばかりじゃないけれど、最後までつきあってくれる相方は自分でしかない。

自分と向き合って自分らしく最後まで生き抜く為にも、1人の時間を大切に。

そして、より周りの人に感謝できる自分でいたい。


鈴木優希監修 LGBTに特化したボードゲーム LGBTQセレクトライフ好評販売中!!


鈴木優希のセミナー活動関連のお知らせ、性同一性障害のお子様を持つ親御さんへのメッセージなどLGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトもご覧いただけたら嬉しいです。そしてコメントもお気軽にお待ちしています。


いいなと思ったら応援しよう!