農業をひも解く10 ~栽培か加工か~
もう何年も前のことになるが、こんなことを言われたことがある。
「農業の人ってさ、なんであんなに無理して、旬じゃないのに作るんだろうね?」
「・・と申しますと?」
「加工でやっちゃえばいいのに。」
相手は食品加工のオーソリティー、タダの人ではない。
暑さに弱いホウレンソウを夏場に作ったり、
暑さに耐えるホウレンソウを品種改良でつくったり
しなくてもいいんでない?っておっしゃってた。
・・確かに一理あるんである。
扉の写真にあるように、今は加工技術が発達して、冷凍の野菜とか手に入るようになった。
ごはんなんかも沢山ありますね。
エネルギーの総使用量はわかんないが、少なくとも、その品目の「旬」、
つまり、一番無理なく作れる時期にたくさん作って、それを加工して保存しておくってのは、素直に理にかなっている。
そう。僕らはもっと、心を開かないといけない気がする。
植物工場で、稲や麦、トウモロコシなどの「種子系」が生産されない理由は、「それらは貯蔵が効くため、わざわざそんな栽培しなくていい。」ということなんだそうだ。
けど、例えばこの国の「食料自給率」を上げたいなら、その要素の一つとして、畜産の「餌」を自給できたらいい。そう考えた時に、植物工場は、間違いなく、有効な解決手段になる。
これも心を開く部分だ。
あの時僕は未熟だった。
2年後には、ガッツリ亘り合ってみせる。
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