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親子は愛と憎をあざなった縄 「生きるとか死ぬとか父親とか」

「親子は愛と憎をあざなった縄のようだ」 

というのは、
2年前に出版されたジェーン・スーさんの
 
「生きるとか死ぬとか父親とか」(新潮社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4103519118/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=
 
に書かれている言葉です。  

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ジェーン・スーさんがお父様との関係や
亡くなったお母様のことを
ラジオ番組でもよく話されていて、
読みたくなって手に取りました。 
 
かなり大変なことがあったことは
これまでに伺っていたお話からも
伝わってきてはいましたが、
「大変」なんて軽い言葉で済むものではありませんでした。 
 
まだ存命の親のことを書くということ、
しかもそれが楽しい話ばかりではなく
本当なら隠したいような話あるのですが、
言葉の使い方、書きっぷりが見事すぎて、
時に、切なくなるくらいに面白い。

正直、読んでいて辛くなる内容もあるのですが
この本を書けたスーさんの
覚悟のようなものや
文章のエネルギーに引き込まれて読みました。

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ひとり娘だったスーさんが23歳の時、
お母様の病が発覚。
すでにがんの症状が進んでいました。 
 
そして、お母様の看病をしていた時に
すでに病を抱えていたお父様も、さらに妻の病に、
心まで壊れていきます。 
 
そんな時に、すでに父の陰に存在を知っていた
「母以外の女性」に頼らなければいけない
悔しさ。 
 
最愛のお母様を亡くした後も、
お父様の事業のこと
お金のこと
実家の処分、
お父様との関係・・・・
 
そのひとつひとつのことが、
人から正気を奪いそうなことばかりです。 
 
その中でも
つぶれることなく
全てをひとつひとつやりきり
ぶつかったり、離れたりしながらも
お父様との関係を築いてきたスーさんには
「あっぱれ」
としか言いようがありません。 
 
本の中には文字通り
「父を越えた」
ことを実感するような瞬間が書かれています。 
 
経験が人を大きくするなんて
軽くいえることではありませんが
畳み掛けるような辛いことから逃げずに
がっぷり取り組んで
見事にやりおおせて
何周りも大きくなって、
今のスーさんがいる。 
 
「凄い」の一言しかありません。
そして、
この人を生み出したご両親は
とてつもなく魅力的な人に違いないとも思うのです。 
 
ご存命の間も、亡くなってからも
夫と娘の間の潤滑油となっているというお母様は
本当に心豊かな、おおらかな、
素敵な方だったのだろうと思います。 
 
お父様も、お年を召しても常に
女性たちから好意を寄せられたり
「助けたい」と思われ、実際に助けられる
魅力的な方のようです。 
 
この本を読んでいても
娘に対しては遠慮のない一面を見せたり
確かに家族でいるのはとんでもなく大変ということ満載ですが
人として魅力的な人なのだろうことも
伝わってきます。 
 
この本の中には
お父様の戦時中の体験のお話も出てくるのですが、
それも含めて、親の話って、
聞いているようできけていないことも多いですよね。 
 
親だから遠慮があったり
気恥ずかしかったりして聞きにくいこともありますが
やはり直接聞いてこそわかることも、
たくさんありますよね。 
 
スーさんも、
お母様から人生について
直接お話を聞かないままになったことを悔やみ、
お父様からはお話を聞いて書こうと決意されたのだとか。 
 
今はコロナ禍で直接会って話をすることは難しいですが、
電話でもいい、やはり折に触れて話を聞いておきたいと思います。  

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今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 
 
暑いので、
水分・塩分補給に気をつけてお過ごしくださいね。
 
*「人生よかったカルタ・こども編」   
 
今回は、「た」、
「大切なものをなくしてよかった」。 
 
これはものだけでなく
人との関係もありますよね。 
 
どんな理由でも良いので、
(フィクションでもいいので、) 
「よかった」理由を考えて見てくださいね。  

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わたしの解答例は
「なくしたからこそ、いかに大切だったかわかり
2度とそんなことのないようにしようと思えたから
よかった。」  
 
あなたはどんな「よかった」理由を考えますか?
ぜひ、聞かせてくださいね。

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