ギリシャ神話の神々④

フランスに来て、美術館巡りをしだしたら気になったギリシャ神話の神様たち。有名な絵画(というか私が好きな絵画)を神さま(たまに人)ごとに紹介。正確なことはよくわからないので、そういう説もある、くらいの軽い感じで受け取ってもらえれば…

ちなみに神様達、兄妹なのに結婚したり、体の一部から子供生まれたり、割とツッコミどころ満載。かなり紛らわしいので全知全能の神ゼウスを中心に書きます。

神様の名前は言語によって違ったりするので、ギリシャ語🇬🇷ラテン語🇻🇦英語🇬🇧で表記してますが、ラテン語は訳というよりは、ローマ神話だとこの神にあたるみたいな感じだったりもする。

ゼウスは女神だけでなく、人間の愛人がたくさんいた。人間と神様との間に生まれた子は英雄になるらしい。そして中には神に昇格した子もいる。

ディオニュソスDionysus🇬🇷 バックスBacchus🇻🇦 バッカスBacchus🇬🇧

「豊穣とブドウ酒と酩酊の神」

ゼウスとセレメの子供。神様に昇格。

ヘラの嫉妬により、ディオニュソスが胎内にいるの時に母セレメは焼け死ぬ。

胎児は取り出され、ゼウスの腿の中に埋め込まれた。

生後もヘラの迫害が続いたため、逃亡生活を送り、その中でワインの製法を発明した。

神になったのちはヘラを助けたことで和解をしている。

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バッコス(バッカス) Bacco (1596-1597)
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ Michelangelo Merisi da Caravaggio (1571-1610)
ウフィツィ美術館(フィレンツェ) Firenze,Galleria degli Uffizi

細かく見るとワインの表面にさざ波が立っていたり、グラスを持つ指の爪は汚れていたり、果物が腐り初めていたり、カラヴァッジョは徹底したリアリストだったらしい。私が見たときは、ウフィツィ美術館の経路順で行くと割と最後の方にあって、すでに「春」と「ヴィーナスの誕生」で満足してたけど、とっても惹かれた絵。

ヘレネー

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ヘレネーとパリスの愛 The Love of Helen and Paris(1788)
ジャック=ルイ・ダヴィド Jacques-Louis David(1748-1825)
ルーヴル美術館(パリ) Paris, Musée du Louvre

スパルタ王の妻レダとゼウスの間に生まれたヘレネーは絶世の美女となる。求婚者がギリシャ中から集まるが、結局メネラオスと結婚する。しかし、トロイアの王子パリスに恋をしたヘレネーは、娘を捨てパリスの元へ行き、これが原因でトロイア戦争が始まる。

ミーノース、ラダマンテュス、サルペードーン

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牛跳びの図 (BC1500)
不明
イラクリオン考古学博物館(クレタ島) Heraklion Archaeological Museum

フェニキア王の娘エウロペは、ゼウスの子供ミーノース、ラダマンテュス、サルペードーンを授かる。特にヘラに何かされた訳ではないみたいなので、愛人の中では幸せな方。しかし、長男ミーノースがクレタ島の王になり、ポセイドンの美しい白い雄牛を奪ってしまったことで、ポセイドンの怒らせ、ミーノース妻パーシパエが白い雄牛に恋してしまう。そこでミノタウロスという上半身が牛の子供が生まれてしまう。ギリシャ神話にクレタ島の話たくさん出てくるのでいつか行きたいなーって思う。ちなみにクノッソス宮殿の壁画はレプリカで、本物はイラクリオン考古学博物館に保存されているらしい。これは昔人気だったスポーツ「牛跳び」の壁画。半分牛になってしまったミノタウロスにちなんで。

ペルセウス

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メドゥサに勝利したペルセウス Perseo vencedor de Medusa(1698)
ルカ・ジョルダーノ Luca Giordano (1634-1705)
プラド美術館(マドリード) Madrid,Museo Nacional del Prado

アルゴス王ダナエとゼウスの子ペルセウスは、予言を恐れた祖父アクリシオスにより、川に流される。漁師ディクテュスによって助けられたが、島の領主からメドゥーサという見たものを石に変える怪物の首を取ってくるように命じられる。アテナとヘルメスの力を借り、直接メドゥーサを見ないようにするために盾を鏡のように使い、メドゥーサの首を取った。

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アンドロメダを救うペルセウス Perseo liberando a Andrómeda(1639-1641)
ピーテル・パウル・ルーベンス Peter Paul Rubens (1577-1640)
プラド美術館(マドリード) Madrid, Museo Nacional del Prado

ちなみにペルセウスは、メドゥーサ退治の帰路に、捕らえられたアンドロメダに出会う。アンドロメダは調子に乗っていた母カッシオペイアがのせいで、怒った神々によって怪物の生け贄とさせられようとして捕らえられていた。ペルセウスは、倒したメデューサの首を見せて怪物を石にし、アンドロメダを助け、二人はのちに結婚した。ちなみにその二人の娘アルクメネもゼウスの愛人になる。

ヘラクレス

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ヘラクレスとオムパレ Hercule et Omphale (1602)
フランソワ・ブシェー François Boucher (1703-1770)
プーシキン美術館(モスクワ) Moscou,Musée des Beaux-Arts Pouchkine

そして、そのアルクメネとゼウスの子供が有名なヘラクレス。ヘラクレスの英雄としての伝説は結構有名だけど、その奥さんはオンファレというリューディアの女王だったらしい。もともとは、アポロンの神託によって奴隷となったヘラクレスを、オムパレが買い取り、数々の功業を成し遂げた彼を、女王オンファレが夫として迎えた。結構ラブラブな絵。ブシェーのロココ大好き。

次はゼウスの愛人、女神との子供編かな笑


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