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読み物・エッセイまとめ

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松下の書いたコラムやエッセイっぽい記事をまとめています。
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記事一覧

「やせたい!」焦燥を、人類学者が解きほぐしてくれた

だいぶ前から、コンビニの商品をくるっとひっくり返して裏側の成分表をみることが習慣になった。 食べ物は、「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の塊だ。脂質が5g以上のお菓子は、ごほうび。牛丼も、カレーライスも、ピザも、肉まんも、ごほうび。同時に毒。 スカートのウエストを締めても苦しくないと「存在していていい」許可をもらった気分で、安心する。「標準体重」よりいくぶん軽い体重は「許されてる」。 もっと幼い頃、食べすぎた!と青ざめて、カレースプーンを喉につっこんで吐けないかと試みた

「アイドル沼」にハマる幸せと危うさについて、ハロオタが考えてみた

「沼」という言葉はここ数年で急速に市民権を得ました。 ゲーム、漫画、キャンプ、そしてアイドル…。グイッと心惹かれたものにずぶずぶハマりこみじゃぶじゃぶ時間・お金を費やし、「ヤバい」と口走りながらも、顔は恍惚としている。それが沼。 私も例外ではありません。 「ハロプロ沼」にハマり「ハロオタ」となって8年。そこには間違いない生の実感と幸福があり、私を生かしてきました。 いっぽうで、自らに問わずにいられないこともあります。 「私たち沼住人はときに、アイドルたちの足をひっぱって

結婚して改姓してみたら、やっぱ違和感あった女の話。違和感の正体って?

結婚して3年がたちました。 つまり、自分の名字を変えてから3年たちました。 そしてこの記事は「結婚して改姓してみたら、やっぱ違和感感じちゃった」という話です。え〜!? 別姓がよかったのならなぜ改姓を選んだのか? 「違和感」の正体は何だったのか? なぜいまも新しい姓で過ごしてるのか? について書いていきます。 婚姻制度については、内容や主旨、そして誰に開かれているかも含め、追いついていないことがたくさんあると感じています。 ひとつのサンプルケースとして、書き残して

社会人が3ヶ月かけてショパンの幻想即興曲を弾いてみた

今年の6月ごろからショパンの幻想即興曲の練習を始めて、3ヶ月後の9月、発表会で演奏しました。 幻想即興曲は有名でめちゃくちゃかっこいいんですが、自分にとっては指回しからリズムとりまで、苦戦したことばかりです。 自分の記録に加えて、楽器やピアノ、発表会に興味のある人にちょっとでも参考になればと思い、記事に残します! ※自分についてピアノは幼少期〜中学まで習ってた。「演奏するの好きだったなぁ」と思い出し、めちゃブランクを経て年始から再開。 難曲は先生に教えてもらわないと習

かつて「話し方がキツい、威圧的」と言われた自分が今コミュニケーションで気をつけていること

noteのデザイナーの松下です。PM業務を行うこともあり、基本的に、複数の職種がいるチームで仕事をしています。 チームでものを作る以上、避けるべくもないのがコミュニケーションです。 先日、同僚に「相手の話を聞く忍耐があるね」「物腰が柔らかいね」と言ってもらえたことがあり、「自分もちょっとは成長したんだな…」と遠い目になりました。かつてはマジでそんなことなかったからです。なんならキツい態度で、「こいつイヤな奴だな」ってムーブをかましてしまっていたと思います。 そこで、自分で

5/14 理解しあえない

これは、先日の話。サークルに投稿している日記のサンプルです。日記帳がわりにサークルを使ってみてます。 ========== ホコリがついていたのでコロコロを使おうと思ったらはがし方がビリビリの状態になっていた。ヒガシノのしわざである。 すべて均一にはがすのではなくある程度はがれた段階でむしりとろうとすると端っこの細いところだけはがすサイクルが変わってしまって歪つな切れ目になるのだ。わかるだろうか?伝われ。 ヒガシノはラップもよくこういう状態にする。 私はそうなってると

私は神聖かまってちゃん側の人間だった。

劔樹人さんが神聖かまってちゃんからのちばぎんの脱退についてnoteを書いていた。 この件について、slackでシェアしては憂いたり回顧したりぶつぶつ独り言を言っていた。そうしたら、同僚に言われた。 神聖かまってちゃんそんなに好きだったの? そう、好きである。 ハロプロなどについてはファンであることを公言していたのだが、神聖かまってちゃんについては、かなり個人的な思い入れによるところが大きく、いままであまり発言してこなかった。 あまりに個人的な思い入れなので、誰かと共感

テラスハウスの「ヤラセ」問題とオンステージ力について

2019年になった。 正月に気づいたことがある。テラスハウスは作業用BGMに最適だ。 みなさまは年末大掃除はされただろうか。 私は根がゴリラなので特に何もせずウホウホと過ごし、気づいたら年が明けていた側である。そこで、正月の有り余る悠久の時間(とき)の中で気まぐれに断捨離をちまちま進めつつ、テラハを流し続けていた。 テラハは音声だけでもだいたいのゴタゴタが認識できるというのがグッドポイントだ。なにせゴリラなので断捨離は始めた瞬間に飽き始める。そんな時に耳にテラハの事件勃発

フレディ・マーキュリーの壮絶な「ファンにさせ力」について

ピースオブケイクに入社してしばしば考えるようになったことがある。 クリエイターにとって「ファン」は必要不可欠な存在だ。ファンが作品を追いかけてくれること自体が制作モチベーションを折らさずに保ってくれるし、作品を求め、ときにお金をおとしてくれるのもファンだ。 「いち読者」を「ファン」に変える力をもつのはどんなクリエイターだろう? 一つの答えがこれである。 フレディ・マーキュリーの人生を描いた映画ボヘミアン・ラプソディが絶賛上映中だ。 私も観て、フレディの「ファンにしちゃう

オタクには遊泳魚タイプと深海魚タイプがいる

私は一般的にいうと「オタク」寄りの人間だと思う。 ところが現職のピースオブケイク社は、noteやcakesを運営しているだけあってか、社員の「オタク」度平均値が高いのである(「趣味人」「サブカル」などいろいろな言い方はあるだろうがいったん「オタク」で統一する)。 ツーカーで作家カレー沢薫氏の良さを理解してくれたり、ハロプロ話を共感してくれたりするオタリテラシーの高さはこれまでの交友関係と比較すると僥倖ともいえる事態である。 そのくらい基本ステータス値が「オタ」にふれた人材

同棲のメリット