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貫通

「刺さりました」「刺さった」

僕もたまに使ってしまう言葉。日本語として正しいか正しくないかは分かりませんけど、心に何かが引っかかったときに使います。
いわゆる「感情が揺さぶられたとき」です。

いいメロディかもしれないし、素敵な物語かもしれない。主人公の頑張りだったり、美味しいご飯やすばらしいサービスかもしれない。残酷な結末でもいいです。光でも闇でも関係ありません。

人の心を突き動かすものはこの世にたくさんあるのだと思います。

僕も普段はそういうものが「刺さる」側、つまり体験する側ですけど、仕事では「刺す」側になりたいと思っています。と、いうよりは刺せなきゃいけないのですよね。
カフェっていうのは居心地や雰囲気を作って売る仕事ですから。

でも、今の時代は色んな人に発見されやすい時代になりましたので正直刺すこと自体は難しくないのではないか、と思っています。世界中の人が「自分に刺さりそうなもの」を求めて勝手にやってきてくれるのです。刺すためにはそれなりのクオリティがあることが前提ですが、数十年前よりはだいぶ簡単になったのではないでしょうか。

刺さりそうなものをみんなが求めていて、刺したいと思っている人がいて、それがマッチングする組み合わせは必ずどこかにあるわけですから刺す側も刺される側もwin-winなのです。

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この心に傷跡を残す「刺す」ということが簡単になってしまった時代で必要なことは「刺しきる」ことだと思います。ちょっと過激な言葉になりますが「貫く」ということですね。刺すだけじゃなくて奥深くまで貫き貫通させる。そこまで振りきれてないといけないと思います。

喉に刺さった魚の骨がいつの間にか抜け落ちているように、あの日あの時僕や私を刺したあの言葉や物語はもう思い出すことはできません。少なくとも僕にもたくさんの刺さったものがあったはずですがほとんど思い出すことはできません。悲しいけど。

でも貫いてしまえばなかなか抜けることはない。いつまでも抜けずにいるのです。

それは、いいことでもあるだろうし、悪いことでもあると思います。

とはいえ、簡単には取り除けずに人生に大きい影響を与えてくれることには間違いがないです。

蝶のように舞い、蜂のように刺す。

そして貫け。

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と、この話は自分の新店舗についても重ねているところが多いですけど、とても大事なことだと思っています。

それをどうやって作っていくのか?などはこちらの定期購読マガジンでも書いていきますのでご興味ありましたら是非よろしくお願いします。


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