見出し画像

東京カフェ10選

宮城と東京で10年のうちにこれまでに3店舗やってきた店主が選ぶ「東京カフェ10選」です。カフェといいつつ、喫茶店(と呼ばれるもの)も入っていますが。
評価の中に「映える」とか「コスパ」とか「wifi(波とは言わない)が繋がる」とか、そういうものは全く入っていません。

「お店をやっている人の体臭」がきちんとして「決してコピーできない」お店を選んでいます。

個人的な見解で、個人的に感情を揺さぶられるお店を選んでいますのでご参考までに、どうぞ。

一次情報などは省略しております。
検索していただければ幸いです。

(敬称略)

1.dear all(笹塚)

コペンハーゲンのPROLOGの取扱店。
もう、とにかくカプチーノとコーヒーが美味しい。
内装やBGMどれをとっても最高で、それは笹塚という街の包容力も含まれているように思います。
何よりも「みんなのためのコーヒーショップ」を表す店名の通り、懐の深いお店です。
新宿からも近いですし是非、足を運んでみてください。

何がいいのか、といえばこの空気感に他ならないのです。

画像9


2.LOTUS(表参道)

言わずと知れた山本宇一さんプロデュースの食堂兼カフェ。
厨房を通って、客席をぐるりと回って地下へ降りるよう設計されていて、全ての動線が「仕組まれている」のです。大胆な店のようで、かなり緻密。

スタッフさんもフレンドリーだしいわゆる「近くにあったら通いたい」お店。近くにないけど通っていますが。

塩昆布チャーハンがとても美味しいのです。

「なんでもあるはなんでもない」とよく言われますがLOTUSのように「マジでなんでもあるお店」は、ほんとうになんでもあるので、それだけで価値があります。

画像8

3.j-cook(外苑前)

晴れの日も雨の日も、外苑前から歩いて行く。
店に行くのがまるで旅をするように感じられる。そして、美味しいものを食べ、いい音楽に包まれて旅はあっという間に終わりを告げる。そしてお二人の笑顔にごちそうそまでしたを言い店を去る。そう、カフェに行くのは旅のようなものだと感じさせてくれるのがj-cookです。

「旅に出なさい。外の世界はあなたが思う以上に広いのだから」

以前、ルーマーが流れていました。それだけで分かりますよね。

画像7

4.KOFFEE MAMEYA KAKERU(清澄白河)

物事を知るには三つ星レストランとチェーン店のどちらも楽しめる人間でないといけないわけですがこのお店はいわゆる三つ星にあたる側です。
人も、コーヒーも素晴らしい。

人が特に素晴らしい。

システムがいささか難しいように思えますが「わからないことは聞く」がいいお客への第一歩です。そしてそれを全て受け止めてくれるのがここ、というわけです。

画像10


5.coffeehousenishiya(渋谷)

2021年閉店。日本最強のバールスタイルの店。整えるところは整え、イタリアのバールらしいおおらかで優しい部分も残して。
信号の先のこちらに店内から手を振ってくれる西谷さんのサービスは全ての人を虜にするのです。

「格好良く、美しく、明るく」は誰もがやりたいことなのですがそれができずに苦労している人はたくさんいます。

難しいことをいとも簡単にやってのける、百戦錬磨を体現したようなお店です。

現在、新店舗を蔵前に準備中。

画像6

6.JUHA(西荻窪)

コーヒーとロマンス、ミュージックの店。
ここはカフェでもありますが映画の世界へと繋がっています。店名はカウリスマキの映画名「JUHA」から。

"そこでは、悲しみだけが舞っている"

映画、本、音楽、全てが楽しめるお店で大好きです。ヒリヒリした、シリアスな暮らしの中にも奇跡やユーモアがある、というのはJUHAのカップに描かれた「ロマンス」という言葉の意味に近いなぁ、と勝手に思っています。

画像1

7.茶亭羽當(渋谷)

カフェオレを作る際にホイップクリームを少し入れて、そこにミルクとコーヒーを注ぐ。
ウィンナも木ベラででっかくすくったホイップクリームが乗ってくる。
正統派ながらも少しアヴァンギャルドな匂いが個人的にはするのでそこが大好きです。シフォンケーキも絶品。

何よりも「あ、自分のためにコーヒーを淹れてくれているのだ」というのをダイレクトに感じ取ることができるのがいい。

飲食店って元々そういうものだと思うのです。

画像5

8.喫茶穂高(御茶ノ水)

向かいにはディスクユニオンがあってそこでレコードを見たあとにこちら寄ってコーヒーを飲むのが至福。
無音なんですけど、店員さんたちの会話が聞こえたり、窓際に座ると中央線の電車の音やアナウンス音が聞こえたりして、ロケーションの妙を楽しめる店。 

余談ですが、穂高のマスターが営業中に店内の秤の説明をしていました。
「水を入れるようになっているのですが、規定量をオーバーすると秤が逆さまになって水が下にこぼれます。人間と同じですよね。」
と話していたのです。
自分が好きなものやことを簡単発信できる時代になったけどそのほとんどはファストなもので価値がない。
美味しい店も可愛いメイクも賞味期限はあっという間だけど、この穂高のマスターの話のようなものは普遍で不変だと思うのです。
その日は午前中でしたがいただいたコーヒーもトーストも朝の渇いた身体にすっと入っていきました。
午前中からあまりお腹を満たすな、というのも先人の知恵ですよね。

画像3

9.オーバカナル(紀尾井町)

フレンチスタイルのカフェ。商品はもちろんですがサービスが素晴らしい。「飲食店で働くことは誇り高いことである」と感じさせてくれるのがオーバカナル。ひっそりとキッシュが美味しいのですが季節ごとのメニューを店舗ごとの個性ありきで楽しめるのも魅力。
僕はニューオータニを感じつつ、テラスで気持ちよく過ごすのが好きなのでやっぱり紀尾井町が好きです。

なんか飲食店って「アルバイト」みたいな一生を捧げる仕事じゃない、みたいなところもあるじゃないですか。
ここへ来るとそういうのが覆って、憧れの仕事になります。

画像4

10.PENITENT(本所吾妻橋)

手前味噌ですが自分の店です。今の時代にあって改めて「こういうカフェはいかがでしょうか?」と突きつけた店でもあります。

自分で言うな、ですがいい店です。

誰もが「自分だけの秘密基地」があったらいいな、と思ってるはずで、そういう風に使ってもらいたいです。

「かりそめにでも集まりひねもす個を過ごす」

大人の遊び場。

画像8



さて。

他にもたくさんあるのですが…無理矢理しぼったら、という感じです。yohakさんやyour daily coffeeさん、nidとか。10選は難しい。

いかがでしたか。ちょっと気になるところがありましたら是非お店へ行ってみてください。

差し入れより、口コミより、何よりもお店でコーヒーを飲んでゆっくりしてもらうのが僕らのようなカフェ冥利に尽きる、のです。



 

店主のアカウント
https://www.instagram.com/yamajiyuki/


宮城県の店舗JAMCAFE
https://www.instagram.com/jamcafe_jp/


東京店舗PENITENT
https://www.instagram.com/penitent_jp/

お店にも来てくださいね〜〜!!