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ユーザーを中心に考えながら事業目標にもしっかりコミットするためのチーム作りというタイトルで発表しました。

noteデビュー…!!

先日、こちらのイベントで久しぶりに登壇させていただきました。
石田さん、お声掛けいただき本当にありがとうございました!

15分のセッション+参加者全員での約1時間の座談会で非常に濃い時間を過ごすことができました。私自身が本当に勉強になりました。ありがとうございました。

40枚ぐらいいろいろ書いてありますが、私が言いたいことはほぼ最後の8枚です!!

個人的には新生デザインチームがみんなで見に来てくれたことがとてもとても嬉しかったです😊

新チームもようやくまわりはじめたところで、至らない点、ユーザーさんに価値を届ける部分がまだまだ足りていないのはチーム一同自覚しています。

これから改めてプロダクトをより良くするために頑張っていきますので、今後共ラクマをよろしくお願いいたします。

以下、当日のスライドとトークスクリプトです。


今日はユーザーを中心に考えながら事業目標にもしっかりコミットするためのチーム作りというタイトルで発表させていただきます。

春山有由希と申します。福岡でSierでのエンジニア、受託制作会社でのデザイナーを経て、2014年に上京し現ラクマの前身サービスであるフリルを制作していた株式会社Fablicに2人目のデザイナーとして入社しました。

そのフリルとラクマが統合し、組織もひとつになって新生「ラクマ」となり、現在は楽天でフリマアプリ「ラクマ」を作っています。
わたくしごとですが現在、1歳になる息子を育てておりまして、育児休業中にサービス統合、組織統合が決定し…考え抜いた結果、組織統合と時期を同じくして早期復帰する選択をして現在に至ります。

今回の発表をさせていただくに当たり、今デザイナーに求められていることってなんなんだろう…?ということを自分なりに振り返り、整理してみました。

前半はそちらの話をさせていただいて、後半は、組織が変わったことによって必要になった新たなチームづくりについて、現在取り組んでいることについてご紹介させていただきます。

早速ですが、今デザイナーに求められていること…。

今日のテーマは事業とデザインをつなげるためにいまデザイナーとして求められていること、ですが

そもそも今、デザイナーに何が求められているのでしょうか?

10名程度の組織から、どんどん規模が大きくなった今現在までの主に事業会社での仕事の内容を振り返って考えてみました。

規模の大小はあれど、だいたいこのような感じの開発フローがあるのではないかなと思います。
事業課題やユーザー課題を把握し、実態を調査して優先度を整理、そして実際にそれを形にしていってテスト、検証を繰り返すというようなフローです。テストから企画に戻ることもありますし、開発に戻ったり…というようなこともあるのではないでしょうか。

デザイナーは、企画やデザインの部分はもちろんのこと、ユーザー課題の発見や実態の調査、テストや検証など幅広い部分に関わり、ユーザー目線でものごとを考え、提案したり、デザインしたりすることを大切にしてきました。

このようなプロセスに関わりながら、大切だなと感じた力を5つにまとめてみました。

1つ目は、考えぬくことです。

私自身、デザイナーになりたての頃はワイヤーフレームを見て、その後なにも考えずに「装飾」だけをして、それをデザイナーの仕事として認識して行っていたこともありました。

今はきちんと考え、デザインに着手することの大切さを感じています

ロジカルシンキングとか、考えるってなによ??と思っていたこともあったのですが、今は難しく考えずにシンプルに、「なぜ?」を繰り返して頭を整理すること、と理解しています。
作業に着手する前には意識して情報を集め、頭を整理するようにしています。

例えばバナー1つを作るにしても、これは誰に伝えたいのか、なにを伝えたいのか、なにを達成したいのか?そういったものをを理解した上で、なぜこの色にするのか、なぜこの書体にするのか、なぜこのメッセージにするのか、などを考えてから作業に入るようにしています。

一見手間がかかるようにも感じますが、これをやっておくことでデザインにもきちんとした意図が生まれ、最終的には納得度の高いデザインができると感じています。また、作ったものの意図をきちんと説明することもできます。

次は、ユーザー目線で考えることです。
ユーザーが直接目にする部分を担当するのがデザイナーです。

日々の業務でも、常にユーザー目線で考え、たとえ実現が困難なことがあっても、ユーザーのために最大限できることを考え抜ける、提案できることを期待されていると感じています。

次に、数字的根拠や効果検証にも意識を傾けることです。
事業をより魅力的なものにして、そしてユーザーに継続して届け続けることもユーザーファーストだと考えています。

事業の目標達成のために、必要な数字を紐解き、ユーザーの課題解決と数字目標の達成を紐づけて取り組む力も重要視されていると考えています。

そして4つめが、最も適切な形で表現することです。

いくらこれまでの3つのことを考え抜いても、肝心なユーザーに届ける部分が中途半端になっては意味がありません。
細部にまでこだわって、アウトプットの質に責任を持つ必要があると思います。

最後の5つめが個人的には特に重要だと考えていて、これらのアクションを周りを巻き込みながら行えることが大切だと考えています。

よいサービスを作るには、沢山の人の協力が必要です。

CSのみなさんからユーザーの声を聞いたり、エンジニアと実現可能性を探ったり、新しい取り組みに事業と挑戦したり。

デザイナーはありとあらゆる職種の人のハブとなってまわりの人を巻き込みながらことに向かうことが重要だと感じています。

ここまでは、組織の規模に関わらずデザイナーとして必要とされている能力について振り返りながら考えてみました。

一方で組織の規模な状況によって、異なる力の発揮が求められることもわかってきました。

ここからは組織にあったデザインチームづくりとして、実際にラクマのデザインチームが今取り組んでいることをご紹介します。

こちらに組織の規模による特徴をまとめてみました。

組織のサイズが大きくなると、もちろん人数が増えます。
人数が増えることによって、情報共有の難易度も必然的に高くなります。
業務で直接関わることのない人も増えていくので、意識して動かなければ関わりも薄くなる傾向があります。

悪いように見える点ばかりあげましたが、大きな組織では様々な職種のエキスパートが揃っているので、調査や分析といった業務を他のメンバーの力を借りて実施するなど、デザイナーとしてより集中して業務に取り組むことができるという大きなメリットもあります。

ひとことでまとめると、
多くの人の力を借りることが可能だが、情報共有や連携に工夫が必要という感じでしょうか。

もともと小さな組織で活動していた私達も、組織に合わせてちょっとずつ変化する必要がありました。

新しい組織に合わせて変えていることが大きく3つあります。

まず1つめは採用・育成についてです。
デザイナーとしてのサービスでの立ち位置や関わり方の根幹は変わっていませんが、組織の規模もサービスの規模も大きくなったことで、チームに共感してもらうためのポイントを見直す必要がありました。

2つめは言語化、仕組み化、効率化です。
もともと積極的にドキュメントを残す文化の組織ではあったのですが、オペレーション関連のタスクは直接引き継がれてノウハウとして伝授されてしまっているもや、統合前の情報のまま更新されていないものもあり、メンテナンスを行う必要がありました。
そしてこれを気に一気に言語化、仕組み化を進め、効率を改善し、デザイナーが本質的な問題に取り組めるように変えていく必要がありました。

3つめがオープン化です。
小さな組織であれば、自ら大声を上げなくとも声が届く環境なのですが、大きな組織になってくると、自分たちの情報を自分たちで発信し、伝える必要も出てきます。上記のドキュメント化に加えてデザイナーチームの考えもオープンにすることでデザインチームのことを知ってもらい、共に協力しあえる関係になれるようにオープン化を行う必要がありました

具体的に何をやっているか、まずは採用です。

まずはデザイナーの成長ロードマップを作成しました。
組織として、こういったものはすでに用意されているのですが、デザイナーとしてどういう能力があるとよいのかをより具体化するために作成しました。

デザイン組織の作り方を参考に、段階ごとにどういった能力が必要か、どういった能力を伸ばしていけばいいのかをわかりやすくまとめ、ラクマの組織に合わせた形に改良を加えています。

そしてチームに合ったデザイナー像を定義しました
レベル別にどういったデザイナーに入ってほしいかを定義。
それは能力だけでなくこころがけといったものもまとめています。
基準をまとめることで、メンバー全員で採用活動が行えるようになることも目的としました。

こちらがデザイナーの成長ロードマップです。

こちらがチームが理想とするデザイナーを定義したシートです。
このシートに書いてあることに当てはまるか?を照らし合わせて面接などを行っています。

全体に共有しているので、新しく入社したメンバーも見れる状態にしているのですが、期待値がきちんと伝わるのもよいなと思っています。

その他に、新しく入社したメンバーのための研修や資料の充実化に取り組んでいます。

次が、仕組み化、効率化です。

まずは属人化している情報のドキュメント化です。
これまで各個人によって判断していたもの、人によって認識に差が出やすいものなども積極的にドキュメント化しています。

そして次が既存の業務フローの整備です。
定常業務のフローを見直し、改善できる点については改善プロジェクトを開始、その他データの管理方法なども統合後バラバラになったりしていた部分があり見直しを行いました。

これまでもレビューの時のコツやポイントなどをまとめたドキュメントはあったのですが、実際それをどう活用していくかについては各個人任せになっていました。

そういった部分をさらに手順化するなどして、新しいメンバーが入ってきてもできるだけ人によって差が出ないように、理解の温度差をなくすようにしています。

様々なレベル、認識のメンバーが集まりはじめると、特にレビューなどは、「なぜやるのか?なんのためにやるのか?」を理解せずに受けてしまうと、何故を考えることができずに言われたとおりに直してしまったり、逆に「なぜやるのか?なんのためにやるのか?」を理解せずにレビューすると、なにか意図がうまく伝わらなかったり、的外れのレビューをしてしまう可能性もあるので、認識をあわせるためのドキュメントを整備してどのタイミングで入社しても同じ温度感でことに迎えるようにしています。

次が業務フローの整備です。
どこに素材があるかわからなくて時間がかかっていた部分を解決したり、初めてツールを触る人がかならずつまずくような点をドキュメント化したりして効率を改善しています。

また、それぞれの作業既存のフローを見直し、課題になっている部分に関してはよりよい業務の進め方がないか考え、改善していく取り組みも始めています。

情報の共有に時間がかかることをできるだけ避けるため、そして最新の情報を保ちやすくするためにSketchからFigmaへの乗り換えも行いました。

デザイナーだけでなく、ディレクター、プロデューサーも使用しており、仕様やアイデアをまとめるところからみんなでFigmaを利用しています。

次がオープン化です。

大きな組織になると、気づいてほしい…という受け身な姿勢でいるとなにも進まないという気づきを得ました。

楽天市場のデザイナーと共に勉強会を開催してみたり、社外に向けてデザイナーの取り組みを発信してみたり、社内外とのつながりを作る取り組みをしはじめました。

組織内に向けてデザイナーがどんな人達か発信したり、デザインでお困りごとがあったら何でも声をかけてくださいとしつこいぐらいに繰り返してみたり…。
最近はCOLOR INSIDE YOUR SELFという無料の性格診断のようなものとストレングスファインダーを全員でやって、私達はこんな人達です!というのを発信してみる、ということをやりました。

組織内にも派生して、いろんなチームの方がやってくれて盛り上がったのでよかったです。

自らが声を上げて発信していくことで、こういうことを相談してみよう、一緒に取り組んでみよう、そういう声を集められるようにしています。

実際に相談も増えてきています。

というわけでさいごにまとめです。

組織の規模に関わらず、私が共通してデザイナーに求められていると感じているものは5つ

考え抜くこと、ユーザー目線で考えること、数字的根拠や効果検証にも意識を傾けること、最も適切な姿で表現すること、最も適切な姿で表現すること、それらを周りを巻き込みながら行うこと、でした。

そして、組織にあったデザインチームに進化するために取り組んでいることは3つ

新しい組織にあった採用・育成の仕組みづくり、そして業務全体の仕組み化・効率化、チームのオープン化でした

とかいろいろ言ってきましたが

今回、振り返りながらまとめていて一番感じたことがひとつ。

それは、結局頼り頼れる信頼関係こそがいちばん大事なのではないかということです。

統合直後、少ない人数でとにかく業務も回さないといけないし、採用も進めないといけない、メンバーに負荷もかかっているし、とにかくなんとかしないととバタバタしていた私に、メンバーたちが「もっと私達に頼ってください!」といってくれました。

たくさん業務をお願いしているし、申し訳ない、私が引き取ろう、となんとかしようと自分一人で抱え込むことは決していいことではなかった。

お互いに頼り、頼れる、信頼関係を作ることが一番大事。

それからはどんどん頼っていて、今回紹介した取り組みもどれもチームメンバーが率先して取り組んでくれているものです。

心強い仲間達と一緒に、これから新たに存在感のあるデザインチームを築いていきたいと思います。

※意図が正しく伝わるように、当日から一部表現を変更しました。

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ラクマのデザインチームでは引き続き一緒に課題解決に取り組んでいただけるデザイナーを大募集中です!

ラクマのデザインチームに興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたらぜひご連絡いただけると嬉しいです!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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