Yuki Matsuoka

インタラクションについて考えるのが好きな人。

Yuki Matsuoka

インタラクションについて考えるのが好きな人。

最近の記事

TOKYO2020

あれはたしか2013年、まだ学生だった頃。その報せは届いた。 そう、東京オリンピックの開催決定だ。 この話を聞いた瞬間、素直にうれしく思った。興奮した。生まれてからこの方、世の中で良い出来事が起こった試しがなかったからだ。2度の震災、国内外でのテロ、経済の行き詰まり…とにかく暗い話ばかり。だからこそ東京オリンピックは、初めて時代の転換点に、それも祝祭的な場面に立ち会えるかもしれないという希望を抱かせてくれた。 その日から僕は、どんな末端でもいいから、東京オリンピックに関

    • 納豆が消えた日

      僕は納豆が大好きだ。 家で食事する時は、ほぼ必ずといっていいほど納豆を食べる。幼い頃から続いている習慣はもしかすると、これしかないと思う程である。 だが、2020年3月下旬のあの日、スーパーへ行ったら納豆がなかった。 棚からキレイさっぱりと、姿を消した。近くにある別のスーパーでも、同じだった。 なぜかこの事が無性に腹立たしかった。突然の理不尽に遭遇したような気持ちになった。買占めによって、僕は納豆が買えなかった。 もちろん台風や大雪など、本当に食糧を備えるべき事態

      • 記憶

        令和が幕明けた頃、祖父が亡くなった。 そして、令和2年が始まって間も無く、祖母が亡くなった。 祖母はかれこれ10年近く認知症だった。 10年ほど前は、毎朝、犬の散歩に裏山へ走りに行くほど元気だった。だがある時、何かの拍子で転んでしまい、腰を痛めて一時寝たきりになった。 それから、急激に認知症が進んでいった。 腰は治っても認知症は不可逆的に進行していくばかりだった。徘徊や、食事を忘れたり夜中に暴れるなど、一般的によく聞く症状や事態は一通りあったようだ。祖父も気が狂いそうだ

        • 質感の話

          Uniteで中村勇吾氏の講演を聴いた。 「ゲームの中の質感」というテーマだった。 内容を大雑把に言うと、質感や性質など「質」というものは対象に内在していて、我々はそれを目に見える「現象」を通じて察知している。この原理を元に質感というものを表現する、それを可視化する現象をデザインしていく、というものだった。 実装も含めてやっぱthaすごいなあ〜とか考えていた帰り道で、最近の出来事をふと思い出した。 大きく話は変わるが、メッセージングアプリというものは現代人にとって欠かせ