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vol6.大切な人を失うということ

「今日が最期かもしれない。」

先輩が訪問から事業所に帰ってきて一言発した。

誤嚥性肺炎で入退院を繰り返している利用者さん。去年の年末に退院し、自宅看取りの方針で関わっている。

年末からいつ亡くなってもおかしくないという見立てであったが、訪問看護が連日2回/日で介入し、良くなったり悪くなったりの波を繰り返しながら現在に至る。

今週から状態が急激に変化し、いつ亡くなってもおかしくない程に下降した。

旦那さんとの二人暮らし。旦那さんが吸引や栄養(胃瘻)等、献身的に介護している。奥さん想いで、紳士な旦那さん。

職場結婚の二人。「働いていた時に仕事ばかりで妻には迷惑かけたから、定年迎えたら一緒に旅行に行ったり、恩返ししていくつもりだった。そしたら病気になって、旅行は難しくなった。だから今こうやって関わっていくことが私なりの恩返しなんだ」と前に話してくれた。

夜寝る間も惜しんで吸引したり、奥さんの様子を見に行く旦那さん。言語的コミュニケーションは取れないけど、いつも優しく声をかけて微笑む。

誰しもがいつかは亡くなる。そうは分かっていても、どんなに準備をしていたとしても、大切な人の時間が止まってしまう事実を目の前にするのは、、想像もつかない葛藤や想いがあると思う。


大切な人の死を前にする人に、私だったら何と声をかけるだろう。


旦那さんとこれまで話した事を思い出しながら、想像して考える。答えはないけど。これまでと、これからと共に。

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