非現実な現実を楽しもう【ファッション】
早いもので2021年になってもう10日が経った。
新年のお休みが3日しかない日並びで、あっという間に通常運行に戻ったこともあって、正月があったかどうかも実感するまもなく現実に引き戻された。
そんな今回は、非現実のアニメの世界を現実に落とし込んだユニークなコラボレーションが、偶然にも時を同じくしてファッション業界で続いたので紹介したい。
Gucci x ドラえもん
2015年に新たにアレッサンドロ・ミケーレをアーティスティック・デイレクターに迎えたGucciは、当時究極的にリアルクローズがフォーカスされていたノーム・コア全盛期にドラマティックで幻想的な世界観を打ち出し一気に世界のトレンドを一変させた。そんなアレッサンドロの世界観の中で、過去にMickey Mouseや今シーズン（2011年春夏コレクション）のDonald DuckなどDisneyキャラクターとのコラボレーションも多く発表してきた。
そして、である。
次なるコラボレーションのパートナーはなんと、日本が世界に誇るアニメ、ドラえもんだった。ドラえもんは昨年2020年に誕生50周年を迎えて、日本のPorter等ともコラボレーションをしていたが、海外の高級ファッションブランドとのコラボレーションは過去に例がない。
デザインはGucciらしいGGロゴのベージュキャンバスに様々なポーズと表情のドラえもんが配置されているもの。
製品の展開はバッグや革小物を中心としたレザーグッズに、RTW（洋服）にシューズ、スカーフなどの小物など全般をカバーしている。
Gucciの過去のコラボレーション例をいくつか。
Gucci x ドラえもんの商品がご覧になりたい方は以下の記事か、現在は予約受付になっているGucciのHPへどうぞ。
Loewe x となりのトトロ
今回もうひとつご紹介したいのは、Loeweと日本のアニメ映画の雄、スタジオ・ジブリの『となりのトトロ』。
数あるコラボレーションの中でこの組み合わせがもたらしたインパクトは間違いなく他を上回っていた。なぜなら、スタジオ・ジブリは元々ファッションブランドとのコラボレーションの実績がなく、『しないし出来ないもの』との暗黙の了解のようなものがあったからだ。だからこそ、その扉を開いた（ユニクロとのコラボでも知られる）J.W.アンダーソン率いるLoeweが業界に与えた衝撃は、出来上がった製品のクオリティと共に嬉しいサプライズとして歓迎されている。
「今私の中で、心が温まるような感情を自然と求めているところがあります。世代を超えてそんな安らぎを与えてくれる映画は何だろうか、と考えた時に思い浮かんだのが『となりのトトロ』だったのです」、とはアンダーソン談。
（以下Casa Brutusより引用）
製品展開は、上のGucci x ドラえもん同様にレザーグッズとRTW、シューズなど、テキスタイル製品がないのが残念ですね。
LINEでLoewe officialを友達申請するとトトロやマックロクロスケのデザインのWallpaperをダウンロードすることもできるので、ファンはこちらもお勧め。
どちらもラグジュアリーブランドでおいそれと購入できる価格帯のものではない。しかし、日本の文化の代名詞になりつつあるアニメがこのように欧米ブランドにコラボレーションに値すると認められていることは誇らしく感じる。（昨今のコラボ乱発でその価値を問われるものも多いのが事実だけど）
買う必要はないので興味を持てたなら、美術館にアートを見にいくのと同じ感覚でぜひショップに行って見て欲しい。実物を見てみることでさらにブランドの事を知るきっかけにもなると思う。
きっかけは何であれ、興味を持ったらまずは実物に触れてみる、これが、特にネットで全てが完結しかねない今、より大事な感覚と経験になってきますね。
皆さまの、明日から始まる新しい一週間が、日常を少し離れた非現実な世界を楽しみつつ、好奇心を持って新たな体験がひとつでも増えるものとなります様に。
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