Design concept: natural leather①

今日は、Yu Kasagiの3つあるcore coceptsの2つめ、natural leatherに関してお話ししたいと思います。

History of creationでも触れましたが、自分でバッグを作るにあたってはleather、しかもnatural leatherを使用する事以外の選択肢はありませんでした。長く使える上使う事で柔らかく馴染み味が出てくるからです。


“natural leather”の定義

素材の違い

通常natural leatherの反対語は合成皮革、いわゆるフェイクレザーと言われるレザーっぽくした人工素材です。これはこれで素材としてテキスタイルよりも高級感があり、リアルレザーよりも軽く必要な大きさで作る事が出来、水に強くコストも押さえられるため、それなりに高級な車のシートや高級ブランドのバッグの内側に重宝されています。ただ使用状況などによっては経年劣化(経年変化ではなく)は避けられず、そもそも自分の作品に“フェイク”なものなど使えるはずがありません。

鞣し方の違い

リアルレザーに目を向けてみると、実は2種類のレザーがあります。それは鞣しの行程に依る差から生じる違いです。

そもそも鞣(なめ)しとは、牛から食用の肉を取った残りの『皮』の状態を『革』に変える行程です。人間はヒトになった当時から動物を猟って食べた残りを骨は槍や矢じりとして加工したり、毛皮を服や靴として活用していました。時代を経て、その行程は水洗いだけだったところから腐らない様に、肌に触れても痛くない様に、薄くして加工がしやすくなる様に、様々な色が表現出来る様に、どんどん技術の発達と共に増えていきました。

そうした中で途中までは自然の材料でこれらの行程を行っていました。しかし他の産業でも起こった様に、化学薬品を使用する事でより安価で大量に作れる様な技術が出てきます。昔ながらの天然材料で加工する方法が植物タンニン鞣し、一方後者がクロム鞣しと言われるものになります。(今ではそれぞれの特徴を持たせるために、クロム鞣しを施した後にタンニン鞣しを施すコンビ鞣しという製法もあります。)

クロム鞣しの強みは鞣す行程から製品化された後まで、圧倒的に扱いのしやすさにあります。安い溶剤で短時間で一定のクオリティに仕上げ、極端な話蛍光カラーといった色合いも表現出来る上に素材としても表面にコーティングして水に強くする加工をしたりと、タンニン鞣しでは不可能だったレザーの新しい可能性をもたらした事は間違いありません。


私の選択

ただ、『クロム使うんだったらプラスティックでいいよね』というのが僕の率直な意見です。

なので、僕は“natural leather”という時、これは『タンニン鞣しのリアルレザー』である事を指します。

次回は、この『タンニン鞣しのリアルレザー』に関して、詳しく説明したいと思います。

皆さん、明日からまた素敵な一週間を。


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