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羞明を知っていますか。

眩しいのは、私だけだと知ったのは、いつだろう。小さい頃は、皆同じ眩しさを感じて生きているんだと思っていた、長い時間外に出るのにサングラスが必要なのが、自分一人だと気づいたのは、いつだったか、覚えていない。

羞明(しゅうめい)は眩しさを強く感じてしまう症状のことである。原因はさまざまで、私のようにアルビノが原因の方も、脳機能が原因と考えられる方もいる。

この羞明には、指標となる数値がない。視力が0.1ならこんな視界だよ、と示した写真がネット上で拡散されたこともある。でも、羞明にはそんな数字がない。だからよりわかりにくい。

でもたしかに、他の人より眩しく感じるのだ。他の人が平気そうにしている光、私は平気ではない。私の知る限りでは、羞明のため、部屋のなかでも遮光眼鏡を外せない人がいる。

では、羞明の人達は、どのような支援を受けられるのか。答えは、ほぼ受けられない、である。視覚障害者手帳は視力と視野によって判断される。そこに、羞明は入っていない。

この国では、障害者手帳がないことはそのまま、支援をほぼ受けられないことになる。(手帳がなくても、難病ということで受けられる支援もあるが、支援の多くは手帳のある人を対象にしている)

羞明の程度が重いと、外出もままならなくなることがあるらしい。(参考:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20200619-OYTET50016/ )テレワークやリモートワークが増えたとはいえ、まだ多くの会社は朝出勤して夕方退勤するシステムをとっている。そのなかで、外出できなければ、就労は難しくなってくる。

それでも、視覚障害者手帳は、出ない。手帳がないので、税の減免や交通費の割引といった支援が受けられない。手帳がないので、障がい者枠で雇用されることもかなわない。

羞明は患者の生活にも就労にも多大な影響を及ぼしている。そうでありながら、支援はほぼない。障害者としてすら認識してもらえない。

状況はひどいと言っていい。そんな状況にも、少しだが光が見えた。厚生労働省が、羞明の患者の実態調査を始めるのだ。この調査をきっかけに、羞明の人々が認知されるよう、私としても書き続けていきたい。

執筆のための資料代にさせていただきます。