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ソーシャルワーカーのお仕事

どうも、ゆかりです。私の前職というか職歴で一番長いソーシャルワーカー。最近、質問を受ける機会が増えたので、少しだけ綴っていきたいと思います。自分が経験した分野を中心に徒然思いつきでちょこっと紹介しますね。

【病院で働くソーシャルワーカーへの道のり】

私は単科の福祉大学卒で、在学中に社会福祉士という国家資格を取得しました。
病院で勤務する「MSW(メディカルソーシャルワーカー)」に憧れて、福祉の道に進学。
当時は、病院にソーシャルワーカーを置く、ということが今よりも一般的ではなく、一部の大病院に少数のソーシャルワーカーが配置されている、という状況。
就職活動時には、MSWの求人はほぼゼロ
で、私が取った行動は大学就職課職員もびっくり!今の私もびっくり!な。
自分で地元の病院に、メールや電話で片っ端からアピール
その中で、3つの病院が「会ってもいい。」と返答。
MSWを置こうかと検討しているが、来季からは難しいかも知れない、お話だけでもいい?というところが2箇所。
そして、1箇所が設置を前向きに検討しているところ、とのこと。
結局後日、1箇所から「面接にきてください。」と。
そのまま、自力で就職先をゲットし、晴れて目標通りのMSWに。

【MSWのお仕事】

病院にいる相談員、という表現が適切かな。
私は主に相談業務、病床管理、地域医療連携、社会資源のコーディネート、などの業務を請け負っていました。
イメージしにくいかも知れませんね。
例えば、あなたのご家族が病院で大きな手術をすることになったとしましょう。
何か派生する困りごととか、思い浮かびますでしょうか?
そうですね、手術の費用面は気になりませんか?
手術が成功すれば良いのですが、もしもの時に後遺症などが残り介護が必要になるケースも考えられます。
ご家族の方のご不安や心配な気持ちはどれ程でしょうか?
医師や看護師に直接伝えにくい、ちょっとした入院生活の頼みごとなどはありませんか?
また、入院期間が長期になり、医療保険制度上の問題が出てきて、転院しなければならなくなったが、転院先の情報がないという状況もありえます。
そのような時に、ソーシャルワーカーが登場します。
その他にも、誰に相談して良いのか分からないこと、患者様を取り巻く環境や社会的なこと、ご家族の関係性やご家族自身の困りごと、様々なお話を聞かせていただきます。
もちろん、お話された内容は、医療チームが最大限のパフォーマンスを発揮するためだけに開示しますが、場合によっては相談員との間だけに留めさせていただく、ということもあります。
必要があれば、医師の説明に同席したり、他の医療福祉機関の担当者にお繋ぎする時に同行したり、病院内のカンファレンスや会議、看護師の日々の申し送りやミーティングに参加したり、他機関との連絡調整をしたり、とにかく業務は多岐に渡ります。

【ソーシャルワーカーの役割】

様々な役割を担いますが、一言で言い表すことができます。
それは、「クライエントの社会的機能をエンパワメントする」。
用語が見慣れないかも知れないので、少し表現を変えますね。
相談にきてくださった方、患者様、対象になる方(クライエント)が、たくさんの選択肢の中から自分の意思で自己決定して、その人がその人らしく社会で生きて行くことができるようにお手伝いすること。
気をつけることは、その方の人生はその方ご自身のものである、という姿勢を保持し続け、そばで見守り寄り添い、その方をあるがまま受け入れて行く、ということです。
決して上下関係が発生するような対応は致しませんし、来談者に指示する立場でもありません。
病状の説明もお薬についても説明しません。
多くの情報を日頃から収集し、情報にある制度や施設を利用するかしないかは、クライエントご自身で決定していただく。
とにかく、寄り添う。
しかし、困ったことに社会にはタイムリミットが生じるようなことが往々にしてあるのですよね。
そうすると、期限とゴールを決めて、クライエントやご家族の方と一緒に取り組むことになります。
こんな感じで、ぼんやりとしておりますが、個々のケースによって様々な支援や援助が考えられます。
AだからB、ということはなく、全く同じ展開になることなど一つもない、ということです。
我々ソーシャルワーカーのスキルそのものが、クライエントの社会資源になるのですよね。
社会資源とは、「福祉的なニーズを充足するために活用される施設・機関、個人・集団、資金、法律、知識、技能などの総称」とされています。
身近なものでは、ご家族、地域のコミュニティ、学校や職場、郵便局やスーパーなど生活の場で使用するような場所、などクライエントが社会生活を送る上での全てのものを含みます。

【他にどんなソーシャルワーカーがいるの?】

私たち社会福祉士の国家資格保有者は、在籍する職場によって呼称が変化します。
上述した病院勤務のソーシャルワーカーは、メディカル(医療)ソーシャルワーカー。
他にも福祉施設をはじめとして、様々な機関で勤務しているソーシャルワーカーがいます。
高齢者、障害者の入所・通所施設では、生活相談員として。
児童相談所では、児童福祉司として。
役所の生活保護担当者は、ケースワーカーとして。
学校では、スクールソーシャルワーカー(スクールカウンセラーの場合もあり、こちらは心理職)。
この他にも類似する職種の方もいらっしゃいます。

【まとめ】

皆さんは、実際にソーシャルワーカーに出会ったことがありますか?
人生の中で、大きな出来事が起きなければ普段はあまり接する機会のない職種だと言えます。
また、国家資格でありながら、医師のように業務独占ではないため、相談職の方が全て国家資格保有者だということもありません。
私たちは、名称独占という権利をもち、社会福祉士として勤務していない際も独自の倫理綱領に遵守して、社会的イメージを損わずに行動する義務があります。
福祉に従する者として相応しい社会行動が望まれる、という訳ですね。
ちょっぴり、小難しいような話になってしまったかも知れませんが。
私自身の言葉に置き換えて表現しますと、こうですね。
社会生活で大きな出来事が起こった時、困ったことやどこに相談していいのか分からないことを相談して、解決できる方法を自身で見つけるために寄り添い、ちょっぴりサポートする存在、人生の影のサポーター。
そんな感じ。
私は、今はソーシャルワーカーとして生計を立てていません。
現在本業とは別に、カウンセラー講座で学習中の身です。
そんな中、社会福祉対人援助技術が自分の原泉である、と実感しています。心理学におけるプロと近いところもたくさんあるかな、と考えています。

今回のテーマはいつもと少し味わいを異としたかも知れませんね。
生きづらい何かに直面した時、そっと思い出していただけたら良いのかな、と思います。
次回は、社会福祉対人援助技術のお話をしてみたいな。
今日も最後までご覧くださり、ありがとうございます。
あなたの生きづらさが少しでも柔らかいものとなりますように。


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