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相談室ー過去の夢をみるあなたへ

11月はほんとうに忙しくて、12月が目前であることに驚いています。一年ほどアレコレ考えていたことが考えとしてまとまってきており、さらに仕事が楽しくなってきている今日この頃です。それと同じくらい、相談室への回答を書くことが楽しみなのですが、余裕がなさ過ぎてお待たせしてしまいました。こころからごめんなさい。

今回は、以前相談をいただいた方からの二度目のメッセージです。


きのう、夢を見ました。
幼い頃の弟2人が私の息子になっていて、酒乱でDVで毒親のいいなりだった亡き父が私の夫になっていて。その夫が外出した隙に子ども2人を連れて逃げようとするのに、一瞬の罪悪感(かわいそう)に揺れ動いていたら酒乱の夫がなぜか帰ってきて、どうにかすり抜ける…という。

私にはずっと、「認められたい・受け入れられたい・愛されたい」と、
「私なんて価値がない・私の主張をしたら嫌われる・嫌われたくない」が同時にありました。

なんでだろう、それを楽しみたいのか今世は、と受け入れようとしていましたが、昨日の夢で、なるほど、幼い頃に強烈に刷り込まれてたみたい。

いつどこで何がきっかけで爆発するか分からない父と、それでも体裁を大事にし良い子育てをしたと信じている母との間で、顔色を伺い、親の言う通りのルートに進み良い子のように過ごし、自分の気持ちや意見は後回し、囲われた檻の中での自由を楽しむと言う選択肢を選んだ事をずっと悔やんでいましたが…

それは私を守る最大の防御策だったんだな、と思えたら、よしよし、がんばったね、良い選択をしたよ、おかげで私は今日も生きていて、今は本当の自分の探求を少しずつでき始めてるよと思えました。

一時は、反抗しても家出しても、自分のやりたいことを選ぶことができたのに、親の示すルートを選んだのは私だと思っていた時もあったけど、そうしなかったのは自分を守りたかったから。

数年に一度思い出す昔のこと、思い出さないくらい心の奥に封印してるみたい。思い出すたびに消化してきたつもりだったけど、まだまだあった。でも今回は、母を責める気持ちもあまり湧かず、自分にも優しくできてるんじゃないかな。

ゆかりさん、こうして質問箱を設置してくれていて、ありがとうございます。


相談者さん、振り返ることができるオトナになるまでがんばれたあなたが、とてもすばらしいです。理不尽さと暴力、抗えない厳しい家庭環境の中で育つこと。守り、通り過ぎることを待ち、反発し、逃げて、諦めて、考えることをやめる。愛って、家族ってなんなんだろう。そんな日々を息をひそめながらいくつもいくつも積み重ねてきたのです。よくがんばられましたね。

夢に見てしまうのは、封印が解ける時期が近いのだと思います。
私見ですが、思い出したくない記憶は、大人になるにつれ記憶の奥底にあるパンドラの箱のようなところに押し込められるのです。普段はそう思い出すこともないのに、夢やなにかで浮かんでくるということは、その先の解釈にすすむためであったり、その記憶を越えていくための新たなステージを示唆されているのではないでしょうか。

かたちは違いますが、私も相談者さんと同じように厳しい環境のなかで育ちました。自分を守り防御態勢をとったまま生きてきました。その体験からお伝えすると、驚くことに負の記憶はいくつかのステージを越えて、消化どころか、いずれ、やわらかいものへとカタチを変えていくのです。

さて、大人になるとはどういうことでしょうか。

私たちが子供であったように、ひとはみな子供であった時期があり、大人とよばれる年齢や老齢になっても、自分のセルフイメージは若いころのままのはずなのです。鏡にうつる自分を見れば加齢による変化に気づきもするし、身体もきかなくなります。体験してきたことも語彙も圧倒的に増えています。それでも、内面の意識はかわっていません。相談者さんご自身もそうではないでしょうか。年齢は全く関係なく、あなたはあなた、私は私のまま脳内で言葉を紡いでいるのです。

ご両親もその他の記憶にかかわる方々もおなじです。いい悪いではなく、生き方やあり方の正解、育て方、父や母とはどういうものか、欲や自己肯定感の扱いも当時のご自分ではわからなかったのだと思うのです。そのなかで子を持ち、育てていくことがどういう意味を持つのか。しあわせとはなんなのか。わからないから、苦しまぎれにゆがんでしまい家族にシワ寄せがいく。ご両親も暗闇の状態を続けられていたのでしょうね。

相談者さんが、ご自分の探求や人生の意味を問い続けていくのであれば、いずれ答えにたどり着きます。相談者さんがこの人生を、いまのご両親を選んで生まれてきた理由、相談者さんの人生を歩いている意味が。記憶にまつわる様々なできごとは、その瞬間までの道案内の役目なのでしょう。

記憶の登場人物のみなさんをゆるすことではなく、知っていくことが大切なのです。あの日、あのとき、その方はどんな気持ちでいたのか、なにがそうさせたのか。ひとりの人間として対象に興味を持つことです。

相談者さんの歩いていく道が優しい光に包まれていきますように。最後のメッセージ、とてもうれしかったです。

ご相談が残り一本となりました。
待ってます!
お待たせすることもありますが、すべてに回答をしますからー!


まったくの無記名(匿名)フォームでお悩みごとを受付ています。その回答をnoteに載せています。

フォームはこちらです。

https://docs.google.com/forms/d/1R4qX5R8RpaBNfHFk5DDENoHoz23et8JqbW04b-xlki0/edit

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