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村上春樹さんのように生きたい、と思ってしまう

大学生時代に美術を学んでいた。
西洋美術の授業の前後だったと思う。友達に好きな本を聞かれた。
急に聞かれて困った私は「村上春樹の文章は好き」と答えたんだと思う。

友達は「村上春樹は苦手だけど、ゆかりちゃんのイメージにぴったりだね」と言ってくれた。

美しく、自信があり、いかにも育ちの良い女性にそう言ってもらえたのは、ただ嬉しかった記憶がある。

今思えば、村上春樹の小説に出てくるわがままで愛らしい女性と、それをウィットに富んだ言葉で冷静に包みこんでくれる男性。その関係性にどことなく憧れがあったのだと思う。頼もしくて、大人で、静かに芯のある人は今も好きだし、文章のリズムやたとえの表現など本当に美しいと感じる。


なんとなくの恥ずかしさで、今は村上春樹の小説を読む気分にはなれないのだけど(笑)エッセイはときどき読み返す。

とくに好きなのは『少年カフカ』と『村上さんのところ』という読者の質問に答える回答集。

私にとって、人生のヒントをたくさんもらえた本だった。


『村上さんのところ』

その中から好きな部分を3つ抜粋して紹介し、いかにその言葉を受け取ったのか、を綴っていこうと思う。


①期待されるということ自体が素晴らしいと思います。そういう人ってあまりいないですよ。きっとあなたは、ついみんなに期待されちゃうような素敵な人なんだろうと思います。さくさくとまわりの期待にこたえてください。


期待されるとプレッシャーだと思ったり、期待にこたえられるか不安になる気持ちはわかる。困っちゃうようなこともあるよね。

でも私は期待されることは嬉しいことだし、できればこたえたい、それもさくさくっと。

そうできるのが一番いい、って前向きに捉えることにしている。

たぶん頑張ってできないことがたとえあっても、経験上やりきったらスッキリするし、それを見ていてくれる人がいるからね。


②「腹がたったら自分にあたれ。悔しかったら自分を磨け」、それに尽きます。


私はふだんから怒りをあらわにしないのだけど、やはり世の中に腑に落ちないことはある。
そんなときは、この言葉を思い出すようにしている。


他人のこと、まわりのことは変えられないからね。自分を磨く糧にしたほうがずっと有意義だと思うな。悔しいと思う人がいたら、その人より幸せになったり、スキルアップしたりすると気持ちが落ち着くかも。


③僕が求めるのは、時間と自由です。もちろん時間と自由はある程度お金で買えます。でもそれだけじゃないんですよね。もっと大事なのは気持ちの持ち方です。そういう姿勢はお金だけは買えません。


村上さんは自分の年収がいくらあるかもしらない、らしい。

お金がなくても好きなことをしていれば幸福で、あってもどうってことない。
あればあるなりに、なければないなりに生きていきます。と言っている。

この考えがとても好き。
お金で買えない好きなこと、幸福な気持ち、お金よりも大切だよね。


余談で、ちょっとクスッとしてもらえると嬉しい部分も紹介。笑
「〜どうすれば、村上さんのようにきゅうりのようにクールな人間になれるでしょうか?」という質問に対し、「しかしきゅうりも『おまえのようにクールになりたい』と言われたらきっと緊張するでしょうね。トマトのところに相談しに行くかもしれません。どうでもいいことですが。」の返しをしていた部分も好き。

こんなユーモアのある返し、してみたい!!


村上さんは、自分のPCに名前をつけたり、自分の年のことは考えないようにしていたり、面白い。たぶん小説を書く人はそれぞれの世界観が変わっていると思うんだけど。笑

紳士でユーモアのある人のイメージ。自分ではそんなことないように語っているけれど、文章力があればそれで十分だよね。小説家なのだし。




自分を見失わず、大切なものをしっかり守れる心の自由な人になりたい、と思う。もっとタフにならなくっちゃね!!
そんな時に読みたくなるのが、この『村上さんのところ』である。

紙の書籍も出ているけれど、kindleや楽天koboなどの電子書籍であればすべての質問に答えたコンプリート版が読めるよ♪





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