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ラノベ『はめふら』1巻の話

 さて前回の記事(『私となりきり』)でそういう人たちと親交があるのはおわかりいただけたと思う。気になる人にちょくちょく声をかけながら仲良くなっていく過程で、実は必ずしも作品知識が必要とは限らない。普通に話せそうな相手と普通に話す、それで事足りることもあるわけだけど。

 キャラと作品から姿形を借りたその相手が魅力的に映ると、やっぱり元の作品自体にも興味が出てくる。著作権的にはブラック寄りのグレーかもしれないけど、販促に一役買っているのも間違いない。そんなわけで、まんまと乗せられる形で『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の第一巻を購入してみることにした。
 たしかゼロサム(一迅社)からコミックが出ていたけど、もとは小説だったはず、と、予備知識は本当にその程度。マンガは手軽に読めるものの私はノベリストであるから、今後の参考のためにも小説で手に取っておきたいなあと行きつけの本屋でラノベの棚を探す……しかし見つからない。アニメにもなってるのにおかしいなと思ったら、ちゃんと『アニメ化コーナー』的な特設棚に置いてありましたとさ、まではいいとして。
 さっそく背表紙をチェックすると、ベースカラー白+淡ピンクのカバーに『一迅社文庫アイリス』の文字が。

 ……。
 女性向けレーベルだコレー!?

 なんてこった。そりゃあ富士見ファンタジア電撃の棚を探しても見つからないワケだ。主人公は悪役令嬢、つまりは女性のカタリナ・クラエス――ただ女性向けにカテゴライズされているとは思いもしなかった。ついでに言えば一迅社がライトノベルの自社レーベルを立ち上げているとも。
 もともとラノベは読んでるタイトルが少なく、かつ偏っている。スレイヤーズ、フォーチュン・クエスト、ハルヒ……みんな女の子が主役または話の中心でありつつ、レーベルの傾向としては男子向けの作品多め。うん、『はめふら』もそのノリというか流れで探しちゃったよね。仕方ないね。

 書籍購入の段階で微妙なハードルにつまずきつつも、無事に読み終えたのが昨日の話だ。率直な感想をひと言で表せば『おもしろかった』。純粋に楽しませてもらえたな、という印象が大きい。
『なろう』からの書籍化ということもあってか、文章表現・技巧のような部分で参考になりそうなところは特になかった。まあ読むのに支障はないし、高校生+αぐらいの年代の主人公による一人称で、読者層もその辺りだと考えるとちょうどいいのだろう。やっぱりこの作品のおもしろさは世界観とキャラクターの造形・魅力に尽きる。特にカタリナ。
 平凡な高校生からわけもわからず、異世界かつ貴族社会に生きる『カタリナ・クラエス』に転生した主人公が見せる、肩書き、というか世界観そのものとのギャップと、それに振り回されながらも惹かれていく周囲の人たちのドタバタラブコメディ。想像するだけで楽しい。読みながらクスっとしてしまったのは事実で、それで成功なのだろう。パワーのあるキャラで展開を引っ張るマンガ寄りの構成はラノベならではといえる。
 1巻ではキャラが出そろって、さあ件の乙女ゲームの本編が始まるぞ、というところで終わるので、そりゃまあ続きが気になるよね。

 すでに続きが結構出ているので、全部追うには時間が必要かもしれない。次巻購入まではアニメ視聴しつつ、作品理解を深めていきたいトコロ。

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