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よしなしごとたち

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日々感じたことを好きなようにずるずると綴っています。
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#日記

味覚の機微、人生の俯瞰、書店が好き

味覚の機微、人生の俯瞰、書店が好き

約3週間前にコロナに罹り、療養期間が明けてもしばらくのあいだ、味覚と嗅覚の不調が続いていた。
食べることを生きがいとしているわたしにとって、この状態はかなりこたえた。

「洗剤と食べものの匂いはなんとか嗅ぎ分けられるかな……」レベルが2日、「洋食か和食かくらいはなんとなくわかる」レベルが2日、そして「においも味もおおまかにはわかるけど、風味とか香りとか繊細なところはようわからん」というレベルが2週

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2022どたばた振り返り!

2022どたばた振り返り!

年の瀬、時間はあったはずなのにゆっくり振り返る余裕がなく、かけこみで2022まとめ!
40分で書きました!乱文お許しくださいませ。

いちばんうれしかったこと

出版社に転職できたこと。
2022年の目標に掲げていたので、達成できて本当に良かった。初詣の生田神社で買った仕事守の効果がかなりあったのではと思っている(一緒に買った友人は月刊誌で漫画の連載が決まったのだった)。年が明けたらちゃんとお礼参

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ゴールデンウィーク2022

ゴールデンウィーク2022

10連休、たのしかった記憶の備忘録



1日目(4/29):ねむりねむられ

たくさん雨が降り、強い風が吹いていた連休初日。
たらふく眠り、出かけるつもりだったけども諦めて、一日じゅう寝巻きで怠惰に過ごす。
休日はまだまだ続くから、こんな日があってもよい。連休の幕開けという感じ。



2日目(4/30):「あの頃は楽しかったね」だけじゃなくて、これからもたくさん楽しい記憶をつくっていきたい

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涙は計画どおりにいかない

涙は計画どおりにいかない

ヴァイオリニストの友人からお誘いを受け、室内楽のコンサートに行ってきた。

各駅停車の電車に揺られること約15分。
はじめての駅に降り立ち、改札を出て、地図を見てもよくわからなかったので駅員さんに方角を尋ね(案の定、反対方向に進むところだった)、川沿いの道をずっとまっすぐに歩いた。

歩くこと5分。早めに到着してしまったので、受付を済ませてから席につき、本を読みながら開演を待つ。
今日は風の強い日

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自室で息をして

あ、苦しい。そう気づいてやっと、自分が息を止めていたことを知る。
巷で「電子メール無呼吸症候群」などと呼ばれている症状に近い気もするけれど、何もわたしはパソコンやスマホの画面に向かっている時だけ呼吸を忘れるわけではない。

片づけをしている時、着替えている時、本を読んでいる時、食事をしている時、何もせずただぼーっとしている時でさえ「……っは!」となってようやく気づくのだ。
それらの共通点は、いつも

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日比谷きらきらクリスマス

日比谷きらきらクリスマス

今日は大好きな友人と会えたのでとても元気。
日比谷のクリスマスマーケットに行く予定だったのだけど、会場の入り口にたどり着くと、まるでユニバかと思うほど長蛇の列。さすが華金、さすが日比谷。とてもじゃないけど並ぶ気力はなくて、駅のほうへ歩きながら途中イルミネーションの前で写真を撮り、クリスマスをやったことにした。

そのあと赤煉瓦の高架下にあるドイツ料理屋に入り、あれこれ迷った末にドイツビールとワイン

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網戸越しに秋

網戸越しに秋

4週間以上も好きな人にふれられていない指先が、熱を持ってじんじんと痺れるような感じがする。

最近の頭のなかはいつも鉛をつめこまれたかのようにぎゅうぎゅうで、それはからっぽに比べたら喜ばしい状態ではあるのだけれど、ずっと続くとなかなかにしんどくて、だから半ば強制的に、一時的にからっぽにしたい。
すなわちそれは、好きな人とふれあいたいということ。わたしのなかには、人肌のぬくもりでしか埋められないもの

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はなちゃんと過ごした日

はなちゃんと過ごした日

「お母さんからバタークリームのケーキが届いたの。良かったら一緒に食べへん?」
そんなとびきり素敵なお誘いに乗って、はなちゃんの家に遊びに行った。この春上京してきたはなちゃんは、大学時代からのたいせつな友人だ。

前回会ってからそう間が空いたわけでもないのに、再会するたびうれしくて顔はでろでろにほころぶし、手を取り合って子犬のごとくくるくると回ってしまう。
はなちゃんの最高な提案に基づいて、マックの

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コロナ禍の決意

コロナ禍の決意

コロナ禍において、もっとも納得がいかないこと。
それは「恋人に会えないストレスで食べすぎて太る」という構図である。

だって、だってですよ、「恋人に会えるからストレスフリー、食べすぎることもなく体型キープ!」って、いったいぜんたいなんやねん?
ちょっと、いいとこどりすぎやしませんか。
ずるい。せめて後半だけでも交換してくれないと絶対つじつまが合わない。わたしもそっち側がよかった。圧倒的ずるい。

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日日是好日

日日是好日

今からちょうど一年前、わたしはこんな歌を詠んだ。

年間の二百余日は家にいて窓から世界をながめていたい

社会人になってまもないころ、仕事云々以前に毎日決まった時間に会社に行かなければならないことが苦痛で仕方なかった。好きなときだけ軽やかに働いてつつましく日々を送れたらそれでいいのにと切実に思っていたのだけれど、まさかあれから一年後、こんな形でその願いが実現されるなんてもちろん想像してもみなかった

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夢日記:2020/03/03

夢日記:2020/03/03

今日、人を殺す夢を見た。
マンションの24階に住んでいるわたしが洗濯物を干そうとベランダに出ると、一人の中年男が隣の部屋から伝ってやってきて、「一緒に遊ぼうよ」などと言いながらにじり寄ってくるので恐怖して揉み合った末、ベランダから突き落とした。程なくして階下から厭な音がして、わたしは彼が死んだことを確信した。
人ひとり殺めているというのにちっとも動揺しておらず異様に冷静で、正当防衛だから罪には問わ

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嫌われたくないやいやいや

嫌われたくないやいやいや

突然ですが、質問です。
「嫌われる勇気」なるものを、あなたはお持ちでいらっしゃる?

わたしは、持っておりません。
9年間もの義務教育を終えて高等学校も卒業し、晴れて人間関係のしがらみから解き放たれた4年前。

中・高時代はそうでもありませんでしたが、特に小学生の頃、人間関係のあれこれに対して非常に心を砕いてきたことを思うと、大学においての人付き合いというのは夢のようでありました。

まず、

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東京と電車

東京と電車

東京。駅のホームで、改札の前で、ときに車内で、いつも誰かが。
手にしたビニール袋の中に顔を突っ込んで、壁に手を突いて、ときに誰かに背をさすられながら。まるでこの世の終わりみたいな顔をして。

それを見て良いことなんて一つもない、むしろこっちまでつられて気分が悪くなってしまうこともしばしばなのに、何故だかいつも目を離せなくなってしまう。
自分がほとんど飲めないこと、そして大酒飲みの友達が少ないこ

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春過ぎて

自転車を漕いでいてしたたるほどの汗をかいたのは、今年に入って昨日がはじめてだったように思う。

そこらじゅうに、夏のはじまりが満ちている。

ひとつの足掻きを終えることができた。

最近うわあっと書いていたものを 無事〆切に間に合わせることができたので、

郵便局の人に「お願いします」と手渡すと
暑いおもてに出て、大きく息をついた。

思っていたほどの達成感はなかった。

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