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日本人が「形容詞」を使えない理由

今回は「形容詞」について、私の思うことを書きます。

まず、日本人はほぼ全員「形容詞」を全員、やり直しになるでしょう。今の学生さんも全員、将来必ず全部やり直します。

何を言っているのかと思われるかもしれませんが、それには確かな理由があります。

さて、その昔、自分が塾講師をしていた時、形容詞とは「ーい」で終わるものだよ、と子供たちに説明していました。数年前の話です。

「強い、弱い、広い、狭い、高い、低い、美しい、醜い、、、」

つまり、「何かの状態」を表すものです。

そして、このようにして日本人は、沢山の形容詞を覚えていきます。

これで何も問題がなさそうに思えます。私も塾で教えていた時、ここで終わっていました。

ただ、もう一度塾講師になったとしたら、こんな覚え方は絶対にさせません。

なぜならこれらは、全く使い物にならないからです。ただ、文章を訳せるだけです。

さて、これは有名な話ですが、「自分の部屋が狭いこと」を英語にしようとします。

この時、日本人は瞬時に「日本語から英語を紡ごう」とします。

当然です。英作文のやり方しか、学校で教わっていないのですから。

そうすると、必然的に"My room is narrow."という英文が、瞬時に出来上がります。「narrow=狭い」と覚えれば、当然そうなる。

ただ、そう言うと、ネイティブにはどう伝わるのでしょうか。

もちろん、こうなります。

My room is narrow.

そう、長細くなります。もしかして、廊下みたいな部屋をイメージされるかもしれません。

ちなみに「narrow」の英英辞書の定義はこうです。

narrow: long and not wide

そう、あくまで長く、幅が狭いのが「narrow」なのです。

しかし、日本語では部屋のサイズが小さいことも「狭い」で表現します。だから、間違ったニュアンスで伝わってしまう。

つまり、この覚え方は、将来、自分の英語に「傷がついてしまう」のです。修復作業(やり直し)を前提で覚えている。

ではこの場合、どう伝えれば良かったのか。

My room is small.

そう、サイズが小さいことを伝えたかったわけなので、「small」でいい。

この間違いは、私たちが「narrow=狭い」で勝手に覚え、部屋が小さいことを日本語で「狭い」と表現していることから来ています。

こうして国家単位で「自爆」しているのが日本人です。

英語を日本語訳で覚えて、日本語の感覚で英文を紡いで、ネイティブが聞いたこともない英語を相手に伝えるため、「通じない、笑われる英語」になっている。この構図は100年以上、全く動いていない。

そのため、何度も日本人は英語をやり直しています。書店に行けば、「ネイティブならこうだよ」的な本が売られているのは、全てそのせいです。

しかし、やり直してもまた、英語を日本語で捉えようとしている。

ここで堂々巡りに陥り、迷宮から抜けられくなった方を、スクールで沢山見てきました。日本語が英語にならない、言っても伝わらない。

では、どうやって形容詞を覚えれば、この迷宮から抜け出せるのでしょうか。

それは、とても簡単なお話です。

形容詞は、日本語訳ではなく、形容するものと一緒に覚える。

別に特別なやり方ではありません。そもそもですが、皆さんが日本語を覚える時は、そうだったはずです。

例えば「強い」を覚えた時、そこに「強い」ものがあったでしょう。形容詞単独で覚えなかったはずです。

以下、日本語の「強い」です。一応、ご覧下さい。

彼に対する想いが強い、束縛が強い

お酒に強い

寒さに強い

眠気に強い

責任感が強い

パンチが強い

水圧が強い

日差しが強い

メンタルが強い

テストの本番に強い

口調が強い

水に強い

経済に強い

そう、全部正しい、「強い」の使い方です。考えれば無限に出てきます。

私は日本人として、日本語で何十年も生きてきました。周りが「強い」を使っているのを聞き、読み(多聴多読)、そして自分でも正しく使ってきました。

こうした、揺るぎない「国語力」があるから、私は正しく日本語を使うことができます。

しかし、これを英語で伝えようと思った時に、全部「strong」で済まそうとするのが、全日本人です。

ここで日本人はほぼ全員、ボロボロになっています。おかしな英語になったり、文が作れなかったり、目も当てられない惨状です。

しかし、それは当然です。

なぜなら、学校で「strong=強い」で丸暗記し、そこで教育が止められ、英語を全て日本語から紡ごうとするやり方しか習わなかったからです。

ちなみに、上の全ての例を「strong」で済ませてもいいと思いますか?

もしもそれでいいと思われた方は、ネイティブがそうやって「strong」を使っているのを聞きましたか? 読みましたか? そして、自分でも使ってきましたか? 中高6年で育んできましたか? 指導者やネイティブにニュアンスを直されてきましたか?

また、逆に彼らなりの、日本語の「強い」にはない「strong」の使い方があるのはないですか? それを学んできましたか? コーヒーだって濃ければ「strong」ですよ?

きっと「strong=強い」だけで済ませてきたならば、これらの過程は全く踏んできていないはずです。

そう、日本人が覚えているのは「strong」ではないのです。「strong」の日本語訳なのです。

ここを一緒にしてしまうと、「英語と日本語の迷宮」から抜けられなくなります。

ここに気づいていない日本人や指導者が、沢山います。塾講師はほとんどがそうでしょう。私も昔、そうでした。

そもそもですが、「strong」を覚えるのであれば、何が「strong」だったのかを確認しておかないと、使い物になるわけがない。

「形容詞の正しい覚え方」
・形容するものと一緒に覚える(イメージと一緒に覚える)。
・例文を沢山読む、聞く。

このプロセスを抜いて英語の勉強を進めると、後で確実にやり直しが来ます。

私たちが形容詞を正しく使えるようになったのは、上にある正しいパターンを踏んできたからです。

例えば「大雨」はいいですが、「重雨」は変だと思うでしょう。聞いたことも読んだことも、言ったこともないはずです。

しかし、英語は「heavy rain」なのです。「big rain」はおかしいのです。

heavy rain

ネイティブだって私たちと同じです。その場面場面で、それぞれの形容詞を育んできている。

そして当たり前ですが、彼らは「heavy」の日本語訳なんて学びません。何が「heavy」なのかをしっかり聞いて、読んで、言ってきたのです。

ちなみに皆さんの頭の中に、これらが何と一緒に使うか、ポンポンと頭に浮かびますか?


何も浮かんでこない方は、形容詞の使い方を学んだのではなく、形容詞の日本語訳を学んだと思って下さい。後で使う際に、必ずやり直しが来ます。何より、文が作れないでしょう。主語動詞が出ないはずです。つまり、英語力がゼロな状態です。

結局日本人は、「文字を訳せれば、それは使える英語にもなる。あとはネイティブと話す機会を作ればいい」と勘違いしているところが、全てのエラーを引き起こしてます。

だから、道を失い、怪しげな教材にも引っかかってしまう。

日本語訳は日本語訳です。それ以上でもそれ以下でもありません。そして英語ネイティブは日本語訳など知りません。英語しか知らないのです。

日本語訳ではなく、英語を学んでいきましょう。

人生の大部分を無駄にしないように。

※ずっと品切れになっていた「もしなる」の文庫本がアマゾンに入荷されました。日本人である以上、必ず読んで下さい。恐らく共感頂けると思います。【完全版・増刷版】は文庫本のみです。よろしくお願いします。

※また、よければ私のHPまでお越し下さい。どうこの迷宮から脱出できるか、日々考えています。

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いつもお読み頂いてありがとうございます。一人でも多くの人が将来、英語で報われるように、有益な情報を発信していきたいと思います。ご声援、ご支援のほど、よろしくお願いします😊✨

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英会話講師。小説家。上智大法学部国際関係法学科卒。元大手英会話スクール本部社員。元塾講師。脚本賞受賞2回。日本人の英語の真の問題点、全部気付いています。ツイッター@eigo1201、インスタyukanazawa1201。https://english-kanazawa.com
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