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障害者が活躍する「なめらかな社会」

障害者のNPOを立ち上げたばかりなので、頭の中が障害者に関することだらけです。福祉やボランティアにチューニングされている状態。本業とは違うようですごく似ています。だからこそ2枚目の名刺は、福祉になったのかなと思います。

佐渡島庸平さんの本『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE.』を読んでいます。

頭が福祉にチューニングされた状態で読むと、まさにNPO立ち上げたばかりの事業計画を立てる際に必要なヒントが転がっているようにしか見えないのが不思議です。

インターネットのおかげで、世の中「なめらか」になった話も出てきます。しかしそのインターネットのせいで、現代人は忙しい。SNSに住んでいるのかと思うくらいの人もいます。シェアシェアシェア。本当にこれでいいのだろうか?という漠然とした不安感が私の心の隅にくすぶります。

快適で便利だと思っていること、社会をスムーズにするためのしくみに、自分たちを合わせているだけだと表現がありました。確かに、AirbnbもUberも便利です。しかし、それはインターネットが不自由を自由にしただけ。自分が自由に生きているかとは別次元の問題のように私も感じます。

障害者はどうでしょう? 物理的技術が広まった時、快適なモノを使いこなせなかった弱者は、取り残された感がありました。できないことが増えてしまったのです。しかし、インターネットは違いました。自分の欲望に社会を合わせることができるのです。

まず仲間がすぐに見つかるようになりました。これは、社会的に少し虐げられた位置にいた、オタクやマニアも同じような恩恵を授かりました。最近はハッシュタグひとつでニッチな仲間が見つかります。障害で検索もできます。感情で検索もできます。そして仲間とつながれます。ひとりではないと感じることが、この分野ではとても重要なことだったように思います。

また、私は最近、本を編集したのですが

その著者、高次脳機能障害者の下川眞一さんとはLINEで繋がっています。初めに設定は必要でしたが、このつながりは画期的なものでした。何しろLINEは「絵文字」や「スタンプ」が使えます。スタンプは、重症度によりますが、言語機能に障害がある人も使える可能性があります。言葉を紡ぐよりも、自分の今の気持ちに近いイメージを選択することで会話が成立しますからね。実際、現代の若者のLINEもそういう感じで、数文字の日本語と、絵文字、スタンプ合戦ですよね。

もとい。下川さんもLINEを使い、絵文字も使えるようになって、コミュニケーションがスムースになってきました。今度、様子を見つつ、スタンプも送ろうと思います。またzoomでも週に一度、会議に参加してもらっています。Twitterを使えるようになることが次の目標です。そうすると、世界はもっと拡がりますね。

自分の意思を押し殺して社会のシステムに合わせる時代が終わると書かれています。まさに障害者は押し殺されていたように思います。それを変えてくれるのがインターネットを通して完成しつつある「なめらかな社会」なのではないでしょうか。むしろ、今まで隠されていた障害者の才能が、生き生きとしてくる時代がやってくる。これこそまさに一億総活躍社会なのかもしれません。

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