見出し画像

23区の一時保育、利用し辛くないですか


ある日、こんなツイートを見ました。

え...本当?本当なら今どき酷すぎない...?と思ったので、23区の一時保育の申込方法がどうなっているのか、簡単に調べてみました。

※区の一時保育は良いサービスであることは間違いないし、恐らく昔に比べたらずっとずっと行政の子育て支援は進化している筈なので、無闇に批判する意図はありません。


インターネット予約ができる一時保育はほぼない

以下、23区の一時保育申込方法をまとめたものです。(2020年2月25日時点、各区の一時保育記載ページより作成)

画像3

画像3


インターネット予約ができる区は
「渋谷区」(公立保育園が提供する一時保育のみ。定員は48名)
「江東区」(こども家庭支援センターが提供する一時保育のみ。定員は48名)
の2区のみでした。

インターネット予約はできないけど、空き状況はネットで確認できる区は
「中央区」
「台東区」(※リフレッシュで利用できる「いっとき保育」の空き状況は確認できません。仕事・病気・出産等で利用できる「一時保育」の空き状況のみネットで確認できます)
「文京区」
「板橋区」(公立保育園のみ)
の4区のみでした。


23区の一時保育、利用し辛いポイント


予約は2区、空き状況確認は4区、と一時保育申込のインターネット活用は散々ですが、それ以外にも以下の要素で一時保育は利用しづらくなっているようです。


熾烈な枠の取り合い
→ネットで空き状況が見られるサイトを全て見ましたが、空いている枠はほぼありませんでした…予約開始とともにすぐに売り切れてしまうそう。
(一時保育の定員と、保育園に通っていない未就学児人口、月に何回利用できれば育児疲れを解消できるのかを含めて議論すべきではありますが、まあ、肌感覚全然足りていない)

各施設への個別問い合わせ
→上記の画像でもわかる様に、ほとんどの区が「各施設に個別に問い合わせて、空き状況や申込方法を確認してください」としています。施設によって、予約開始タイミングや必要書類、予約方法が異なるので、とても複雑。

利用には事前面談が必要
→インターネット予約を可能にしている渋谷区や江東区でも、利用には事前面談が必要です。
「各施設にこどもと行って、事前面談を受ける」これだけでも、育児で疲れている人には相当なハードルになり、オンライン面談や予約フォーム提出時にこどもの詳細な情報を入力する等で改善できないものか…と思います。

利用用途によってサービスが違う場合も
→一時保育の名称が区によって異なります。一番分かりにくいのは杉並区でした。
杉並区には「一時保育」と「一時預かり」と「ひととき保育」という3つの一時保育的サービスがあります...

画像3

どうも実施団体/場所が異なるので、一時保育の名称を変えているみたいですが、利用用途や対象は同じです。
そのほかにも台東区に「いっとき預かり」と「一時預かり」があったり、文京区に「リフレッシュ一時保育」と「キッズルーム(一時保育事業)」があったり…
用途や実施団体/場所が微妙に違うことで名称が変わり、複数サービスとして併存していて、とても分かりにくいです…


まとめ


要は、情報が一元化されていないためにとても複雑になっていて、必要な人に届きにくい仕組みになっています、という話です。


冒頭のツイートの「朝4時に並ぶ」というのが本当なのであれば、数時間預けるために、数時間並ぶというストレスを受けることになるので、違和感がありすぎる…

ちなみに、入院等の緊急な場合は別途「緊急一時保育」や「ショートステイ」なるものが各区にあります。また、ベビーシッターやファミサポ等もあるので、一時保育が利用できないからと言って、どこにも預けられないわけではありません。
ただ、行政の提供する一時保育サービスは価格が安いこともあり、多くのニーズがあります。

どうしてこの問題が放置されているのか。
恐らく優先順位と予算の問題が大きいのだとは思いますが、行政のプレミアム付商品券の事務作業に当てていた予算とか、うまく民間を活用してシステム開発をしたらすぐ解決しそうなのに…等...素人は思います。(あくまで素人意見なので、中の人たちから実情を伺いたいところではあります)

課題を提起するだけのまとめになってしまっていて、なんだか申し訳ないですが、「区の一時保育サービス、勿体無いなぁ」という話でした。


頂いたサポートは全て本となり、私の知識となります。