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世界最大の小売の祭典「NRF 2020 Retail's Big Show」で見た5つのリテールトレンド

こんにちは。ニューヨークで日々新しいサービスに目を光らせているゆかこです。

#ニューヨークアンテナ では、2020年1月12日〜14日まで米ニューヨークで開催されたリテール分野で世界最大級のイベント「NRF 2020 Retail's Big Show」を取材してきました。7,000展以上のブースの中から、人だかりがあり、注目を集めていた出展企業をを中心に紹介します。

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小売トレンド① 電子プライスタグ

海外ではすでにコンビニや薬局、スーパーなどでお馴染みとなっている電子プライスタグ。賞味期限が近いものは自動的にタイムセール表示に一括切り替えが可能なので、割引シールを貼る作業が不要になったり、管理しやすくなるのが電子プライスタグのメリット。今年もプライスタグの出展が多く各社差別化争いが激化しています。

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CGI

ここはスタートアップエリアに出展していたドイツの企業。フルカラーのプライスタグを提供している。赤・白・黒・黄のみの色展開だった従来の電子プライスタグに対し、最近はフルカラー化が進んでいます。

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さらに、カメラで棚の状況を監視し、在庫切れや場所間違えや商品の陳列の綺麗さなどをトラッキング。棚の前のお客様の動きもトラッキングし、ヒートマップ化が可能です。どの棚のどの商品にお客様の滞在時間が長かったか、お客様は棚の前でどのような顔の動き、腕の動きをしていたか、までもデータ化が可能なので、万引き防止にもなりそうですね。

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SES-imagotag

こちらはフランスの企業。ここのプライスタグの特徴は7色に光るLEDライトです。他社は1〜2色しかLEDライトのバリエーションがないため7色光らせることが強みだそうです。

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プライスタグの左上に光るLEDライトの用途は、デリバリースタッフが店舗に商品をピックアップしに来店した際、ピックアップする商品の目印として使われるそうです。LEDライトの発色数が多ければ、同時に複数のデリバリースタッフが到着しても、色別にピックアップする商品を指示できるので効率が良いとのこと。

つまり、「デリバリースタッフAは黄色く光ったタグの商品のみをピックアップ。デリバリースタッフBは赤く光ったタグの商品のみをピックアップ。」と指示すれば商品名で棚を探す必要がなく、ピックアップミスが減ります。商品名を頼りにピックアップする従来の方法だとミステイクが多いのです。デリバリースタッフは英語ネイティブではない人も多いのも要因の一つとのことです。

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小売トレンド② 棚の最適化

棚の在庫切れによる機会損失をなくす動きも大きなトレンドの一つと感じました。

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Trax

こちらはシンガポールの企業。棚の状況をAIで把握し、従業員へのタスク化まで落とし込むことが最大の魅力のシェルフソリューションサービスです。

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陳列が乱れていたり、商品切れを察知すると、従業員へのアクションプランが作成され、タスクとして管理できる。タスクの達成状況が常に把握できるので、店舗ごとのタスク消化率をマネジメントすることができる。平均して3%〜5%程度の店舗売上がアップしています。

小売トレンド③ 管理ロボット

大型スーパーになると、棚監視用のカメラの設置数も膨大になります。そういった大型店舗向けに自動巡回ロボットで棚の管理をするソリューションも増えています。

Badger Technologies

こちらはスタートアップエリアにあった管理ロボット。名前は"Marty"(マーティー)。棚の在庫切れや棚割表のチェックなどを棚をスキャンしながら自動監視します。

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Zebra在庫管理ロボット

こちらも店舗を巡回して棚の商品の在庫不足などを検知するロボット「SmartSight」。巡回の結果見つけた在庫切れや価格間違いや陳列の乱れなどの課題を従業員へ報告してくれます。

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(画像:techcrunchJP

小売トレンド④ 新しいディスプレイのあり方

店舗におけるディスプレイソリューションの出展も多かったので紹介します。

こちらは洋服店や試着室に設置するスマートディスプレイ。お客様がこの鏡の前に商品をかざすと、価格の表示や、関連商品のレコメンド、また商品の購入までも完了させることができるインタラクティブな鏡です。

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Intel

予約制だったIntelのブースもひときわ注目を集めていました。

このウォールディスプレイはあらゆるデバイスを壁へ取り付けることでデバイスの充電をすることができ、充電中は、壁に貼り付けられた他のデバイスと画面をシンクし、モザイク映像を流します。

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デバイスを使うときは、壁から取り外し、決済などの必要な作業をし、また壁に戻せば自動で他のデバイスとシンクしモザイク映像を再生し始めます。レジではなくタッチディスプレイで決済をする海外ならではの発想だと思いました。

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(出典:BizTech

小売トレンド⑤ Amazon Goへ続け。無人レジ化への道。

キャッシャーレスのコンビニAmazon Goで未来の買い物体験をした感動を他の店舗でも実現するソリューションが増えてきています。

inokyo

inokyoの特徴はスキャンなしで入店でき、完全にプライバシーを守れる点。Amazon Goの場合、専用をアプリをダウンロードし入り口でスキャンをしないと入店できないのが最初のハードル。次に店内の行動と購入活動を自分のアカウントと紐づけられた状態で管理されることに対して気持ち悪さを感じる人も多いのだとか。

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inokyoは天井カメラで入店客を匿名でトラッキング、ピックアップした商品を監視し、レジで支払う、という流れです。”レジなし”までは実現できていません。

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WalkOut

「カートで決済」を完了させることでレジなし化を進めるのは"WalkOut"。イスラエルの企業です。Amazon Goモデルだと、天井カメラとスマートシェルフの設置に膨大な設備投資がかかるため、既存のショッピングカートにデバイスを取り付けるだけで、決済を完了させるというアプローチです。今年は日本のスーパーへの展開も予定しているとのことで注目です。

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カートには、3〜4つのカメラを四方に取り付け、そのカメラでカートに入れられた商品を判別、ディスプレイでカートの中身を管理できます。ディスプレイには関連商品やセール情報を表示することができるので購買欲を高める施策も可能です。

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DIGI

量り売りの商品も無人レジ化が進んでいました。野菜や果物など、海外のスーパーには量り売りの商品も多く、その場合はレジにて価格を確認することが多かったのですが、最近はセルフサービスが可能な量り売りのレジも出てきています。

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その他

最後に、面白かった出展をおまけで紹介します。

IBM

スタートアップエリアにIBMが出展していたので何かと見てみると、回転寿司のベルトコンベアの上で回転する3Dプリンターで作られた模型たち。その模型にはチップが埋め込まれており、模型をディスプレイの横のデバイスに設置すると、その模型に関連した動画が再生されます。どの動画も今後ブロックチェーンが流通をどう変えていくかを説明する短編動画でした。

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