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積丹ブルーの青さと、神威岬から見る絶景に圧倒される

15年以上も毎年北海道に行っているのに、道央からだとどうにも遠くて行ったことがなかった積丹(しゃこたん)半島を訪れた。

お目当てのひとつは雲丹(うに)丼、もうひとつは「積丹ブルー」と言われる海と、神威(かもい)岬からの絶景。

朝どれの絶品ウニについては、こちらに書いたので参照いただきたい。

さてお腹が満足して、積丹ブルーの海と、水平線が望める景勝地、神威(かもい)岬へ。

「神威(かもい、かむい)」というのは、アイヌ語で「神格を持つ高位の霊的存在」という意味合いで使われる。

道内のいろんな場所に、「カムイ」という名のついた場所がある。

北海道の地名は、アイヌ語由来の言葉を漢字にあてたものが多く、たとえば旦那の地元は「歌志内(うたしない)」という市だが、やはり「ウタシュナイ」というアイヌ語から来ているらしい。

市内を西に向かって二分して流れる「ペンケウタシュナイ川」の名に由来しており、アイヌ語で、「砂のたくさんある沢」という意味です。
 明治24年に北海道炭砿鉄道株式会社の鉄道開通の際、その意をとって歌志内と称し、これを地名としました。
歌志内市HPより)

歌志内市にも「かもい岳」というスキー場があるし、旭川にも「神威古潭(カムイコタン)」という名所がある。割とあちこちに「カムイ」という言葉があり、アイヌの人たちが山岳だったり景勝地など自然信仰を持っていたのかなと思われる。

そんな「カムイだらけ」の地名の中でも、積丹半島の神威岬は、知名度がかなり高めの場所であろう。

とはいえわたしも、岬からの景色の写真はみたことがあるが、そこが「神威岬」という場所からの景色だったとは知らず、旦那に連行されて行ってみたら、見たことがある景色だった、という感じだが。

旦那の出身地ということで何かと詳しいし、旦那も望郷の念が出ていろいろと北海道のスポットを調べているので、わたしが事前に調べなくても、いい感じのスポットに連れて行ってくれるので助かる。地元の人と一緒というのはラクだ。

しかし、歩くのが嫌いな私は、連れて行かれてちょっとビックリ。駐車場を降りると、結構な丘が目の前に広がっている。しかも、岬まで結構歩くらしい。

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せっかく来たし、その日は猛暑日の続いていた北海道の日々とは打って変わって爽やかな夏空で気温24度くらい。これは見るべし、と登ることに。

中2男子はウニには舌鼓を打って喜んだが
景色なんかどうでもいい年代で、歩くのも大嫌い。

ブーブー言いながらではあるが連行。

少し登ると鳥居があった。
その昔は、「女人禁制の地」だったそうだ。

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もう着いたかと思いきや、ここからが本番だった。

細い道を岬の先端に向かって歩く。ひたすら歩く。歩道が整備されているが、階段もあったりで、まぁまぁ遠い。

息子の機嫌がどんどん悪くなるが、そんな息子をよそに、わたしや旦那は目の前に広がる「ザ・積丹ブルー」に歓声をあげた。

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北海道で海水浴に行ったこともあるが、水が冷たすぎて、夏でも海にまともに入れないので、海!!!という印象は薄い。特に「青い海」のイメージが薄い。

けれど、ここ積丹半島は水の透明度が高く、そのおかげで良いウニが育つというだけあって、南国のそれとは違う、深みのある美しいブルーの海が目の前に広がっていた。

確かにこれは、江の島の海とも、沖縄の海とも、タヒチの海とも、地中海の海とも、他のどことも違う「積丹ブルー」というにふさわしい、独特の色合いをしている。

海風は強かったが、ひんやりした風に吹かれて気持ちよい。

相変わらず息子はむくれたまま黙々と進んでいたが、感動のあまり歩みが遅くなってしまう。ため息をつきながらゆっくりと。

そしてやっと、岬の先端へ。

そこに広がっていた景色は、絶景かな。

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「神威」として畏れられるに値する、荘厳な雰囲気を持った場所だった。

若いころはさほど、こういった景勝地に心を奪われなかったので、息子がまったく興味を示さないのもわかるのだが、不思議なもので、年齢を重ねるとこういう絶景だったり、地球の神秘みたいな場所に心惹かれるようになった。

見渡す限り、海。

水平線をゆったりと眺めたかったが、いらつく中2息子がおり、
少し眺めるにとどまったが、本当にずっと眺めていたかった。

立ち去るのが惜しくて、何度も何度も振り返りながら帰途についたが、本当にため息が出るほどの景色だった。

こんなあれこれ制約ばかりの世の中で嫌になってしまうが、一瞬ふわっと、そんな今の1年なんて、地球の歴史からから見たら、とるに足らないことなのかなぁ、なんて思い、今のモヤモヤがささいなことのように感じた。そのくらい地球規模の景色だった。

滞在中は雨だったり、北海道とは思えない猛暑だったりで天気に恵まれたとは言えなかったが、この日は本当に絶好の積丹ブルーを観ることが出来て幸いだった。

駐車場近くのレストハウスには、ゆるキャラ「うにどん」

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なんのひねりもなくて、好きだ。

ぬいぐるみやマスコットが売ってたら買ってしまいそうだったが、グッズは特になく。グッズを作ってくれたら、買うのだけどなぁ。

散策で気持ちの良い汗をかいて、車で帰路へ。帰りも180キロ。旦那がんばれ。

途中で余市という果物で有名な街に立ち寄り、休憩。

宇宙飛行士の毛利衛さんの出身地でもあるので、道の駅は宇宙記念館も併設している。

旦那は高校を卒業してそのまま関東に就職したが、ほんとうは宇宙物理学?を勉強したかった?らしく、毛利衛さんも好きらしい。

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息子はそこで宇宙食のプリンとパンを購入。写真を撮り忘れたが、パンは実際に宇宙に持って行ったものと同じらしい。意外といける味だった。

わたしは喉が渇いたので、余市産のりんごジュースを飲んでみた。ビックリするほど甘かった。本気でうまい。

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昔、息子が小さいころに、「蘭島」というところで海水浴をしたことがあり、余市にも立ち寄ったのだが、ここはニッカウヰスキーの工場があったり、果物狩りが楽しめたり、小規模ながらも観光も楽しめる。

積丹から1時間程度。このあたりなら小樽にも近くて便利な場所。余市から高速があるので、そこからバビューンと道央に戻った。

やはり200キロ近い行程だと、気軽に行ける場所ではないが、今回はエイヤと訪れてみて本当に良かったと思う。

もし次にまた積丹に来ることがあれば、反対側の積丹岬・島武意海岸も訪れてみたい。こちらは断崖絶壁の海の海岸に降りていくことが出来るらしい。

ホームページより

島武意海岸-600x452

息をのむほど美しい積丹ブルーを見に、機会があればぜひ訪れてみてほしい。


今日もお読みくださりありがとうございました!


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