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凹んだ日には、生命力に溢れた映画「グレイテスト・ショーマン」にパワーをもらう

最も崇高な芸術は
「人を幸せにすること」だ。

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(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

この映画のモデルとなったP.Tバーナムの言葉。

もしこの言葉が本当なら、本作「グレイテスト・ショーマン」は最も崇高な芸術ということになるだろう。

何度観ても、胸がいっぱいになる。
圧倒的なパフォーマンスに身体が動き出す。

作品は知らずとも、この歌「THIS IS ME」はアサヒビールのCMで聞いたことがあるだろう。圧倒的な歌唱力とパフォーマンス。この曲だけでもなんだか勇気と元気が湧いてくる。

わたしは元気がない時はこの動画を見て元気をもらっている。魂が震えるのだ。

この作品はアカデミー賞も受賞しているが、本作の成功には、この楽曲と、真ん中の女性、キアラ・セトルのとんでもない圧倒的な歌声が欠かせない。

実は彼女自身も、役のごとく、本作に出るまで、自分に自信がなくて前に出ることさえ怖かったそうだ。日陰者として育ち、舞台に立つこの役がまるで自分のようだと語っている。

そんな彼女がまだ役に入る前、この歌をテストで歌った動画が存在する。これがまたとんでもなく泣けるのだ。こわごわ歌い始めて、それが自分に乗り移っていく瞬間。これは歌でなく魂そのものだ。周りをどんどん巻き込んでいく圧倒的な存在感。これ見ても毎回泣けてしまう。必見。

歌詞そのものも、傷つけられてきた自分を経て、強く生きる、まさに「THIS IS ME(これが私)」を体現している歌詞でこれまた感涙。

歌詞を転載しようと思ったが長くなるので、こちらのサイトで歌詞と和訳が載っているので参照いただければ。

ちなみにこの「THIS IS ME」で、あのバブリーダンスで有名な登美丘高校ダンス部が踊っている動画もある。これはこれで青春が弾けて大好きな動画なので貼っておく。

と、もうこの「THIS  IS ME」だけでお腹いっぱいになるくらい熱く語ってしまったが、

「グレイテスト・ショーマン」である。
映画を通じてずっとパワフルで圧倒的なパフォーマンスが楽しめる。

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実際のP.T.バーナムの人物像との差異については諸説あるのでそれは脇に置いといて、この作品にフォーカスすれば、こんなに生きる力に満ち溢れた作品はないだろう、というくらいパワーをもらえる作品だ。

全編を通して迫力ある歌と踊りのパフォーマンスに圧倒され、テンポよくストーリーが進むので、あっと言う間の2時間だ。

映画予告編はこちら。


実はミュージカルはあまり好きではないのだが、この「グレイテスト・ショーマン」はそもそもストーリーの土台がショービジネスのせいか、わざとらしさがないし、すべてのパフォーマンスが素晴らしすぎて、違和感どころではなく、ずっとやっててほしいくらいの圧巻のパフォーマンスが連続して攻めてくる。観ている間中、胸がどきどきして熱い気持ちになる。

しかし、エネルギーに満ちた作品ながら、結構シビアな差別や偏見が根底に流れている。上流階級と庶民、また差別され疎まれる対象として障がい者や特殊な外見を持つ人たちが登場する。

主人公のバーナムは、上流階級の家に出入りする仕立て屋の息子。ただでさえ困窮していたのに父を亡くし、着の身着のまま、その日暮らしで生き延びて、なんとか造船会社に就職。仕立て屋時代に顧客として出入りしていた上流階級の家の娘、チャリティを射止めて結婚する。

幸せをつかんだ矢先に会社が倒産、ここからアイデア溢れるバーナムの頭脳戦がはじまる。

難局を乗り切るのはいつもひらめきと行動だ。そして諦めない心。と発想の転換、想像力。マイナスを逆手にとって、しぶとく、したたかに。

ユニークな外見を悪く言えば「見せ物」にして、ショーをしようと思い付き、小人症の男性や全身タトゥーの男、ひげが生えてしまう女性などを集めてショーを開催。まあ人を見せ物にする時点で倫理的な問題があるかとは思うが、実際にこういう見世物的な興行というのは歴史を見てもけっこう存在する。

わたしが小さいころ、昭和の時代でも、夏祭りの余興で「蛇を食いちぎる女」とか見せ物小屋みたいなものがあって、おどろおどろしい演出に呼び込まれて母と入ったことがある。ずっとしょーもない手品でごまかされ、蛇を食いちぎる女もインチキみたいな感じで一瞬で終わって騙された感満載だったが、こういうのにつられてはいってしまうのが人の性だ。

どこまでが見せ物で、どこまでがショーか、ということもあるし、このバーナムがサーカスの祖とも言われ、訳ありな人たちがドサ周りをして芸を披露する流浪の民みたいになっていることは実際にあるので、こういったショーの是非については脇に置いておく。

なんにせよ、この変わった人たちを集めたショーが大当たり。大成功だ。

人は、怖いもの見たさに変わったものを観たがる下世話な生き物だ。そして、それを排除する性質も持っている。

こんなことを企画することが下世話なのか、見に来る人々が下世話なのか分からないが、低俗と批判を浴びながらもとりあえず金銭的には成功を収めたバーナム、次に手に入れたいのは「格」だった。

身分違いを屁とも思わず上流階級の娘を奥さんにして、興行も大成功したが、身分の差は埋まらない。妻の親に侮蔑されているコンプレックスを抱えていた彼は、上流階級をお客に持つ売れっ子劇作家を巻き込んでエンターテイメントの格上げをもくろみ、気難しい客ばかり相手している劇作家をそそのかして仲間に引き入れる。低俗から脱却する手っ取り早い方法として、コネを使って英国女王への謁見を実現させる。

女王が笑えば、みな右に倣う。この人、けっこう賢い。

しかしこのバーナムという男は、自分の夢に人を巻き込むのがとんでもなく上手だ。

劇作家を巻き込むときも、収入は下がれど、つまらない毎日と引き換えに自由を得ることが出来る、と声高らかな歌声とパフォーマンスで誘う。そりゃあコロッと行くわな、という巧みな誘いっぷりだ。

でも人間て実際、本当にほしいのは「お金」そのものではなく、自由だったり情熱だったり愛だったりするものだ。ただ、お金がないと身動きが取れないのも事実だから、お金が欲しい、ということになってしまうのだが。

そんな感じで順調に事業を成功させていたが、うっかり調子こいてしまったのと、自分のコンプレックスに足元をすくわれちょっと道を外れてしまいそうになる。

だがそのころには、日陰者として生きてきて、見せ物として寄せ集められた仲間たちは、もうただの見せ物ではなく、自分に自信を持ち始めていた。

そこで「THIS IS ME」である。

しつこいけど、もう一回貼っておく。

この曲以外も、とんでもなく素敵な楽曲とパフォーマンスなのだが、やはり一番頭に焼き付くし、メッセージが強いのはこの曲だ。

ジェンダーレス、ダイバーシティとか叫ばれてるこの世の中、そして妙なウィルスが蔓延して、いろんな規制がかかっているのになぜかオリンピックは強行するという謎の事態が起きているこんな時代だからこそ、自分は自分として生きていく、という意志が必要だし、

想像力豊かに、この状況を逆手にとって、しぶとく、したたかに、イマジネーションを膨らませて生きていきたいなと思う。

世の中の空気を読んでいるうちに自分の人生は終わってしまう。人生は100年とか言っても大人になるまで20年、ジジババになると体力は落ちる一方だ。後悔なく思い切り生きたい。「グレイテスト・ショーマン」は、ちょっと元気がない時でも、そんな気持ちを取り戻させてくれる貴重な1本だ。

夢を実現させる人は、誰かに批判されても自分を信じて行動する。

そしてあきらめない。しぶとい。発想を転換させてアイデアで逆境を逆手に取る。

わたしもしぶとく生きるのだ。

今日もお読みいただきありがとうございました!


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