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繭はほぐれて発光する

今日は朝から机にかじりついて仕事。

時間が必要なタイプの仕事なので、無になって取り組むけれど思うように作業は進まない。まさに山登りである。19時頃には心身ともにぐったりしてしまったので、気分転換に散歩へ行くことにした。

風を受けて歩いているうちにだんだん体がほぐれてきて、さっきまでは意識にのぼらなかったような愚痴がぽろぽろと出てくる。

あ、愚痴が出てる、と観察しているうちに心もやわらかくなってくる。そのうちにするすると蚕の繭から絹の糸をよるような感覚が重なり、自分の歩いてきた道に、風に揺られて発光する絹の糸が見えた。

とらわれた繭はほぐされ風に舞い 一本の細い銀の道になる

世の中にはこんなふうに自分には見えなかったうつくしい世界がもっとたくさんあるのだろうとぼんやりと思った。そんなまだ見ぬうつくしい世界へ向けられる誰かのまなざしに想いをはせながら帰った。

明日も登山。

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