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好き、を言い訳にしない。


タイトルで恋愛ものだと思った方、ごめんなさい。
恋愛ものではございません。笑


クリニックに通いだして、認知行動療法というものを始めて、「書いて整理すること」が良いことだと言われたので、想いを書きながら整理している最中。

今日も心のことなので、重たい気分が苦手な方は「戻る」ボタンをクリックしてね。


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今日は、自分の原点だなと思うところに出掛けてきた。

心の病になって、何よりも苦しいのが、仕事が辛いということ。

職場にいることが辛いから病になったのか、病になったから辛いのか、もうよくわからない。


とにかく、職場から逃げ出したい。
でも、仕事は好き。

どうしたら良いのかわからなくて何度もぐるぐるする。
答えは一向にでない。


何も変わらないかもしれないけれど、何か変わるかもしれないと淡い期待を抱いて向かったのは車いすラグビーのクラブチームの練習場。
都心から電車で1時間半くらい離れたところにある。

体温調整の難しい四肢障害の選手たちが、クーラーが壊れて空調の効かない蒸し暑い体育館の中で汗を流していた。


ここに、プライベートで来たのは何年ぶりだろう。


入ってすぐは、ちょっと気まずかった。


もう、ここには居場所がないんじゃないか…

そう思って、体育館から逃げ出したい気持ちにもなった。

勝手に来たのに、逃げ出したいっておかしいよね。笑


しばらくしたら、スタッフの一人が
「あれ?まえゆかじゃない?」と言って手を振ってくれた。

選手が一人、寄ってきてくれて、
「誰かと思ったよー!今日はどうしたの?」と声をかけてくれる。

また一人が
「そこは空気が籠って暑いから、中においでよ。」
と誘ってくれる。

他の選手がまた一人、
「似た人来てるなーって思ったら本人だった!笑」と。


しばらく離れていたのに、みんな優しい。

人の温もりを感じた。
ここはとても、居心地が良い。


4年前、私は彼らを夢中で追いかけていた。
日本代表が大好きだったけど、クラブチームも大好きで。

観客席も冷房も近くにレストランもない体育館にワンピース着こんで予選リーグを観に行っていた。
全国どこでも追いかけていた。

競技が好きだったし、がむしゃらな選手たちが何よりも大好きだったのだ。


そんな気持ちを久しぶりに思い出した。


この仕事に入るきっかけでもあり、今もずっと好きな車いすラグビー。

この仕事に就いたからこそ、1つの競技だけをえこひいきしているようにみられてはダメで、泣く泣く追っかけもブログも諦めた 。

でもその代わりに 、パラスポーツに視野を広げ、さらに大好きな競技も選手も増えた。


この競技に出会ってなかったら、今の私はいないのだ。


辛い辛いと暗いトンネルの中にいるような気分でも、やっぱりパラスポーツが好きなんだと、すごく大事なことに気付かせてもらった。


何が変わるわけでもないけれど、その気持ちに気付けたことはきっと大きな収穫なんだと思う。


それで終わればいいのだけど、やっぱり好きだと気付いてなお、私は苦しい。


パラスポーツが好きだと再認識したにもかかわらず、仕事が辛いという感情は全く消えていないのだ。

とにかく私は、仕事が好きだった。

パラスポーツが大好き、というエネルギーを200%くらい投入していたと思う。

パラスポーツが大好き=仕事が大好き

そう思って取り組んできていた。

辛いこともたくさんあった。
理不尽なこともたくさん言われた。

女性じゃなかったら、
正社員だったら、
もっと器用に振る舞えたら、
もっと明るかったら、
もっと美人だったら…

もっとこうだったら、とできもしないことに唇を噛んで、絶対に叶えられない理想の自分になれたら、
もっともっとパラスポーツやパラリンピックを盛り上げられるんじゃないか、もっともっと仕事がうまくいったんじゃないか、と思ったのだ。

そう考えては、何度も何度もくじけそうになった。

悔しい思いも何回もした。

誰よりパラスポーツが好きだという自負があったからこそ、組織の決定に対して納得がいかないこともたくさんあった。
同時に自分にとって納得のいかない決定はすべて、自分が悪いのだと、自分で自分を責め続けた。


完全に、オーバーワークだったんだと思う。

仕事が好きで、あれもこれもやって、とにかく失敗したくなかった。
人一倍チェックを厳しくすることを自分に科し、とにかく低予算で、とにかく締め切り厳守で、やれることは全部自分でやって 、どんどんどんどん自分の首を苦しめていった。

それでも、この4年間、走り続けたのだ。

勤務にならないし交通費も出ないけれど、仕事のために毎週末パラスポーツの試合会場やイベント会場に足を運んだ。

余暇の時間の多くを、「パラリンピック」「パラスポーツ」と名のつく書籍を読むことに費やして、少しでも多くの情報を頭にインプットした。

特別支援教育も、障害者雇用も、社会福祉制度も。
あらゆることを仕事のためにと思って勉強した。

「一家に一人、前田さん」
とか
「パラスポーツオタク女子」
とか言われるのは、私の勲章だと思っていた。

すべては、パラスポーツが好きだったから。
どれもこれも、苦痛じゃなかったのだ。


でも、それだけ時間を費やしても、どれだけ頑張っても、片想いを無惨に蹴散らすように、理不尽なことも嫌な感情になることも、たくさんあったはず。

でも、全部が全部、≪パラスポーツが好きだから≫という理由だけで、見て見ぬふりをしてきてしまった。


パラスポーツが好きだからこの仕事をしている
パラアスリートを支えたいからこの仕事をしている
パラスポーツを拡げたいからこの仕事をしている


少しずつ少しずつ蓄積する疲労。
少しずつ少しずつ摩耗する心。
少しずつ少しずつ噛み合わなくなる人間関係。


全ては、私が、パラスポーツが好きだったからなのだ。


過去形になんて全然できなくて、今も、片想いを諦めきれない少女よりも強く、私はパラスポーツを好きだと思っている 。



だからこそ、仕事に行くのが辛いことが、苦しいのだ。


なんで?なんで?


仕事は好きなのに!
身体が言うこと効かないのはなんで!!!

あと一年なのに。

まだまだ課題は山積なのに。


思うように振る舞えないことが、ただ苦しい。

これ以上、みんなをガッカリさせてなくないし、
これ以上、自分にもガッカリしたくない!


もがいてもがいてもがいて…まだ、答えはでない。



こんなに好きじゃなかったら、あっさり休職して回復を待つだろうし、ダメなら退職して、理不尽な想いをしない職場に変えれば良いだけのこと。


でも、それができないのが、好きだから、なのだ。


苦しくて、どうしようもなくて、アスリートにも競技に対してもただただ申し訳ないという気持ちに苛まれる。



今日は、そんな想いも吐き出してみたのだ。


4年前からずっと、アスリートとしても人としても心から尊敬しているとある選手に、思いきって打ち明けてたのだ。

心の病であること。
仕事に行くのが辛いこと。
あと一年なのにパラリンピックの盛り上げのために頑張れていないこと。
仕事を続けられないかもしれないこと、そして、選手にも申し訳ないって思うこと…


「人のことなんてどうでもいいんだよ!自分のこと大切にしろよ!!」

「応援の仕方なんて、いくらでもあるだろ。」


ああ、そうだった。。


私はパラスポーツだけじゃなくて、アスリートも好きだったのは、こうゆうところがあるからだった。


私が体調不良を理由に、仕事を離れたとしても、彼らは非難しないのだ。
むしろ、自分を大切にしない自己犠牲を嫌う。


好きだからと言って、見失ってはいけないものを私は見失っていたんだと気付いた。


何よりも、大好きなパラスポーツを理由にして、自分が嫌だと思う事案に向き合うことから逃げ続けていたのだ。
真っ正面からぶつからない理由に、パラスポーツを使っていた。


私は、「パラスポーツが好き」を言い訳にし続けていたんだ。


好きであるものを、苦痛から逃げる言い訳にするのはもう辞めよう。


あとは、私が仕事をしたいのか、したくないのか。

応援の仕方はいくらでもあるのだ。


答えは相変わらずでない。
でも、好きを言い訳にしないというその気持ちだけを意識して、もう少しじっくり、自分と仕事に向き合っていこう。

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