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もし、キングオブコントを終わらせたくないならば…

突き抜けきった才能。

キングオブコントに出ても出なくても、ジャルジャルのお2人がすでにコントのキングであることは玄人ならみんな分かっている。
YouTubeにアップしているネタを見れば、それはもう一目瞭然。
ネタ数の多さだけでなく、そのクオリティの高さ。
あまりの凄さに、おもしろいを通り越して引くレベル。
誰が何と言おうと、その才能はぶっちぎっている。
ただ、いくら周りが高く評価したところで、本人たちの優勝へのモチベーションは計り知れない。
今回、明確な形で王者になったことで1つ決着はついた。
最強コント師であることをジャルジャルは形づけたのだが、最後まで優勝を争ったコンビはニューヨークだった。


ニューヨークはキングオブコントでもクレイジーに攻め切った。
やっぱり裏切らない。
そして、2人とも、まとっている空気が明らかに変わった。
ブレない覚悟なのか、垢抜けてきたのか…?
なんにせよ
キングオブコントのファイナルステージにヤクザのネタで勝負にいくニューヨークが好きだ。
どう考えても、もっとウケてよかった。
2本目のネタはスタジオの空気的に爆発したとは言い難い。
だが、ちゃんと見直してもらえれば分かる。
優勝したとしても、全くおかしくないクオリティのコントだった。
賞レースというのは、その日の空気や流れに左右される。
もしかすると、その日のスタジオの空気だけで言えば、屋敷のフレーズツッコミが随所に出るネタを待ったのかもしれない。
2本目のコントは笑いの箇所にしっかりアンダーラインを引いたネタではないので、観る人を選んだのかもしれない。
スタジオが爆発しきらなかった明確な理由は分からないが、あのヤクザのコントこそ芸人に刺さるネタなのは分かる。
勢いやテンションではなく、きちんと芯の通った面白さ。
あとで思い返しても、「あ〜、あのネタおもしろかったな」
振り返ってみて、記憶を呼び戻せるネタが1番強い。
本当に美味しい和食屋さんの料理人は、お客さんが料理を食べている時以上に「あ〜、あれ美味しかったな」
後々、お客さんにそう思わせることを狙っていると聞いたことがある。
お笑いも同じだというのは私の持論。
1本目のニューヨークのネタはクレイジーかつインパクト抜群。
2本目のニューヨークのネタは繊細かつ脳裏に焼きつく。
動のニューヨークと静のニューヨーク。
キングオブコントの決勝でニューヨークはガッツリ実力と幅を見せつけた。
賞レースはその日の出来不出来の世界でもあるが、その反面、累計点の世界でもある。
ずっとおもしろいことをやり続けた芸人が積み重ねたキャリアを爆発させる。
そんな瞬間が垣間見れるのも1つの感動。
今回のキングオブコントには、そんな一面があったような気がします。

しかし、その一方で…
審査員に対する批判めいた意見が目立つ。
たしかに、賞レースの審査に批判はつきもの。
ある意味では風物詩とも言えるが、この場を借りて、その悪しき風物詩に対して一石投じさせてもらいたい。
実際、これは由々しき問題であり、野放しにすることは取り返しのつかない事態を招く。
まあ賞レースなんて、そんなもんやん…
批判している人が、あまり深く考えていないのは分かるが、ここはあえて深く考えないとマズい。
元を正せばネット社会が悪いのだが、今はネットを無視できる時代でもない。
もはやリテラシーの欠如は言い訳にならない。
今回はキングオブコント2020という大会を受けて
そこの問題点に関して、おもいっきり本音をブチまけようと思います。
有料にしますので忖度はせず、本気の意見を書き記します。


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