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<ラグビー>ニュース2件

1.スーパーラグビープレヤーに対するアンケート結果
参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/rugby/news/article.cfm?c_id=80&objectid=12345331

NZのスポーツ関係調査会社が,今年3~6月の間のNZラグビー全般について,スーパーラグビー各チームから最低15人以上を選んだ合計100人以上のラグビープレヤーに対して,40項目にわたるアンケート調査を行った結果が発表された。

それによると,「NZ協会が選んだオールブラックスのコーチ陣は,妥当だと思うか?」に対して,46%が「正しい選考ではない。」と回答し,26%は,「イアン・フォスター監督は良いが,アシスタントコーチはそうではない。」と回答した。一方,「正しい選考をした。」と回答したのは,28%だけだった。また,フォスターに代わって,クルセイダーズ監督のスコット・ロバートソンがオールブラックス監督に就任すべきだったという意見もあった。

(参考:オールブラックスのコーチ陣)
ヘッドコーチ(監督):イアン・フォスター
FWコーチ:ジョン・プラムトゥリー
BKコーチ:ブラッド・ムーア
ディフェンスコーチ:スコット・マクロード
スクラムコーチ:グレッグ・フィーク
セレクター:グラント・フォックス

その他の興味深い結果は,以下の通り。( )内の数字は投票率(%)。
(1)NZのベストプレヤー
ボーデン・バレット(40),アーディ・サヴェア(20),ブロディー・レタリック(12),その他8人(28)
(2)23歳以下のベストプレヤー
ジョルディ・バレット(33),ウィル・ジョーダン(22),ルーク・ジェイコブソン(14),セヴ・リース(14),その他6人(17)
(3)ベストSO
ボーデン・バレット(58),リッチー・モウンガ(32),アーロン・クルーデン(9),その他1人(1)
(4)ベストWTB
ジョージ・ブリッジ(46),セヴ・リース(21),リエコ・イオアネ(13),ベン・ラム(11),その他4人(9)
(5)ベストCTB
アントン・リエナートブラウン(66),ジャック・グッドヒュー(21),ナガニ・ラウマフィー(11),その他2人(3)
(6)ベストFB
ダミアン・マッケンジー(47),ジョルディ・バレット(25),デイヴィット・ハヴィリ(18),ボーデン・バレット(10)
(7)残り2分,4点差でボールを託すプレヤーは?
ダミアン・マッケンジー(30),ボーデン・バレット(24),リッチー・モウンガ(10),その他17人(46)
(8)次のブレイクアウトするプレヤーは?
カレン・グレイス(17),ホスキン・ソツツ(14),マーク・テレア(12),その他27人(53)
(9)ベストのプロコーチは?
トニー・ブラウン(17),スコット・ロバートソン(16),デイヴ・レニー(9),ワレン・ゲイトランド(9),ジェイソン・ホランド(9),その他16人(40)

【個人的見解】
今の体制の評価はこれからになりますが,確かにトニー・ブラウンやスコット・ロバートソンがオールブラックスに入ったら,何かやってくれそうな期待があります。ただし,イアン・フォスター,スコット・マクロード,グラント・フォックスが留任したのには,ちゃんとした理由があり,それは「継続性」です。

以前の日本代表は,RWC終了後から1年程時間を無駄にして,漸く次期監督を決め,次のRWCまで3年間しか残されていない中で,ゼロからチームを作り上げることを繰り返していました。つまり継続性がなかったのです。そのため,RWCでずっと結果を出せなかったのですが,その後継続性を考慮する方針に変更してから,良い結果に結びつくこととなりました。

オールブラックスも同様で,2007年RWCの準々決勝敗退でグラハム・ヘンリー更迭論が出ましたが,継続性を生かすために続投した結果,2011年と2015年のRWC連覇につながったのです。

そういう観点では,今のコーチ陣に次期監督候補であるロバートソンやブラウンを入れることを検討しても良いと思います。

質問(7)の最後に逆転となるトライを取れそうと期待するプレヤーが,マッケンジーというのは納得できます。私なら,SHアーロン・スミスからレタリックかサヴェアにボールを持たせてポイントを作らせ,そこからハリーラックでボーデンにパスし,マッケンジーと裏と表のサインを使ってアタックさせます。ゴール前であれば,確実にトライすることでしょう。


2.ホスキン・ソツツは,オークランド&ブルーズと2022年まで契約延長
参考とした記事
https://www.nzherald.co.nz/rugby/news/article.cfm?c_id=80&objectid=12345927

今シーズンのオークランド・ブルーズのNO.8として大活躍している,ホスキン・ソツツ,21歳は,NZでプレーしていることからNZ代表,父がフィジー人(元代表WTB)からフィジー代表,母がイングランド国籍を持っていることからイングランド代表の,3通りの代表候補の選択肢がある。そして,既にイングランド監督エディ・ジョーンズは,ソツツに対してコンタクトをしていると報道されていた。

そのソツツは,この度オークランド&ブルーズとの契約を2022年まで延長したことを発表した。この結果,このまま今年のオールブラックススコッドにソツツが入れば,自動的にオールブラックスとしてプレーする可能性が高まった。

今シーズンの特にアオテアロアのソツツは,1試合平均50mを走って全チームで4位になっている他,1試合平均8タックルと攻守にわたり大活躍している。

ブルーズ監督のレオン・マクドナルドは,「ソツツは,オールラウンドの優れたスキルを持っている。キックでトライをアシストできる他,正確なパスで相手を抜ける。さらに力強いボールキャリーでポイントを作り,オフロードパスもする。タックルは強く,ラインアウトも良い。」,「彼はオークランドとブルーズのシステムで成長したので,同じ環境にいれば,さらに成長できるだろう。ソツツには,我々とともに長く成功することを期待している。」と今回の契約延長を祝福している。

ソツツの父ワイサケは,オークランド&ブルーズ及びフィジー代表でプレーしたWTBだった。そしてソツツ自身は,オークランドのセクレットハート(聖心)カレッジでラグビーをプレーした。最初は父と同じWTBだったが,身体が大きい(192cm,106kg)ことから,LOを経てNO.8になったが,クラブラグビーレベルではSOをプレーしたスキルも持ち合わせている。

ソツツは,「自分の目標はブルーズでこの大会で優勝することだ。それはCOVID19からの復興を意味する。チームの強さを維持し,さらに強化することを助けたい。」,「今の自分にとって重要なのはこのチームだ。そして,あまり先のことを考えたくない。今プレーしているチームのことに集中したい。」と述べている。

【個人的見解】
エディ・ジョーンズのイングランドに取られないで良かったです。金の話になったらイングランドには勝てませんが,オールブラックスのブランドとNZで育ったことが良い結果につながったのでしょう。

それに,もしもイングランドのチームに移籍したら,今の彼の持っている良い素質がスポイルされてしまう危険性もありました。理由は,ラグビーそのものが異なる上に,FWにはセットプレーとモールで力を発揮することが期待されるため,ソツツのような万能型プレーはチームに適さないからです。

彼は,これからNZ及びオールブラックスで選手として大きく成長できれば,かつてのジンザン・ブルックのような存在に十分になれると思います。そして,オールブラックスで活躍し,選手としての旬を過ぎた頃(それでも30歳前後とは思いますが)にイングランドやフランスの金満クラブで金を稼げば良いと思います。

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