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<ラグビー>6NS第5週,結果

スコットランド52-10イタリア

消化試合。しかし,これでイタリアとジョージア,スペイン,ルーマニアあたりが対戦したら,イタリアが圧勝すると思うので,単純に入替戦をやればいいと言えないのが実情。ティア1国とそれ以下との差がありすぎる。ただし,フィジカルの差はないので,良いコーチが良いコーチングをして,さらにティア1国との対戦経験を積んでいけば,実力差は確実になくなっていくだろう。必要なのは,WRの改革姿勢だ。


アイルランド32-18イングランド

アヴィヴァスタジアムのアイルランドが,宿敵イングランド相手に勝てるか?

イングランド:エディ・ジョーンズ監督
マコ・ヴニポラ,ルーク・カウワンディッキー,カイル・シンクラー,マロ・イトジェ,チャーリー・アールズ,マーク・ウィルソン,トム・カリー,ビリー・ヴニポラ,ベン・ヤングス,ジョージ・フォード,ジョニー・メイ,オウウェン・ファレル(キャプテン),オリー・ローレンス,アンソニー・ワトソン,エリオット・デイリー
(リザーブ)
ジェイミー・ジョージ,エリス・ジェンジ,ウィル・スチュアート,ジョニー・ヒル,ベン・アール,ジョージ・マーティン,ダン・ロビンソン,ジョー・マーチャント

アイルランド:アンディ・ファレル監督
デイヴ・キルコイン,ロブ・ハーリング,タデュク・ファーロング,イアイン・ヘンダーソン,タデュク・バーニー,CJ・スタンダー,ジョシュ・ファンデルフリアー,ジャック・コーナン,コナー・マリー,ジョナサン・セクストン(キャプテン),ジェイコブ・ストックデール,バンディー・アーキ,ロビー・ヘンショウ,キース・アールズ,ヒューゴ・キーナン
(リザーブ)
ルーナン・ケラファー,キアン・ヒーリー,アンドリュウ・ポーター,ライアン・バード,ピーター・オマーニー,ジャミソン・ギブソンパーク,ビリー・バーンズ,ジョーダン・ラーマ-

9分,イングランド12番CTBオウウェン・ファレルがPG,0-3。
19分,アイルランド10番SOジョナサン・セクストンがPG,3-3。
24分,アイルランド14番WTBキース・アールズがトライ。セクストンのコンバージョン成功で,10-3。
27分,ファレルがPG,10-6。
30分,セクストンがPG,13-6。
37分,アイルランド8番NO.8ジャック・コーナンがトライ。セクストンのコンバージョン成功で,20-6。

前半,アイルランド20(2T2C2P)-イングランド6(2P)。
ホームのアイルランドが優勢(ボール保持率は62%対38%,地域獲得率も62%対38%,獲得距離は134m対33m)。イングランドのキャプテンであるオウウェン・ファレルのリーダーシップに疑問符が付けられている。また,スクラムをアイルランドに支配されているため,イングランドのエディ・ジョーンズ監督は後半早々に両PRを交代させた。

49分,アイルランド14番WTBキース・アールズがインゴールに入ったが,TMOの結果,17番PRキアン・ヒーリーのノッコンが判明して,ノートライ。
51分,セクストンがPG,23-6。
62分,セクストンがPG,26-6。
64分,アイルランド12番CTBバンディー・アーキの肩が,イングランド8番NO.8ビリー・ヴニポラの頭に当たり,アーキはレッドカード。これ以降アイルランドは14人に。
66分,イングランド9番SHベン・ヤングスがトライ。SOフォードは交代済みかつファレルが脳震盪で退場して,13番CTBエリオット・デイリーがゴールキックを担当するが,コンバージョン失敗で,26-11。
69分,セクストンがPG,29-11。
73分,セクストンがPG,32-11。
78分,アイルランド9番SHコナー・マリーがシンビン。アイルランドは13人に。
79分,イングランド11番WTBジョニー・メイがトライ。デイリーのコンバージョン成功で,32-18。

後半,アイルランド12(4P)-イングランド12(2T1C)。合計,アイルランド32(2T2C6P)-イングランド18(2T1C2P)。

点差が開いたのは,アイルランドSOジョニー・セクストンが6PGを蹴り込んだ結果。しかし,最後に13人となったように,アイルランドは26-6としてからのプレーは反省せねばならないだろう。なお,南アフリカからアイルランド代表入りしたCJ・スタンダーは,今シーズン限りの引退を表明しているため,アイルランドの試合はこれが最後となった。代表レベルとしては,夏のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのゲームが引退試合になる。

負けたイングランドは,かつての勢いが失せてしまい,2019年がピークだったことを証明してしまった。これでまたエディ・ジョーンズ解任論が沸騰することだろう。


フランス32-30ウェールズ

ウェールズ:ウェイン・ピヴァク監督
ウィン・ジョーンズ,ケン・オウウェンス,トーマス・フランシス,アダム・ベアード,アルンウィン・ジョーンズ(キャプテン),ジョシュ・ナヴィディ,ジャスティン・テュプリック,タウルペ・ファレタウ,ガレス・デイヴィス,ダン・ビガー,ジョシュ・アダムズ,ジョナサン・デイヴィス,ジョージ・ノース,ルイス・リーザミット,リアム・ウィリアムス
(リザーブ)
エリオット・ディー,ニッキー・スミス,レオン・ブラウン,コリー・ヒル,ジェイムズ・ボウサム,トモス・ウィリアムス,カラム・シーディー,ウィルス・ハラホロ

フランス:ファビアン・ガルティエ監督
シリル・ベイユ,ジュリアン・マルシャン,モハメド・アオウアス,ロメイン・タオフィフェンア,ポール・ウィルムゼ,ディラン・クレタン,シャルル・オリヴォン(キャプテン),グレゴリー・アルドリット,アントワーヌ・デュポン,マチュウ・ジャリベール,ダミアン・プノー,ガエル・フィコウ,ヴィリミ・ヴァカタワ,テディ・トマ,ブリス・デュラン
(リザーブ)
カミーユ・シャ,ジャンバプティスト・グロ,ウイニ・アトニオ,スワン・レッバジ,アンソニー・ジェロウク,バプティスト・セラン,ロメイン・ヌタマック,アルスール・ヴァンサン

6NS優勝を賭けた対戦。そして,ウェールズが勝てば,久々のグランドスラム達成。昨シーズンの不振から見事に立ち直ったと言える。

5分,フランス4番LOロメイン・タオフィフェンナがトライ。10番SOマチュウ・ベルナールのコンバージョン成功で,7-0。
11分,ウェールズ10番SOダン・ビガーがトライ&コンバージョン成功で,7-7。
13分,フランス9番SHアントワーヌ・デュポンがトライ。ジャリベールのコンバージョン成功で,14-7。
17分,ウェールズ6番FLジョシュ・ナヴィディがトライ。ビガーのコンバージョン成功で,14-14。
24分,ビガーがPG,14-17。
33分,フランス22番SOロメイン・ヌタマックがPG,17-17。

前半,フランス17(2T2C1P)-ウェールズ17(2T2C1P)。
相撲で言えばがっぷり四つで組み合っている感じだが,フランスの方が個人のフレアーとスキルに勝る印象。

45分,ビガーがPG,17-20。
49分,ウェールズ11番WTBジョシュ・アダムズがトライ。ビガーのコンバージョン成功で,17-27。
53分,ヌタマックがPG,20-27。
58分,フランス3番PRモハメド・アオウアスが,シンビン。
58分,ビガーがPG,20-30。
67分,フランス5番LOポール・ウィルムゼが,ラックでの危険なクリーンアウトでレッドカード。これに対してフランスのファビアン・ガルティエ監督がクレームしている。
71分,ウェールズ8番NO.8タウルペ・ファレタウがシンビン。
72分,ウェールズ15番FBリアム・ウィリアムスがシンビン。これで,フランス14人対ウェールズ13人に。
76分,フランス7番FLシャルル・オリヴォンがトライ。ヌタマックのコンバージョン成功で,27-30。
80分,フランス15番FBブリス・デュランがトライ。ヌタマックのコンバージョン失敗で,32-30。14人のフランスが13人のウェールズとの数的優位を生かし得,8分間に2トライ1コンバージョンの12点を入れて,10点差を逆転した。何かできすぎた展開。

後半,フランス15(2T1C1P)―ウェールズ10(1T1C1P)。合計,フランス32(4T3C2P)-ウェールズ30(3T3C2P)。
点差のとおりの接戦となり,ホームのフランスが無観客試合とは言え,ホームアドバンテージを得て,80分を過ぎた時点,さらに相手に連続して2人のシンビンが出たという,偶然にしては出来すぎの幸運に恵まれて2点差の辛勝をした。負けたウェールズは,シンビンされなければ,順当に勝利していただけに,この逃したグランドスラムは本当に惜しいチャンスだった。

ウェールズはグランドスラムを惜しくも逃したが,フランスは6NS優勝を確実にしたわけではない。首位のウェールズとは現時点で5ポイント差があるため,フランスが優勝するためには,来週金曜のスコットランド戦で,4トライ以上のボーナスポイント付きの勝利を得るのが最低条件となる。また,これでポイントが並ぶことになるが,ウェールズが得失点差を61としているのに対し,フランスは41なので,スコットランドに21点差以上をつけねばならない。もしも,フランスが20点差で勝利した場合は,次はトライ数の差で優勝が決まる。ウェールズは20トライしているので,15トライのフランスは6トライ以上を取らねばならない。こうした数字が全て同数となった場合は,ファイブネーションズ時代の1988年のフランスとウェールズの同時優勝となる。

ということで,フランスが優勝する可能性はかなり低く,ウェールズの優勝がほぼ決まりというのが,常識的な見方となる。

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