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ときどき書く、出版関係の話。前回は、出版に関わることになったきっかけ等についてまとめました。

こちらが概ね、『資格が教えてくれたこと』くらいまでの話でしたので、今回はその後の話をまとめようと思います。

資格が教えてくれたことの次に刊行されたのが、『副業開業カタログ』でした。こちらは共著という形で、多くの方に副業開業の事例として登場いただき、冒頭に私の副業開業の経緯やノウハウなどのまとめが入っているという形式をとっています。

こちらの副業開業カタログは、これまでと全く異なる流れで企画が決まりました。通常、商業出版の企画は編集者が作成して著者に提案するか、著者が企画を持ち込むというもの。いずれにしても、ある程度の形になるまでは、どちらか一方が企画をまとめて、それを他方に提案するというものです。

なお、私の場合は、基本的に前者の企画を提案してもらうという形が多くなっています。著者は、本のコンテンツを提供するコンテンツホルダーまたはコンテンツメーカーではありますが、本の企画のプロではないことが多いもの。実際、最近では私も企画段階から関わったりしていますが、最初は執筆自体もおぼつかないのに、企画なんて考えられるわけもありません。

商業出版の企画というのは、端的に言えば「売れるものを作る」ことが目標です。もちろん、出版というのは公益性もある仕事なので、売れれば良いというわけではなく、一定の暗黙の了解の範囲内で出来る限りのことをするといったイメージになります。

でも、意外なことに出版企画は「え?これだけ??」と思うようなサッパリとした内容から始まります。
・仮タイトル
・概要(コンセプト、というようなざっくりしたもの)
・想定読者
・類書とその売上(ここは、無かったりもする)
・サイズやページ数の大枠→大体の文字数が分かる
・価格と部数と印税率などの条件(最終的には刊行直前まで部数は変わったりする)
分量にすると1~2ページくらいとか。アイデアや類書からの差別化が重要なので、本当にシンプルなものです。

では、副業開業カタログの企画はどう決まったか。実は、はじまりは私が登壇したセミナーのコンテンツ(の投稿)でした。

この投稿を見た、私の担当編集さんから『副業開業、いいですねぇ~』とすぐに連絡があり、ではさっそく進めましょうということに。セミナー資料を共有し、骨格となるコンテンツはこれで行けそうですねということになりました。セミナー起こしと呼ばれたりもするタイプのやり方で、セミナー資料や録画データがあればそこから文章を起こして、本にするのです。あいにく録画データはありませんでしたが、資料があれば自分自身で話すつもりで文章にするのはそう難しいことではありません。割とスムーズに、2~3万字の原稿を作成しました。

これをさらに膨らませることで1冊の本にすることも不可能では無かったと思うのですが、副業開業カタログでは、様々な方に自身の体験を語っていただくという形式を取りました。これは、社労士の仕事カタログと同じような感じです。

社労士の仕事カタログと大きく異なるのは、副業開業カタログでは対象を広げたこと。社労士、行政書士、中小企業診断士まで含めて、多くの方に参考にしていただけるようにしました。もちろん、これはターゲット層が広がるというビジネス上の意味合いも少なからずあります。さらに、様々な方が登場することで、相互に拡散して広がりを作れるという期待も持っていました。

結果的に、期待は概ねその通りとなり、実際相当な盛り上がりとなりました。露出が多くなりすぎ、うるさく感じた方もいらっしゃったかもしれません。それについては、申し訳ございませんでしたm(_ _)m

さらにちょっとした工夫として、しっかりともう実績を出されている先輩方にも何人かご登場いただきました。

こうしてまとめると良いことばかりだったように見えますが、決して簡単だったわけではありません。何しろ、ジャンルだけで社労士・行政書士・中小企業診断士の3つがあるので、バランスを取るのが大変でした。各ジャンルごとの人数はもちろんのこと、その中での男女比も概ね同程度となるように。さらに、どんな人が読んでもロールモデルが見つけられるようにという配慮から、年代や都市部/地方といったことについてもバランスを検討しました。メンバーを揃えるキャスティングの作業は、本当に大変でした…。

こういった話は、これまでごく一部の方にしかお話していませんでしたが、せっかくなのでシェアしちゃいます。この話を踏まえて、副業開業カタログを改めて見ていただくのも面白いと思います。

工夫の甲斐あってか、多くの方にお読みいただくことができたようで、大変嬉しく思っています。やはり、本を書くだけが著者の仕事ではないと思いますので、出来る限り企画をより良くする提案をして、一緒に本を作っていくべきでしょう。

副業開業カタログは、企画が動き出してから8ヶ月ほどで刊行というスピード出版でした。大勢で執筆が分担できたのがその要因ですが、裏で様々な調整に私が奔走した影響も少しはあったかなと思っています(笑)

1冊の本が完成するまでには、膨大な労力が費やされています。せっかくそれだけ手間を掛けるのであれば、なるべく多くの方に知っていただきたいもの。執筆だけでも大変な中で、企画をブラッシュアップするのは並大抵ではないですが、今後も出来る限りのことをしていきたいと思います。

そして実は、もうさっそく「次」や「その次」の企画が動き始めています。まだ少し早すぎるのであまり詳しくは言えないのが残念なところですが、いずれも面白い内容になるはずです。ぜひ、ご期待ください。

また、近々発刊予定の単著2冊についても、もちろん様々な工夫をしています。事前にあまり種明かしをすべきではないので詳細は控えますが、お読みいただければ、きっと楽しんで頂けるはずですm(_ _)m



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