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ぶっちゃけSales Stageなんてどうでもいいよ、、、

こんにちは!外資SaaS営業の村上悠司です🦍
今日はSales Stageについて書いていこうと思います。ちょっと怒られそうなタイトルですねwww
そもそもSales Stageって皆さん聞かれたことありますか?外資系IT企業では一般的に、商談の進捗状況をステージ管理しています。上司とのミーティングでは、「いまこの案件はどのステージなのか」「Forecast Meetingまでにステージを更新しておいてね」なんていう会話は日常茶飯事です。
今日はこのSales Stageについて解説していきます。


Sales Stageとは

Sales Stageの本質を理解しよう

まずChatGPTでググってみると、、、

「営業プロセスの中で商談が進行する各段階を指します。これらの段階は、営業活動の進行状況を把握し、管理するために設定されます。」

そうなんです。Sales Stageは会社やマネジメントが営業の活動進捗の「管理するため」のものなんです。上の立場からしたらそりゃそうですよね。彼らは部下を抱えており、何十何百の案件を日々追いかけています。どの案件がどういうステータスなのかを機械的に捉え、更にその上、経営に報告しなければなりません。

Sales Stageに正解なんて無い

Sales Stageは各社各様です。なぜなら管理する会社によって違うから。
Stage0、Stage1、Stage2、Prospect、Qualify、Scope、TDD、、、、
正直呼び方なんてなんだって良いんですw
扱う製品やサービス、時代背景、そして各社の営業戦略に応じて変わります。これといった正解とはなく、各社で決められたルールに従ってSalesforce等のSFAに入力していきましょう!!!以上!!!!

、、、、

、、、、

、、、、

うん。

やっぱりしょうもない営業だな、これ以上読み進めるのはやめよう、、

そんな悲しいこと言わないでください🥲

ここからは、一般的なSales Stageの考え方について、そして最後に最も重要なことをお伝えします!

一般的なSales Stageとその目的、アクション

Sales Stageの目的と各ステージのアクション、Forecast目安

1.Pipeline Generation(案件の創出)

言わずもがなPipelineを作ってきましょうというフェーズです。アポが取れてPipelineに登録されなければ案件化しませんからね。Pipelineを作るためにテリトリープランを作ったり、アカウントプランニングをしたり、アポが取れれば1st callまでに事前にヒアリングをしたり、このフェーズは別途記事を作成予定です。ちょっと別物と考えて頂いてよいでしょう😆

2.Discovery(ニーズの発見、掘り起こし)

はい、これが一番難しく、一番重要です!!!営業として、このフェーズの至難を乗り越えると上手く行けば受注まで一気に加速していきます。逆に言うと、このフェーズをすっ飛ばすとズルズルリソースだけ取られて失注します。
要するに顧客に着火させるステージですね。こちらについても別途記事を作成予定ですが、このフェーズで何をしなければならないか、重要なポイントを簡単に記載しておきます。

✅ 顧客の抱える問題やチャレンジを「正しく」理解し、顧客にも理解させる
✅ 顧客のニーズを把握する
✅ Champion、もしくはPotential Championを見つける

感覚的に言うと「なんで苦しんでるの〜〜」をちゃんと理解しニーズを把握しましょう、という感じです。

3.Scope(プロジェクト範囲の合意形成)

取り組むべき目的や顧客の現状と実現したい姿、目標や問題、チャレンジを顧客と共有し合意を図ることで「掲げた目標を達成し、チャレンジ(課題)を克服するために必要な能力はなにか」を定義しなけばなりません。それがこのScopeのフェーズです。
機能要件、非機能要件、関係するステークホルダーは誰なのか、リソースや予算、期限などの制約条件があるのか、前提条件はないか、メトリクスの確認等々。
また、必要な能力を定義する際には自社が有利になる、自社しか出来ないようなトラップを仕掛けておきます。後々競合を排除するためです。なのでDiscoveryとScopeは超重要です。目的、目標、現状、理想の姿、チャレンジがきれいなストーリーに仕上がっていると、「必要な能力」に自社が有利であるエッセンスを仕込むことができるからです。RFIやRFPを顧客と握る、とはまさにここのポイントになります。

あと、DiscoveryとScopeの2つの境界線は正直曖昧です。定義に囚われずに本質を理解していきましょう。(社内では各Stageのクライテリアに沿って管理していけばOK)

4.Go No-Go(やるかやらないかの判断)

Championと握ったScopeを、EB(決裁者)に説明してこのままプロジェクトを進めるかどうかの判断を仰ぎます。最初の役員向けのプレゼンテーションと言ってもいいでしょう。EBへのプレゼンを円滑に、無事クリアするには顧客内での根回しが必要です。Championがいる場合、予め役員に根回しをしてもらうことができるので、スムーズに話が進む、だからこそChampionが本当に重要なんです!!
ここでEB(決裁者)から突き返された場合は、再度DiscoveryやScopeを定義し直して決裁者と交渉します。Championが本当に社内で影響力のある人間なのか、しっかり見定めましょう。Championについては以下記事を参考ください!


5.Solution Validation(技術的検証)

プロジェクトの合意形成を行い、EB(決裁者)からGoサインが出ればあとは技術的な検証のスタートです。検証ではトライアルを行ったり、カスタマイズデモを行うことが一般的です。トライアルを実施する場合は以下を参考にしてください。

(1)明確な評価基準の設定

  • KPIと目標:ソリューションの効果を測定するための具体的な指標(KPI)と目標を設定します。これにより、ソリューションのパフォーマンスを客観的に評価できます。

    • 目標例:応対時間を20%削減する

    • KPI例:平均解決時間、ナレッジベースの閲覧数、など

🚨重要🚨
トライアルや検証を行う際は、何を検証で確認するか明確にしておきましょう。検証で確認したい項目の顧客の期待値が高ければ、期待値コントロールを検証前に行っておくことが超重要です。SaaSでは、あくまで標準機能で試せることを検証してもらうように期待値コントロールしましょう!

(2)検証の実施

トライアルを行う場合、顧客にドキュメントだけ渡して丸投げしても上手くいかないケースが多いです。ここでの対応が後々ベンダーとしての安心感にも繋がるので、社内のリソースと相談しながら進めていきましょう。以下は私がやっている一例です。

  • トライアルのオンボーディングセッション
    トライアル時の設定のやり方などを解説

  • トライアル中間セッション
    トライアル最中の技術的な課題を解決するためのセッション(質問シートなどを共有してメールでやり取りするケースも)

(3)トライアルのフィードバック・結果報告

目標やKPI対する結果をヒアリングします。また、利用者からの直接的なフィードバックを収集して技術的に課題がある場合はWorkaroundを提案したり、技術的なディスカッションを行います。
フィードバックは極力ドキュメントで顧客から共有してもらうようにしましょう。顧客のVOCを得れる貴重な機会です!!!

5.Business Case

トライアルの評価が終わり、Business Caseのフェーズに入ります。ここでは、提案しているプロジェクトが顧客にとってどのように有益であり、なぜ実施する必要があるのかを論理的かつ詳細に説明します。これには、プロジェクトの目的、目標、コスト、費用対効果、実行計画、実績などが含まれます。EB(決裁者)に直接プレゼンを行うのか、それともドキュメントを提出するだけなのかケースバイケースですが、関係性を構築するためにもEBに直接最終プレゼンの場をセットしてもらうようにしましょう。
またビジネスケースの内容は、Championを含めて自社の味方になってくれている方にフィードバックをもらいながらブラッシュアップしていくことが重要です。

【ビジネスケースのAgenda例】

エグゼクティブサマリー(プロジェクトの概要と主なメリット)
背景情報と現状分析(現在の問題点や課題)
プロジェクトの必要性(解決すべき問題と期待される結果)
タイミングの重要性(なぜ今実施すべきか)
目的と目標(具体的な目的と達成したい目標)
競合比較(解決策の比較と最適な選択肢)
費用対効果(コスト見積もりと期待される利益)
リスク分析と対応策(潜在的なリスクと対応策)
私たちの優位性(自社の強みや成功事例)
実行計画(実施計画と主要マイルストーン)
ステークホルダーの分析(関与するステークホルダーとその役割)
成功基準サクセスクライテリア 成功を評価する基準とKPI)
結論

6.Negotiation / Close

ビジネスケースを提示したあとは、顧客内で審議が行われます。最終提案を実施したからといって安心してはなりません。受注確度を高めるためにやれることは全部実施し、Championを筆頭に、顧客のあらゆるステークホルダーに状況を確認し自社が置かれている状況を正確に把握していきましょう。
またセキュリティチェックやリーガルプロセス、ペーパープロセスをすべて把握し、いつ何日に受注できるのかの詳細を抑える必要があります。

以上がSales Stageの簡単な説明です。特に案件をQualifyするためにはDiscoveryやScopeフェーズが重要です。こちらについては別途解説する予定ですのでお待ち下さい!そして最後に、、、

最後に何が言いたいかって言うと、大切なのは「プロセス」なんです!!!

Sales Stageなんてどうでも良いと言いましたが、誤解しないでください。(どっちやねん)

Sales Stage自体が重要でない、わけではありません。それはあくまでフレームワークであり、進捗を管理するための道具です。

本当に大切なのは、エンタープライズ営業の基本的なプロセスを理解することなんです。各社多種多様のSales Stageがありますが、どの会社にも共通しているのは以下3つのプロセスです。

1. 課題の発見と合意

2. 解決範囲の定義と合意

3. 取り組みに向けた合意

営業プロセスの基本的な考え方

そして、エンタープライズ営業は最初からすぐに課題を発見できるほど甘くはないということです。顧客に認識させるために、地道な継続した啓蒙活動が必要です。

最後になりましたが、営業プロセスは顧客の成功を支援する活動です。啓蒙活動、課題の発見と合意、取り組む範囲の合意、そして最終的な契約まで、各ステップで顧客に価値を提供し続けることがエンタープライズ営業には求められる、やりがいのある仕事です🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥🔥

長々とお読み頂きありがとうございました!Sales Stageの概要について少しでもご理解頂ければ嬉しいです😊


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