はじめまして__3_

#3 なぜ、じぶんの「がん」を周りに伝えるのか?

今回はカスタマーサクセスとは離れて、なぜじぶんが「がん」であることを周りに伝えるのか?について書いていこうと思います。

初回の自己紹介でも触れましたが2018年12月に多発性骨髄腫(血液がん)と診断され、去年の今頃は入院治療をしていました。病気の影響で骨がもろくなり歩くこともできなくなっていたため、リハビリをしてやっと杖を突きながら歩けるようになったくらいの状態だったでした。

いまとなっては「いい思い出?」です。

血液がんというとあんまり馴染みが無いと思うのですが、競泳の池江璃花子選手の「白血病」、元フジテレビアナウンサーの笠井さんの「悪性リンパ腫」、漫才師の大輔花子の花子さんがかかったのは同じ「多発性骨髄腫」でこういった病気が血液がんというグループに入ってきます。この他にも結構種類があります。

こういった話題になると、「どんな病気で」「どんな治療をして」みたいなことを詳しく書いていくことが多いですが、今回の意図とは違うので省略します。

一つだけ書き加えると、そもそも40歳未満の発症はとても珍しく20代ともなるとほぼいないのが現状です。このことから、いかに私が貴重な存在なのかご理解いただけると思います笑

※少し情報が古いですが2015年の年代別罹患率のグラフです

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興味がある方はこちらに詳しい説明があるので見てみてください。
https://ganjoho.jp/public/cancer/MM/index.html

お断り

まず、はじめにお断りしておきたいことがあります。

それは、これから書く内容はあくまで
「現在」の「私」の「病状・環境・健康状態」によるもので、すべての方に当てはまるわけではないということです。

当たり前のように聞こえるかもしれませんが、いろいろながんサバイバーの方と話をしてきた経験から、同じがん経験者といえどもそれぞれの状況は千差万別だと実感しているため書いておきました。

じぶんの「がん」を周りに伝える理由

前置きは長くなりましたが、ここから本題です。

そもそも、なぜじぶんの「がん」をまわりに伝えるのか?という理由です。

週一で半日の通院が必要なため、周りからは「なにか持病があるのだろう」と思われることはあると思います。しかし、わざわざ「がん」であることを伝える必要は特にありません。必要最低限の人にしか伝えたくないという方も当然います。

私自身は見た目にほぼ影響がないので言わなければ気づかれないと思います。

ではなぜ私が周りに伝えているかというと、

「他人事ではなく自分事としてとらえてほしいから」

という理由です。

「二人に一人ががんになる」と言われている時代、私もいつかはがんになるかもとは思っていました。しかし、流石に20代でなるとは想像していませんでした。

なってみて思ったのは、特に前触れもなくがんになるもので、案外他人事ではないということです。

最近はテレビやイベントなどでもがんについて取り上げられることが多いので情報に触れる機会は多いと思います。しかし、以前の私と同様「まだ自分には関係ない」と思っている人が多いのではないでしょうか?そんな中で周りに実際にがんを経験した人がいて、その経験を語っていれば、少しは自分事としてとらえてもらえるのではないかという気持ちでじぶんのがんについて伝えています。

伝えること自体には抵抗はないのですが、逆に聞いた人に余計な気遣いをさせてしまうのではないかと思うことは多々あります。そのため、伝えるときにはできるだけ事実を淡々と伝えるように心がけています。

AYA世代がん患者の現状

私の年代のがん患者は「AYA世代」と呼ばれており大体15歳から35歳位でがんに罹患した人のことを言います。AYA世代がん患者の団体「STAND UP!!」という団体もあり、私も参加しています。メンバー数は確か700人位いたと思います。定期的にイベントも開催されており、気が向いた時に参加しています。

・すでに寛解状態で日常生活に支障がない人
・現在治療中の人
・すでに治療の選択肢がなく、緩和医療に移る人

と参加されている人も様々な状況です。それぞれ苦労しているはずですが、皆さん楽しそうにしている姿にいつも元気をもらいます。

また、治療中とはいえ、仕事・勉強と好きなことをできている私は恵まれているのだなとも思います。

若年性がん患者団体 STAND UP!!35歳までにがんにかかった若年性がん患者による、若年性がん患者のための団体。standupdreams.com

まだ「がん」ではない皆さんに伝えたいこと

前にも書きましたが、「がんという病気を自分事としてとらえてほしい」ということです。かといって闇雲に恐れる必要もないと思っています。

医療が進歩した現在、「がん=死」という時代でもなくなりました。ですが、大変な病気であることも事実です。

そこで、今からできることとしては「がん」について興味を持って、情報を収集しておくということです。

今は調べればいくらでも情報が出てくる時代です。様々な治療法があり、いろいろなサポートも受けられます。しかし、いざ自分ががんになったタイミングで世の中に溢れかえっている情報の中から冷静に正しい情報を見極め、治療法を決定するのは大変なことです。

だからこそ、健康で冷静な判断ができるうちに、色々と興味を持って知っておくことが大切だと思います。

私の経験から言うと、がん治療において一番大切なことは「病院選び」だと思います。私自身、最初に入院した病院から転院をしています。理由は提示された治療法に納得できなかったことでした。言われたとおりの治療を受けていれば今もまだ入院をしていた可能性もあります。

以外に思われるかもしれませんが、「同じ病気、症状」でも病院によって治療内容は異なります。大学病院だからと言っていい治療が受けられるとも限りません。聞いたところによると、症例数の多い病院は信頼できると思っていいようです。

自分で治療法を調べて色々動くこともできますが、医師の知識には到底敵いません。だからこそ、「信頼できる病院・医師を選んであとはおまかせ」とするのがいいと思っています。私は自分の希望を伝えつつ、基本的には言われた通りの治療を受けています。

最後に

いまはがんに関するイベントもたくさん開催されています。参加していて思うのは、参加者がほとんどがん患者ということです。もちろん、患者どうしのつながりも必要ですが、「もっと健康な人も参加をしたほうがいいのでは?」ということです。

参加してみると、きっといろいろな気づきがあると思います。

このnoteを読んだ方がすこしでもがんについて興味を持って調べてもらえれば、嬉しいと思います。

気になることがあればコメントなどからの質問も大歓迎です!

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