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イスタンブール旅行記①~旅行怖い編~

2020年3月2日から7日まで僕は一人旅でイスタンブールにいた。本当はnoteに記すつもりは更々なかったけど、時間もあるので、暇潰しがてら振り返りつつ書いていきたいと思う。

なぜイスタンブールに行きたかったのか、それを聞かれると少し困ってしまう。なぜなら、明確な理由がないから。アジアとヨーロッパの境目だからとかボスポラス海峡を見てみたかったとかちょっとあったかもしれないけど、まともに世界史の勉強したわけではないからあんまり知らないし。(最近オスマン帝国についての本を読んで勉強した。めちゃくちゃ面白かったし、読んでから行けばよかったとも思ってる。)とりあえず海外を一人旅したくて、一人旅のしやすそうなイスタンブールを選んだというだけだった。

だから、急を要して行くほどではなかったし、直前になって行くかどうかめちゃくちゃ悩んでいた。なぜなら新型コロナウイルスの流行があったから。

当時、日本国内はクルーズ船内での感染者が相次いでいたが、日本国内での流行、ヨーロッパやアメリカでの爆発的な感染はなく、トルコや乗り継ぎ先のカタールでも感染者はゼロであった。

が、段々と入国を制限する国が出てきて、入国条件も厳しくなり、人の飛行機での移動が減り始め、不安に思う人のキャンセルも増え、需要が蒸発し始めていた。

僕も出発前からイスタンブール到着日までは「実は感染してて、旅先で発症して現地病院に入院させられたらどうしよう」とか、「入国制限のせいで空港で足止め食らって、帰れなかったらどうしよう」とか「アジア人に対する当たりきついかなあ」とかネガティブなことばかり考えて楽しむ余裕なんてなかった。

が、結局「10万くらいかかってるし、トルコに感染者もいないしまあ行っても大丈夫か」みたいなマインドを無理矢理持って(結局持てなかった)行くことにした。

3/2、出発当日、ガラガラの羽田空港。深夜便でまずはカタールへ向かう。

飛行機内の旅客はまばらで座席のブロックごとに一人くらいの量だった。しかし、僕の座席のひとつ飛ばした席に金髪の北欧人っぽい女性の方がいた。窓側の席にその女性、通路側の席に僕といった席順だった。

女性はなにやらCAさんに話しかけるのをためらっているようだった。僕はイヤホンをして様子だけ見ていたのだが、ようやくCAさんを捕まえたと思ったら意志疎通があまりできていないようだった。

おそらく、その女性は日本語(もしくは英語)があまり得意ではないとかで、うまく言いたいことを伝えられないのだろうと思い、僕はイヤホンを外して、助けようとした。

「いや、隣の席空いてるから、移りたいんだけど」

ビックリするくらい流暢な日本語だった。

日本語であったが、話しかけられているCAさんが日本人ではないアジア系の方だったようで、意図が伝わっていなかった。

それでもジェスチャーでなんとか伝わったようで、オーケーオーケーといわれ、承諾は得れたようだ。

承諾を得ると、女性は

「なんならあなたが真ん中行きなよ!席広い方がいいでしょ!」


いや自分が移るんじゃないんかい。

大阪のオバハン並みの強引さでった。なんなら僕が発言する間もなかった。

見た感じ、北欧系の出で立ちの金髪隻眼の女性で、英語ペラペラみたいな見た目だったが、人は見かけで判断するものではないなあと教訓を得た旅の出発前だった。

文面でうまく伝わっているかわからないが、圧倒的北欧の顔立ちの人から発せられるバリバリ流暢な日本語は僕にとって衝撃だった。

そんなこんなで飛行機は離陸し、12時間超えのフライトがスタートした。

飛行機内では2,3本映画を見た記憶があるが、コナン以外覚えてない。ちゃんとメモしとくんだった。

席に余裕がありまくったお陰で席を存分に利用できて、快適な空の旅だった。

夜の機内食。そばアレルギーのため蕎麦食べられず、無念のシャッター。

ドーハ国際空港のマスコット的なでっかいテディベア。

朝早くにカタールに到着し、イスタンブールへ。その待ち時間、飛行機搭乗ゲート前で搭乗時間を待っていたが、なんとも居心地が悪い。待っている乗客の咳がすべて煩わしく、僕への当て付けに感じる。当時、コロナウイルスのアジアでの流行もあり、アジア人への風当たりが強かったので、どうしてもそう感じてしまう。

いざ、飛行機に乗ると機内は混雑しており、マスクしている人はいても、今後起こるパンデミックなど全く予想していない人ばかりだった。

そんななか、僕のとなりには中東系のイケメンとイスラム教徒だろうという風貌の女性のカップルだった。

隣に座る僕がアジア人ということで少し怪訝な顔をしたように見えたが、まあそれくらいは仕方ないかなと思った。

僕の目の前にもアジア人(おそらく日本人)が座り、少し同族がいる安心感を持ったが、それも束の間、その人のとなりにいる中東系の女性2人組がCAになにやら不満を言い出した。どうやら、隣がアジア人であることに不安を感じ、席を変えてほしいというようなことのようだ。

結局、席の空きがなく、移動できなかったようだが、アジア人男性は決まりが悪く、居場所がなさそうだった。僕も居心地が悪く、これからの旅に不安しか感じなかった。

「これから、いく場所全部でこんな仕打ちを受けるのかな?この旅楽しめるのかな?」

隣のカップルはどうやら機内エンタメのタッチパネルの操作方法がわからないようで僕に聞いてきた。教えてあげると、チョコをくれた。なんでもないちょっとしたギブ&テイクのやり取りでそのカップルは英語が喋れないようだったのでやりとりはこれっきりだったが、他の人からの目線が気になり気疲れしていた僕は優しさを感じて、泣きそうになってしまった。

この飛行機にも2~3時間乗り、ようやくイスタンブールに到着した。ここまで長かったがようやくイスタンブールに到着である。

イスタンブールの空港は新しく、近代的でとても好き。

空港でトルコの通貨を獲得し、イスタンブール中心部に向かうバスへと乗り込もうとした。

どうやらイスタンブールにはイスタンブールカードという交通系ICカードがあり、様々な交通機関で使えるという情報を掴んでいた。各地の交通系ICカードを集めるのが好きであり、(バンクーバーではコンパスカード等を買っており、)移動に地下鉄やトラムなんかを使おうとしていたので丁度いいと思い購入しようとしていた。

それは無事購入できたのだが、券売機のようなところでチャージしようとトルコリラをいれると…

…なにも反応がない

表示板にお金が入っている表示もでなければ、返金ボタンみたいなのを押してもうんともすんとも言わない。

やられた。

このときのツイート。

僕は用意周到な方で段取りをちゃんと決めて行動しようと思っているので、こういった(小さい規模だが)ハプニングに慣れておらず、飛行機内でのことに加え、この出来事でこの旅に対する不安、恐怖が増幅された。

「一体この旅、どうなっちゃうの~!?」

続く