男達と私(ピエロ)の人生と

結構noteではしている話だが、私はかなりのパパっ子だった。と、同時に周りからガイジ扱いされていた。

「ぱそちゃんお父さんと一緒におつかい?えらいねー!ばいばーい!」
「ばいばーい!」

小学生か幼稚園の会話に見えるだろう。

当時、中学二年生である。

ちなみに状況は同級生が向かいの歩道にいて、父親と手を繋いで買い物に行く途中を見られたときの反応だ。

今野ぱそは、ひまわり学級ギリギリのガイジであった。今もぶっちゃけ変わらないのだが、所謂ちょっとおかしい子であった。
成績はムラがあるものの比較的良かった為、あまり気づかれなかったが、休み時間は「ひなたぼっこ」とか言ってベランダに居座っていたし、エロ本(BL)を読書時間に読んでいた。

いじめは正直、あった。
中学三年生の頃、顔の皮が全て剥がれたのだ。(毒親の為、病院には行かせてもらえなかった)
あだ名はゾンビ。でも花粉症とアトピーの合併だったので、夏には回復した。
元々ガイジで触れてはいけない対象だった為、いじめと言っても陰口程度だったし、直接言ってくるのは二〜三人だったし、当時の私も(こりゃゾンビだわ)と納得していたので、別にショックは無かった。ただこの件は事実としてはあったので数年後とかに他人の同情を引く為のアピールポイントとして使わせてもらった。ただでは決して起きん。

そんな感じでぱそちゃんはガイジ通り越してサイコな青春を送っていたので、(卒業アルバムによくある「クラスで一番〇〇な人」みたいな不思議ちゃん(宇宙人)枠として不本意な一位を取ることになった。誠に遺憾である。

今思えば、皆優しい人ばかりであった。
小、中、高と良い友人に恵まれたと思う。大学では統合失調症を発症し、内部入学の友人の金魚のフンに徹することで身を守っていたが、無事に卒業することができたし。

社会人になっても人には恵まれた。
同期とはバラバラになっても三ヶ月に一回くらいは飲みに行く仲だし、仲良くやっている。

友人に甘やかされ育ってきた。

が、それと同時に男には全く縁のない人生であった。

周りが女子ばかりの純粋培養。汚いものとは無縁。性的なものは、ぱそちゃんには早いと私が来た瞬間話をやめる(なので私は誰が誰に惚れたのか腫れたのかを知ることはなかった)
だから不審者にもドリンク一本で信用してついていってしまったし(当時六年生)大学生になっても「俺実は社長なんだよね。今から飯行かない?」←(明らかに日雇いオッサン)についていきそうになるのである。(夢女として推しに操を立ててなければ危なかった)

男なぞBL本だけに存在する者ーー、危ない男や自分に危害を加える者とは遠く、利用して捨てるだけのものである。

そうした二十年の擦り込みが、社会人人生にしわ寄せして帰ってきたのであった。
二十一歳、社会人一年目。
男性軽視の私の世界がいきなりボディブローを仕掛けてきた年であった。

上司が既婚男ばかりだったのである。

男に媚びて利用するだけの私であったが、実は重度の男性恐怖症(不審者の件と弟の無意識セクハラと父親の暴力が原因)。相手に自分への好意が確定出来る男でないと(つまり既婚男は恐怖の対象)、横にいるだけで怖くなってしまうのだから、まともなコミュニケーションを取れるわけがない。一人目の上司は二年経っても結局まともに話した事がなかった。

異動して二人目の上司も既婚だった。
が、その時の私は婚活をしまくって男性恐怖症を乗り越えた気になっていたので(この時、既婚男性が恐怖の対象であったことには気がついていなかった)今度こそまともなコミュニケーションを取れると思っていた。

が、ここでメンタルをクソほどこの上司にぐちゃぐちゃにされる。なんと、私が仕事の出来ない人間なのは人事も分かっていたはずなのに、上司も仕事が出来なかったのである。

仕事が出来ない人間がプロジェクトリーダー(しかも両方)プロジェクトの失敗は目に見えていた。

紆余曲折あり、精神を完全にやった私は休職期間を存分に丸々使い、リスカやODやら軽犯罪もどきやらをやらなくなるくらいは回復した。

ウチには父親はもういない。蒸発した。
弟も家を出た。母親も父親から逃げたことで丸くなり、私を脅かすものは一切いなくなった。

と、言うのは退職から三日で崩れ去る。

そう、生活保護を受給する事で生まれた新たなる刺客。

イケメン既婚ケースワーカーである。

身長はおおよそ170後半、大学でテニスやってそうな甘いマスクの二十代半ば位の長細い体型の顔のいい男だ。一眼見たときから嫌いだった。(苦労してなさそうな文系イケメンが死ぬほど苦手)

公務員、既婚、イケメン。
恐らく私と正反対の人生を送ったであろう敵。
心を開けるわけがない。

家庭訪問時、コイツとは今後一切自分からは関わらないであろうと思っていたが

毎日役所に行って顔を合わせている。

(不本意)

生活保護+無職+元社会人+障害者手帳申請のコンボはとにかくやる事が多い。一ヶ月ずっと書類書いて、ずっとどっかに電話してるんじゃねえかと思うほどやる事が多い。頭がパンクしそうだ。

金周りや病院周りはいちいち役所に申請しなければならない。ここだ。ここでヤツに会う必要がある。

私の社会人としての理想像を話したことはあっただろうか。
私の友人関係は基本的に自慢できるタイプの職持ちの人が多い。なので、まず前提として、

・彼女達に見劣りしない立派と言われる職業

そして私は父親の娘なのだから当然可愛い。

・容姿が酷いものではない

お金だってあったほうがいい。

・安定した給料

そして社会で認められる真人間としての印。

・恋人(男女問わない)もしくは配偶者有り
そして大卒(私は学歴コンプ)

もうお分かりだろう。そう、あのイケメンは私の理想とする社会人そのものなのである。

完全にこれは逆恨みであり嫉妬だ。

さらに歳が同じくらいなのが私のプライドを傷つける。本当に会いたくない。多分あっちもそう思ってるだろう(役所で情緒不安定になりキレだすので)

が、生活保護というのはマジで融通が効かないもので、会いたくなさすぎてイケメンの休みを狙って凸しても「それはケースワーカーに聞いてみないと……」となる。

いや、わかる。私が全面的に悪いのはわかるよ?私も生活保護になる時、少しでも良い受給者になろう!(`・ω・´)と「健康で文化的な最低限度の生活」全巻読んだから。あと普通に調べたからどんな仕組みで役所が動いてんのかもわかる。

でもそれ(理論)とこれ(感情)は別やろがい!

え〜ん本当に会いたくない。それはあっちのセリフだろうけど本当に会いたくない。

私はピエロに徹する事が殆どなのだけど(私が社会で上手く行くには「お前の下でバカをする」方法しかなかったので)基本プライドがエベレストで内心大体のことにキレまくっている。相手がまだ気の良いお兄さんかお姉さんならよかった。「あっ、ぱそちゃん来たのね〜」みたいな。このパターンだと私はピエロの方に傾くので上手くやる事ができる。この人は私よりすごいから謙虚に謙虚に、楽しく笑わせられるように。ってやつだ。

だがイケメンは違う。

コイツは全てにおいて真顔。無。あるとしたら苦笑い。やることなすこと事務的で笑わせようとも思えない。目があった瞬間、帰れオーラがすごい。あと考える時に机を指でトントンするのが品がなさすぎる。多少私の被害妄想が入っているかもしれないが、お互い嫌いあっているのは確か。向かい合った瞬間、バトルが水面下で勃発する。

お前は指トンしてるけど、私は机の下で中指立ててるからな。本当マジで。

そんなわけで明日もイケメンに会いに市役所に行く予定だ。本当に嫌すぎる。

あと私の地域はマジでイケメン属の生息確率が高いのか、ハローワークがホストクラブと化している。あらイケメン♡とか一瞬ぐらついたが、話してみたら態度最悪だったので(激務なのが嫌でも伝わってくるので許した)基本的にイケメンに良い奴はいない説がある。私が好きな文系イケメンより、私が嫌いなちょっとウェイが入った体育会系の方が大体優しいし性格がいいのは何故なのか。

世の文系男子よ、謙虚であれ。

そしたら大抵のことは許せるから……。

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