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犬との闘い

先代犬のお話が出たので思い出したことを書きます。

先代犬を譲っていただくときにブリーダーさんから言われた言葉がいまだに忘れられません。その言葉は

これから犬との闘いがはじまりますね

たしかに犬と暮らすという事は犬の行動を制限する事になります。人間の都合に合わせてもらわねばなりません。躾けが必要になります。なかなかこれが厄介です。トイレ、食餌、オヤツ、寝る場所の決まり事からはじまって呼び戻しができるとかマテができるとか他の犬や人と付き合うことができるとかあげたらキリがなくてしかも終わりがないのです。飼っているかぎりズーーーウーーーと続きます。そのことを一言に表した言葉なのです。

ところが先代犬は聞き分けが良くて最初の晩こそ寂しくて泣いていましたが翌日からは落ち着いてケージ内の寝床で大人しく寝るし、トイレも数回失敗したもののわりとすぐに覚えてくれました。正直拍子抜け。わたしが気負いすぎて厳しくしすぎたかもと思うほど。お留守番もできるしご来店のお客様に興奮しないし看板犬としてもよくやってくれました。ところが…。

新たに迎えた二代目がもう、興奮しやすい性質でとても店先に出す事はできません。お客様がいらっしゃるとスイッチが入ったよう興奮してわたしの言葉が入らなくなります。店に出すのは諦めて事務室にいてもらうことにしています。

興奮しやすい性格に加えて厄介なのは物に対する執着心。おもちゃを与えると自分だけの物とばかりに返してくれなくなります。こういうときがチャンスです。執着したものから離れる訓練のチャンスです。相手は犬ですからガブリとすればこちらの手に穴が開くのは自然の摂理。心して掛からねばなりません。

これはわたしの物、一時的にオマエ(犬)に貸与した物であってこのオモチャはわたしのもの

とわたしも主張します。滑稽に見えるでしょうが、真剣です。スキを見せればガブリです。ここで絶対に諦めない、という姿勢を犬に見せなければなりません。どんなに時間をかけてでも、です。頑固な犬でも15分くらいで諦めるようです。ウチの犬は早くて数分、長くても10分も掛からず諦めてオモチャを返します。

返すというのはどういう状態かというと、犬自らオモチャから離れてわたしからも距離をとってわたしのスペースを尊重する、とう態度です。離れ方が足りなければしっかりわたしから離れるまで待ちます。犬はどうすればわたしが気分良くなるのかをとても観察していることがわかります。

(まだ離れ足りないみたい。もう一歩離れてみよう。オスワリしたらいいのかな。まだダメみたい。じゃフセしてみよう。)

ちなみに取り返したオモチャはコレです。これ以上破壊されてしまったら誤食の恐れがあったのでわたしも真剣です。

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犬が充分にわたしから離れてフセをしたら、ぐっちゃぐちゃに撫で回して大袈裟に褒めてサッサと主張合戦は終わりにします。しつこくやる必要はなくて終わった後は今まで通り。今この時が大事なだけ。

こんなことがこれからもズーーーウーーーと続きます。

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