D2CスタートアップのシリーズAは困難を極めるよ、という話。

こんにちは。FABRIC TOKYOの森です。

今回は、「D2C起業家はシリーズA以降に気をつけろ」という話をしたいと思っています。

D2C起業家が今とても増えていまして、僕のところにもほぼ毎日のようにDMやメール等で相談がきています。(なるべく多くの方とお話ししたいのですが、なかなか全員とは難しく申し訳ありません)

おそらく200社ぐらいのD2Cの会社が、この1-2年で出てきているのではないかなと思っています。それ自体は非常に喜ばしいことですし、シードのベンチャーキャピタルから数百万、数千万の資金調達を完了させている会社も増えてきているなという印象です。
結論から言うと、シリーズAやシリーズBで億単位(1億〜5億くらい)の資金調達をする時に、行き詰まってしまう、壁にぶち当たってしまう会社が多いのではないかなと思っています。
今日はそのお話をしたいと思います。

そもそも、日本のベンチャーファイナンスの資金調達の環境が圧倒的にシリーズA〜シリーズBの億単位での調達が難しいと思っています。
難しい理由が、1億円以上投資できる投資家が圧倒的に足りていません。
そもそも、シリーズA・Bが何かというと、ベンチャーファイナンスはフェーズごとに資金調達のフェーズのことを、最初はシードその次がアーリーステージ、その次が最近だとプレシリーズAというのが出てきていて、その後シリーズA→B→C→Dというのがあって、だいたいC以降までいって上場をしたり、大手の企業にM&Aされたりというのがベンチャーファイナンスの基本的なフェーズの切り方です。
このシリーズというのが1年から1.5年くらいで乗り越えていきます。

億単位の出資をするリード投資家が本当に少ない

FABRIC TOKYOは今シリーズDのステージになっています。つまりシード、アーリー、(僕の時にはプレシリーズAというのが無かった)シリーズA、B、C、D。過去に累計6回ほど資金調達をやっています。

僕の経験でもあるのですが、億単位で投資できる投資家が本当に少ないです。億単位以上の資金調達をするのはシリーズA以降だと思うのですが、シードの会社は数十社出てきてはいるのですが、ここからはシリーズAに繋がる会社は実はそんなに増えないかなという印象があります。これは起業家側が悪いのではなくて、ベンチャーファイナンス環境がそういう感じだし、更に今のコロナの影響で非常に投資家も資金の出資を絞ってきているので、新規の投資を控えている会社が多い中で、そのシリーズAでの資金調達が非常に困難になって来るのかなと思っています。

特に資金調達の際にまず何をやるのかというと、リードインベスターというものを決めます。そのステージ、そのラウンドの資金調達をリードする投資家です。

そのリードインベスターが投資の条件、株価だったり投資契約の内容、株主間契約の内容をリードする立場の投資家です。

そのリード投資家を1番最初に見つけてきて、例えばあなたが3億円の資金調達をしようとすると、1番最初に、3億円のラウンドをリードするという形だったら最低でも1億円、よければ2億円を最低でも1社リードインベスターにそのラウンドの大半もしくは過半ぐらいの出資の金額をまず最初に決めてもらう、内諾をもらうということです。

というのをやらなくてはいけないです。

そこからその1社プラス今回は3億円で3社から資金調達する形だとすると、1社に2億円出してもらって残りの2社に5千万ずつ出してもらって、3億円というラウンドというのを蘇生するという形や、もしくは1社1.5億円2社に7500万円ずつでトータル3億円といったラウンドの形成の仕方をするのが一般的ではあります。

このリードができる投資家はもっともっと少なくなります。

このリードができる投資家が少なくなっていて、ほとんどのベンチャーキャピタル、そして金融系のベンチャーキャピタルは特に金融系のベンチャーキャピタルや銀行系、あとはCVCといわれているコーポレートベンチャーキャピタル、大手の企業がファンドを作ったりしてベンチャーに出資してオープンイノベーションを狙うといったそういった会社です。

ここは、ほとんどがリードをあまりやりたがらないです。投資のプロではないので、基本的に投資のプロに条件設定を任せたいという方々ばかりです。

ぜひ御社には投資したいが、リードのフォローする形で投資しますよという会社が非常に多いです。

なので例えば、5千万、1億円2億円を資金的に出資する余裕がある会社だとしても、リードインベスターがいないとその会社にはそのラウンドでは投資できませんという会社がかなり多いので、それを考えるとシリーズA以降のラウンドの蘇生というのは、非常にスタートアップの経営者としては頭を抱える悩みになってくるという形になっています。

なので、皆さんもシリーズA以降億単位の調達をする場合は、あまり10社もいないんじゃないかなというほどリードインベスターがいないと思いますので、慎重にシードの段階からそういった会社さんとコミュニケーションを取っておいて、その事業の内容や組織(特に起業家自身)のことをコミュニケーションを取りながら理解を進めておいてもらう。それで将来投資してもらうということを少し考えておいてもらうということが非常に大事だと思います。

今日はD2C起業家、D2CスタートアップのシリーズA以降の調達に関するお話をさせていただきましたが、つまずく会社も多いのではないかなと思います。

この話が参考になれば、とても嬉しいです。

本当に悩ましい時は、僕も過去に25億円くらい調達してきているのでそれぐらいの経験があるのでアドバイスできるかもしれません。

TwitterのDMやFacebookのMessengerなどで僕を見つけていただいて、メッセージいただければなと思います。(なかなかまだ始めていない人のアドバイスは出来づらいですが、実際に立ち上げるなど行動している方には返信します!)

ありがとうございました。

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