ブランディングとマーケティングはなにを目指すものなのか?──ブランドの力を最大化するためにその違いを知る
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ブランディングとマーケティングはなにを目指すものなのか?──ブランドの力を最大化するためにその違いを知る

馬場雄一郎 / FICC BX事業部
このnoteは何?
マーケティングエージェンシーFICCのBX事業部にて、「ブランドとはなんなのか? どうすればブランドを豊かにすることができるのか?」それをみなさんと考えるnoteを書いています。記事をまとめたマガジンはこちら→本当の価値を生むブランディング戦略(仮題)

みなさんはブランディングとマーケティング、それぞれがなにを目指しているものなのか、意識したことはあるでしょうか。一見わかりづらい、この2つの言葉。

特にブランディングの方は、言葉が曖昧模糊としているがゆえになにを目指してやっているのかわからなくなることも多々ありますし、ゆえに「ブランディングやってます」と言うと胡散臭い感じがしてしまうことさえあります。

けど、2つとも(特にブランディング)、きちんと意味を押さえた上でなにを目指しているのかを見失わなければ、かなり有利にコトを進められます

ではここで一緒に考えてみましょう。まずはかんたんな言葉遊びから。

ブランディングとマーケティングが指す行為とは?

ブランディングとマーケティングは英語に直してみるとBrandingとMarketingですが、さらにシンプルに考えてみましょう。

まずは、ingを取って。これならかんたんです。

Brand=ブランド
Market=市場

ですね。では、ingを付けると。
ingは動名詞をつくる接尾辞ですから、

Brand + ing = Branding 
= ”ブランド”の
創造・拡大

Market + ing = Marketing 
= 市場の創造・拡大

と考えることができそうです。

では、ブランディングとマーケティングそれぞれが目指すものとは何なのでしょうか。ここからが本題です。

ブランディングとマーケティングは目指すものが違う。意味の蓄積と市場創造だ

ではまず、わかりやすそうなほうから説明します。マーケティングについて。マーケティング=市場の創造・拡大としましたが、では市場創造とはなんでしょうか。

FICCでは、マーケティングによる市場創造を「いい◯◯」(◯◯に入るのは商材)の定義を変えること(属性順位転換、としています。選択の軸を変えるんです。

例:シャンプーなら
これまでの「いいシャンプー=キューティクルが整う」ことだったところに、選ぶ軸ではなかったはずの「シリコンorノンシリコン」という軸をぶち込んで、「いいシャンプー=ノンシリコン」とする。
例:洗剤なら
「いい洗剤=白く洗い上がる」だった時代に「におわないことが大事でしょ?」とか「除菌が大事でしょ」「いや抗菌が大事でしょ」という軸をぶち込んでみる。

こうすることによって、消費者のブランド選択の軸が変化し、自分のブランドにとって有利な新たな市場ができあがります

そう、マーケティングが目指すものは、属性順位転換による新しい市場の創造です。

・・・

では、ブランディングとはなにを目指すものなのでしょうか。

その前にまず”ブランド”についてかんたんに説明を。”ブランド”は、消費者の頭のなかにある「商品の意味/記憶」です。

もし、ある商品のロゴがちょっと変更されたとしても、その商品の売り上げが急激に下がることはなさそうです。しかし、もし皆の記憶からその商品の記憶が失われたら? 棚に並んでいても見向きもされなくなるでしょう。(例:カップヌードルのデザインが変わっても売り上げはさほど変わらなさそう。しかしカップヌードルの記憶が急に消し去られたら…?)

だから、ブランドとは消費者の頭のなかにある「商品の意味/記憶」であると言えそうです。

ブランディングが目指すものとはなんなのか。ブランド=消費者の頭のなかにある「商品の意味/記憶」であるならば、ブランディングが目指すのは、意味/記憶の強化・蓄積です。

意味/記憶の強化・蓄積を行うことによって、自分のブランドは他のブランドよりも有利な状況に立つことができます。商店の同じ棚に並んでいても、いい意味で知られていれば、消費者は自分のブランドに手を伸ばしてくれます。且つ信頼を獲得できていれば、その可能性はもっと上がるでしょう。競合が、自社と同じだけプロモーションを掛けていたとしても、自社のブランドが選ばれる可能性は高まります

この意味/記憶の蓄積をつくる、という視点に立ってみると、ある面白い発見があります。ブランディングとは投資だと考えることができるんです。

ブランディング=投資だと捉えると

これまで説明したように、ブランディング=消費者の頭のなかにある「商品の意味/記憶」の蓄積・強化を目指すものです。

たとえば1年間、消費者の記憶をつくる施策を10億円分実施し、10億円分の記憶が消費者のなかに蓄積したとします。では次の年、どうなっているか。10億円分の記憶がそのまま残っているとは考えにくいですが、7億円分の記憶が残っているかもしれません。

そうしたら、もし次の年も10億円分、記憶を蓄積させる施策を打ったとしたら、残債分の7億円と合わせて、その年は17億円分の記憶の蓄積があることになります

もし、この記憶をつくる施策がずっと行われたら、その累積は大きなものになるでしょう。この積み上がった記憶の上でプロモーション活動を行えば、そのプレッシャーは相当なものになるでしょう。もっと楽に勝負ができるはず。

なぜこれを書いたのか…世界が先に進まないから

ブランディングとマーケティング。

この2つは、区別せずに語られることが多くあります。ときには、それぞれを混同して、さらには入れ違って語られることさえあります。

しかし、この2つが指しているもの、目指しているものは別個のものです。混同して語っていては、ブランディングも、マーケティングも、それぞれの価値を最大限に発揮することはできませんし、私たちもその効果を享受することもできません

ブランドの持つ力を信じ、その力を最大化しようと考えるのであれば、それぞれの違いを認識したうえで、目指すものを明らかにして、各施策を実施すべきです。

と、いうか、もっとよくなるはず。ブランドの思いはもっと消費者に届くようになる。その価値がちゃんと伝わるようになる。消費者も、欲しいものがわかるようになる。自分に必要なものがちゃんと分かるようになる。

そんな世界をつくっていきたいし、そんなことができるブランドを支援してきたいと考えています。

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以上、ブランディングとマーケティングの違いについて概要をお伝えしました。このnoteが入っているFICC BX事業部のマガジン「本当の価値を生むブランディング戦略(仮題)」では、今後もブランディング戦略において重要なエッセンスをまとめていきます。ご興味あればぜひ。

それから、BX事業部では以下の仲間を募集中です。
・BX事業部のなかで一緒にブランドの価値を高めていく仲間
・BX事業部と連携してブランドの価値を高めていく仲間
適宜交流会なども行っていますので、一緒にブランドの可能性を探っていきたい、そんなかたはぜひご一報ください。おしゃべりしましょう!

おしゃべりしたい方はこちらからどうぞ。


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馬場雄一郎 / FICC BX事業部
ブランドマーケティングエージェンシーFICCにて、BX事業部のメンバーとして働いています。ブランドそのものを強くし体験を設計するのがお仕事です。主にブランドホロタイプモデルやビジョンラダーというフレームワークを使って、ブランド強化のお手伝いをしています。