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世の中を俯瞰して見るために、新聞を紙で読むことのすゝめ

IT業界にいるのに、いまどき紙で新聞を読んでいるのかと笑われてしまいそうですが、僕は新入社員から今までずっと日経新聞を紙で購読しています。これは新卒で入社した会社が大手の製造業であり、かつ工場企画部門ということで比較的ニュースを読まなければいけない立場にあったというのが習慣の始まりです。日経新聞もですが、日刊工業新聞と日経産業新聞も読んでました。

しかしながら、当時は新しいニュースを仕入れるという目的で読んでいましたが、最近ではどちらかというと世の中を俯瞰して見る手段という目的で紙の新聞をあえて選んでいます。

日経新聞のまわし者でも何でもありませんが今日はその辺りについて書いてみたいと思います。

情報を俯瞰して手に入れたいので紙の新聞を使っている

「なぜ、紙で新聞を読んでいるのか?」

最大の理由としては紙で新聞を読むことでしか得られない一覧性の価値だと思っています。もちろん普段は Twitter やはてブあるいはニュースピックス、ヤフーニュースなどを使って、最新のニュースを追っています。しかしながら、こうしたサービスはフォローしている人あるいはメディアの考え方によって、小さいモバイル画面でも購読できるように最適化されており、どうしても偏りが出てしまうと考えているからです。

また、オンラインで記事を読んでいると、リコメンド技術の著しい進化の結果、情報が最適にインデックス化されているため、興味のある情報だけを選んで読んでしまい入手している情報に偏りが出て来てしまいます。

一方で従来型の紙の新聞だととりあえず見出しを眺めるだけでも俯瞰して世の中を見つめることができます。

世の中を俯瞰して見ることの価値

また、世の中を俯瞰してみる価値が上がっていると、最近強く感じています。

特に IT 業界にいると最適化されたサービスを利用して効率的に情報を仕入れる手段に触れる機会が多く、紙の新聞を読んでいるとダサいと言われてしまいそうです。その結果、興味があったり、専門性が高い分野に関しては深く知識や情報を持っている方が多い一方で、世の中を広く俯瞰した上で情報を整理している人の割合が非常に少ないと感じています。

逆張りの戦略ですが、そんな時代にこそ広く俯瞰した世の中の情報の価値は上がっていると感じています。

例えば、エンジニア採用激化の理由を俯瞰して見てみると

エンジニアの採用が激化しており、なかなかスタートアップがエンジニアを採用できていないという話についても、Twitter等、身近なまわりの人が語る情報だとメガベンチャーの採用の活発化やスタートアップの資金調達が原因で採用競争が激化していると感じることが多いのではないでしょうか。

しかしながら、それらは一部の要因で、実際にはいわゆる従来型の大企業が IT 部門を強化し、結果的に年収も高く出しているのでそういった企業との採用競争が発生してきているということも起きています。例えばトヨタや日産などの自動車会社もソフトウェアエンジニアを積極的に採用し始めています。

或いは、新卒採用に関してはSIerの採用活発化により、IT系新卒/エンジニアの採用競争が激化している事例も出てきています。

例えば、楽天が運営するみんなの就活では、IT業界のランキングでのWeb系企業はわずか2〜3社に過ぎません。

1.NTTデータ
2.富士通
3.グーグル
4.楽天
5.SCSK
6.アクセンチュア
7.伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)
8.ヤフー
9.野村総合研究所(NRI)
10.NEC(日本電気)

※このネタだけでも1記事書きたいですね。

「人気企業」だけ見てもソースや情報を捉える角度によって異なった結果にもなります。

つまり普段からフォローしている情報だけで判断をしているとすごく偏った情報で意思決定していることになってしまう可能性があります。

世の中の「不」をたくさん見つけることができる

ある起業家が、ビジネスネタを探すのであれば、まずはGoogleニュース検索で「不足」と検索してみてはどうかとおっしゃっている投稿を見たことがあります。新しいサービスやプロダクトはやはり今を生きる人の課題を解決するところからのスタートです。

そして「新聞のネタ」はまさに「不足」の宝庫です。もちろん普段の生活からでも「不」はたくさん見つかります。しかしながら、それはあくまで身の回りの「不」に過ぎず、世の中の「不」とは限りません。

俯瞰した情報を捉えていると、世の中の「不」を見つけることができるのが面白いところです。また転職をする際にも転職先のサービスがトレンドとなりそうな「不」を解決しているかどうかは大事な視点です。やはり課題が大きければ大きいほど世の中の期待値や解決した際に得られる便益は大きいものです。

以上、世の中を俯瞰してみるために「紙」の新聞を読んでみる価値、いかがでしたでしょうか。個人的にはスマホのUI/UXは便利ではあるものの、どうしても画面の範囲が狭いので最適化が進みすぎて、結果的につまらないコンテンツが増えすぎてしまうのが悩みと感じています。

そろそろVR/ARまわりが5Gを通して、本格的に浸透して次の世界のUI/UXを見てみたいものです。

ちなみにエンジニア×転職分野でこんな業界を俯瞰して見るためのイベントもやっているので、ぜひご活用ください。

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