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自家製マロンクリームで、おうちどら焼き

久しぶりのおやつ作り。

あれは、1ヶ月ほど前のこと。
フランスの大きな栗で栗ごはんを作ったとき、うちの乙女なOtto氏のコメントを、もしかしたら覚えていてくださる方がいるかもしれない。

この記事でも触れているが、私が手を真っ黒にしながら精魂込めて作った栗ごはんに対し、氏は、「栗が不要。栗はモンブランしか食べません」とのたもうた。

栗ごはんの栗ごはんたるアイデンティティが根こそぎまるっと否定されたのだ。
まあ、毎度毎度の異文化交流なので全然私は気にしておりませんけど。

その際に判明した、乙女「栗はガトー、つまりは甘いマロンしか食べない」説。

栗好きな私としては、今後の栗との付き合い方を決める指針を決めなくてはならないので、甘い栗、モンブランにも使えるらしいマロンクリームなるものを作ってみることにした。


参考にするのはみんなのNHKのレシピだ。
冒頭から私のボーイフレンド、「フードプロセッサー」の文字が目に入り、心が踊る。

相変わらず大きめなフランスの栗。

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熱湯につけてしばらく置いて皮をむいたら、結構な割合で虫食われていた。ショック。やっぱそのへんのスーパーで買うのはよくないのかね。
慌ててビオのスーパーに行って買い足したら、どれも美しい栗だった。
こちらを30分くらい弱火で煮る。

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栗がほろほろっぽくなったところで、彼氏がお迎え。
栗の汁けをきって、粗熱が取れたらフープロにイン。

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今日も必殺仕事人。あっという間にこなっこなに。惚れなおす。

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あらかじめ炊いておいたシロップと粉砕マロンを混ぜ合わせる。
切るように、手早く。

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お決まりの、ラム注入❤️しとこ。

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さらにフープロにかけたら、もう一度鍋にもどして、水分をとばす。

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水分が飛んで。ぽてっとなったらできあがり。

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いつものボンヌママン空き瓶にいれよう。
今気づいたけど、蓋はマロンペーストのやつなのに、本体はなぜかフランボワーズ。適当女のなせる技。

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粗熱がとれたら冷蔵保存。
ここ2週間ほど、ちょこちょことパンにつけたりそのままつまんだりして楽しんでいた。

本当はこのマロンクリームを使ってなにか作ろうと思っていたのだけど、最近はロックダウン疲れなのか、作るのはもっぱらハイカロリーかつまみか簡単和食。

甘い物をめっきり作らなくなってしまい、やっぱりスイーツ作りは気力と体力がいるんだなあと痛感。
毎週スイーツ作って毎月マカロンつくれるケイチェルのおいたんは本当にスーパーおじだと思う。ぽなP語録的に、尊敬の尊。


そしてようやく思い立ったのが、昨日月曜日。

お昼寝後、16時すぎくらい(寝過ぎ)。
リビングに出ていくと、Otto氏がなにやらPCに向かって仕事の研修の一環というテストを受けている。この時点で「おやつたべたの?」と尋ねると、「糖分が必要だから(フランス規格の大きな)板チョコの4分の3を食べた」とバカ正直に返ってきたが、それでもまだ何か食べたいという。

そこでなぜか思いついたのが、どら焼き。よくわかんないけど、どら焼き。
うちの妹が生粋のドラえもん好きで、しょっちゅうドラネタで話しが盛り上がっていたからだろうか。

日本のアニメ大好きなフランスでは、ワンピースとかナルトとかに比べたらドラえもんはあまりメジャーではない(スペインなどでは大人気と聞いたことがある)。

うちのOtto氏は妹とのコミュニケーションツールとして一応その存在を認識していて、「ほらなんだっけ、あの丸っこくて青くて、豆の甘いのがパンケーキで挟んであるやつが大好きなやつ」と問うてくる。最近ようやく、私の教育の甲斐あってか、「ドラえもん」と「どら焼き」は覚えてくれた。


ちなみに私は、昔からあんこが苦手。地区の運動会に出てくるパン食い競争のパンがあんぱんなのがずっと許せなかったのだが、高校になって茶道部に入って美味しい和菓子をいただくようになってからは、一応克服。

まあでも、あんぱんより俄然クリームパンが好きだし、鯛焼きはカスタードクリーム派だし、あんまんは食べたことがないし、おしるこは飲めない。


どら焼きの生地のあんこの代わりに、このマロンクリームを入れるのはアリなんじゃないの?食感も似てるし、甘さもうりふたつってことで、急な思いつきで作ってみることにした。


私の中高時代の愛読書、オレンジページからのレシピは間違いなかろう。


うちにあるもので簡単にできそう。
砂糖は「きび砂糖」とあるけど、原料一緒なカソナードで代用。

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混ぜたら一度冷蔵庫で寝かせる。
クレープの生地を大量に作ったときも、寝かせるのがポイントだったな。

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本当はもっと寝かせたかったけど、すでに17時をまわっている。
背後では、「パンケーキ食べたい♪、パンケーキ食べたい♪」と五月蝿い方が若干一名いらっしゃるので、焼きに入る。

かなり粘り気と弾力のある生地だ。

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最初に焼けたやつは形がいまいちだったので、お決まりのヌテラ(チョコみたいなペースト)をつけてOtto氏に差し出したら、めちゃくちゃ美味いといってパクパク食べていた。
私も味見したけど、これはかなりいけてる。はちみつとカソナードの風味が効いていて、大変よいお味。生地だけでもいいくらい。

パンケーキもそうだけど、最初ってうまく焼けなくて、最後のほうにようやくコツをつかんでくるんだよなー。でもそのときはすでに生地がない、と。
やはり大は小を兼ねるでもう少し多めに作っておけばよかった。

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まあでも今日の目的はどら焼きなので、マロンクリームをぬりぬりして、挟む。

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ホームメイドな感じでいびつだけど、それもご愛敬◎

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さすがにこれはデザートか明日の朝ごはんにと思ってお皿だけ取り変えてオーブンの中に入れておいた。


さて、夜のデザートはハリボのグミだか飴だかよくわからない砂糖のかたまりを食べてご就寝のOtto氏。

私はタコ唐×ミクニフライポをつまみに割と飲んだので、案の定、朝はゾンビのような起き様でいってらっしゃいとだけ言って送りだしたのだが、そういえば昨日のどら焼きどうなった?と思って、寝ぼけ眼でオーブンを開けてみた。

衝撃の光景が、こちら。

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よくご覧いただきたい。

3つあったどら焼きは1つ。
よくよく見ると、マロンクリームが2段重ね。
そして、どら焼きひとつ分のマロンクリームが皿上に。

探偵ユイじょりによると、

犯人は3つあったうち2つのどら焼きからマロンペーストを剥ぎとり、ひとつは最後のどら焼きのマロンクリームの上にのせ、もうひとつはさすがにトリプルだとアレかと思ったのか、皿の端によけた。

もうひとつの証拠がこれだ。

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このお皿に残されたマロンクリームに、茶色の物体が見えるだろう。
これはDNA鑑定するまでもなく、間違いなく、ヌテラだ

これらの物的証拠から察するに、結論はこうだ。

マロンクリームが気に入らない犯人は、どら焼き2枚からうまいことマロンクリームを剥ぎ取り、プレーンなどら焼きの皮4枚にヌテラを塗りたくって朝食に食べ、しれっと家を後にした、と。


いったいアンタ、どこの子どもだよ!!!!!!

と、眠気も一気にふっとび、朝からひとりで爆笑。

帰宅後のOtto氏にも問いただしたところ、2人で再度大爆笑しつつ、氏は、
「捨てるよりはいいだろう?」と。
それはおっしゃる通り。マロンクリームは私がパンにつけて食べるからいいんだけどさ。


そして私の推理を話してみたところ、どうもちょっと違うらしい。
氏の自白は、こうだ。

・まずひとつのどら焼きの上部分をヌテラを塗って食べ、さらにマロンクリームをお皿に避けて(このときにヌテラがクリームに付着)、下の皮も食べた。
・でもまだお腹が空いていたので、もうちょっと食べちゃおと思い、2つ目のどら焼きの上の皮と3つ目のどら焼きの上の皮を食べた。
・残り部分(2つ目と3つ目の下の皮+マロンクリーム)を合体させてひとつのどら焼きにした。

!?!?!?!?

なるほどその手があったか!

・・・って感心してる場合じゃないけど、いかにマロンクリームが残らない状態で皮を満喫し、かつ証拠隠滅をする、という点において、これはナイスアイデア。
さすが小さな頃悪ガキだったというだけあるなあ。


もう今度からは、どら焼きの皮のみを50枚焼きしようと心に誓ったのである。





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