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我らが大いなる主食、じゃがいも〜じょり家の肉じゃが

フランスはノール地方、場所でいうとベルギーの国境にほど近いフランス北部出身の我がOtto氏。

控えめに言ってもじゃがいもが大・大・大好きなのである。  
彼曰く、パンにならぶ、主食だ。

Otto氏に限らず、そもそもフランス人は一般的にじゃがいもが大好きだと思う。
信じられない量のフリット(日本でいうフライドポテト)を、ステーキやムール貝などとともにビールやワインで流し込む姿は、大衆的なカフェやレストランでよく見られる光景だ。

1ヶ月前くらいのニュースで、コロナ禍で外食産業がほぼストップした影響から、フランス市場に出荷されるはずの20万トンくらいのじゃがいもが過剰在庫になっていると言っていた。巨大な倉庫がじゃがいもで埋め尽くされている映像とともに。それだけフランス人の胃袋には身近で親しみのある食材なんだなあと思ったものだ。

というわけで、いつもじゃがいもは3キロ買いし、必ず食べ切る我が家。

Confinement(外出禁止)中から自家製ハンバーガー作りにハマっているのだが、付け合わせのフリットを美味しくつくるため、じゃがいもと何回も対話と改良を重ねた。そのおかげで、私は今、フランス産のじゃがいもとだいぶ距離を縮めることができている。

フリットのほかにもグラタンドフィノワ、ピュレ、ガレット等々、数々のじゃがいも料理を作ってきたが、今日は、ストウブのオーバル鍋を使った、うちの「肉じゃが」について書いてみようと思う。超シンプル、かつ炭水化物とタンパク質が一度にとれる簡単ごはんだ。 
ちなみに我が家の肉じゃがは、鶏肉しか愛せないOtto氏に完全忖度、鶏肉を使う。

なお、ル・クルーゼでも、もちろん普通の鍋でもできると思うが、私は煮込み系の料理をもっぱらストウブで作ることにしている。  
ル・クルーゼもクリステルも日本に置いてきてしまったので、それしか鍋がないという悲しい理由がひとつ。もうひとつは、ストウブの無水調理効果のおかげか、煮込み料理については食材がふっくら仕上がって美味しい、と思っているからだ。

【材料】(*3人分)

・鶏肉;6本。肉付き良くほどよく脂もあるPilonという部位を使っている。ケンタッキーのバーレルボックスで争奪戦になる、持ち手のついている部分のやつ、といえばいいのか。日本語でなんというのか調べてみたら、チキンドラムスティックというらしい

・じゃがいも;大3つ。日本のじゃがいもの感覚だと中5個くらい。5ミリくらいの薄切りにして、水にさらしておく

・にんにく;3かけ。皮を剥いて芯をとって薄切りにしておく

フレッシュタイム;何本か。個人的にはこれがポイント。私はタイムが大好きで、特に煮込み料理には欠かせない。アクアパッツァにも絶対入れる。

・ローリエの葉;2枚。たまたまフレッシュなものがあったのでこちらを使用。乾燥ローリエでもよろしいと思う

・白ワイン;50ccくらい。安物で十分

・オリーブオイル、塩胡椒

*なぜ3人分かというと、もう1人分は翌日のOtto氏。ランチのObentoになることを見越している。

【作り方】

1、鶏肉に軽く下味をつけて、オリーブオイルで皮目にこんがり焼き目がつくまで焼く。

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2、一度鶏肉をバットなどに取り出し、油を拭き取って、オリーブオイルをまた入れて、今度はじゃがいもをどさっといれてソテーする。

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3、全体に油が行き渡って、うっすら焦げ目がついてきたら、鶏とにんにく、タイムとローリエをいれて、塩胡椒で味をつけ、白ワインを回しかける。

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4、たまに様子を見てじゃがいもをかき回しながら、そのまま30分くらい中〜弱火で煮込む。この頃になると、鶏を愛する我が家のもう一人の男子が、匂いを嗅ぎつけて調理中の私の足下にやってくる。

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許可なくキッチンに侵入すると、
不法侵入罪でもれなく飼い主に遊ばれることになるんだよ、君

5、じゃがいもが煮崩れる直前くらいで、完成。

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6、盛り付け。少し深さのあるお皿に、じゃがいもでまず山をつくる。次に、鶏をじゃがいも山に立てかけるようにして立体的にのせる。お鍋の底に残ったソースを回しかけて、煮込みに使ったタイムと、フレッシュタイムの花が咲いていれば花をちらし、パプリカパウダーをふわっと周りに振る。

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ザ・シンプルな一皿

パプリカとかトマトとか、いろいろと入れたくなるが、ここはあえて直球勝負。鶏とじゃがいもだけのシンプルな肉じゃががいい。こってり好きな人は、最後にバターをちょこっと入れてみてもいいかもしれない。

ワインは白がいいな、アルザスのリースリングかなんかが合うのかしら、なんてシロウトながらに妄想しながら、煮込みに使った安物ソーヴィニヨン・ブランを飲み始めたところ、進む進む。気づけば1本飲み干してしまっていた。危険すぎる。

恐ろしくビールやワインが進む一品、床と平行方向に体が大きくなる可能性は大だけど、たまにはいいじゃないか。なんてったって主食だもの。

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日本が世界に誇るじゃがいも 「じゃがりこ」が 
いま猛烈に食べたい





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