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食べられない皮は、立派な器だ〜エスニック風パイナップルチャーハン

私の若かりし頃の衝動買いといえば、化粧品と衣服。

化粧品に限っては、今ほどSNSも発達しておらず、美容雑誌と呼ばれるものは全て目を通していた。
他社研究と称してスキンケア商品からメーク商品まで本当に色々と購入しては、使い切れないおさがりを妹たちや母にあげたものだ。

今では、かつて愛読していた美容雑誌、手に取ることがあったとしても、流行りのメークはすっ飛ばし、不眠改善とか抜け毛防止とか健康情報のほうを熟読するようになった。
あんなに好きだった化粧品売り場は、なんでもかんでも情報量が多すぎて、たちまちめまいがする病になってしまった。
これも環境と歳のせいか。人間、変わるものだ。

若気の至りとはいえ、なぜあのときあんなにお金を湯水のごとく使っていたのだろう。
日本経済に貢献できたとはいえ、肌だってお肉と若さでパンパンに張っていたし、シミやほくろだって今よりずっと小さいし。

Uberなみにタイムマシンを呼び出せる時代がこないものか。

・・・否、今がいちばん幸せと思うことにしているので、来たらきたで困るけど。


衝動買いの場は、マルシェに


今ではこれ系の衝動買いしてしまうことはほぼなくなったのだが、たまにやらかす。マルシェで。

意表をついてくる珍しい色の野菜とか、今!食べて!と猛烈アピールしてくるピッチピチのフルーツ、血も滴るような立派なルビー色をした赤身肉とか。

あれは6月も終わりに近づいた頃。
中途半端に余っていたアプリコットと抱き合わせで何かデザートを作りたいと思っていて、「甘酸っぱい果物」探索のためにマルシェを訪れた。

ブラブラしていて、さっそく目に入ったのが、1.8ユーロ(約200円ちょっと)の立派なパイナップル。やっす!

皮部分を切って捨てての手間を考えれば、最初から美しくカットされている切り身を買えばいいものの、値段に目がくらんでしまって即決買いしてしまった。


家に帰り、ああそういえばこういう果物ってそのまま置いておくともれなく虫が寄ってくるんだよなあ、早く処理をせねば、と。

まな板にのせて、いざカットしようと思った瞬間。

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ふと、パイナップルの皮のなかにチャーハンみたいなものが入っているトロピカルな画が、稲妻のように脳裏をよぎった。なんかこういう料理、あるよな。

やしの部分を切り落とそうとしていたが、この画が頭に焼きついてしまった私は速攻で作戦変更。縦に2等分することにした。


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こうしてしまえばもう後戻りはできまい。
包丁を駆使して、デザートに使う用になるべく崩さないように中身と芯を切り抜き、身と皮の間の果肉をくりぬき器でこそげとった。

するとあっという間に、立派な器ができた。

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次に、中身にいれるチャーハン。

「パイナップル チャーハン」で検索してみると、どうもタイ料理に似たようなものがあるらしい。

でも今日の私は、直感とイメージだけで突っ走っている。既存のレシピなどには目もくれず、エスニック想像家としての想像力だけでイメージを実現させることにした。

タイ料理っぽいパイナップルチャーハンの材料と作り方(2人分)

・ごはん:インディカ米でもジャポニカ米でも。2人分。
・卵:1個。溶いておく。
・玉ねぎ;1/2個分を1cm角に。
・肉類:100gくらい。なんでもと思うけれど、豚肉×パイナップル最強説信者なのでここは豚肉を使用。豚バラを細かく刻んだものを用意。
・赤パプリカ:1/4個分。玉ねぎ同様1cm角に。
・パイナップルの果肉:器をつくるときにこそげとった分。切り身や缶詰で作る場合は、1枚分をみじん切りに。
・むきえび:8個〜10個
・ナンプラー;小さじ1
・ウェイパー:チューブで5cmくらい。鶏ガラスープ顆粒でも。
・酒:小さじ1
・しょうゆ:小さじ1
・オイスターソース:適量。味見しつつコクが足りなければたす位置付け。
・飾り用の葉っぱ:パクチーを使用。カイワレなどでも。

作り工程の写真が一切見つからないので、文字だけで失礼。普通のチャーハンを作る工程と同様。

1、フライパンに油を熱し、卵を入れて火を通したらボウルによけておく。

2、再度フライパンに油を熱し、玉ねぎをじっくり炒める。その後、豚肉とパイナップルを炒めて、豚肉に火が通ったら赤パプリカ投入。

3、米と1の卵を入れて、まんべんなく炒めたら、ナンプラー、ウェイパー、酒(ウェイパーを溶かす)、しょうゆを加えてさらに炒める。味を整えて、完成。

4、盛り付け。チャーハンをパイナップルの器にこんもりと盛り、軽くソテーしたむきエビをのせ、パクチーを散らす。
あと、きゅうりがあったので、軽く塩もみしてしそふりかけか何かで和えたものも添えてみた。辛いもの好きな方は、別添でチリソースを。

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そしてこの、チャーハン山に刺さったアンブレラは、我が家のお料理道具箱にあったもの。色違いもある。

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本物のように高性能な傘。
どなたかからの頂き物のような気もしているが、これに限らず、我が家には謎のデコレーショングッズがちょこちょこ出てくる。


下の飲み物は、とある週末のアペロ。
モヒートが飲みたいなあとつぶやいたら、Otto氏が作ってくれた本格モヒート。ここにも氏所有の謎のあやしいストロー。

これがささって出てきた時は思わず爆笑してしまった。
なんでこんなの持ってるのアナタ。

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最後に話はパイナップルに戻るが、この1個のパイナップルで、立派な器とチャーハン、それにデザートまで出来上がってしまった。

200円で買えるしあわせ。
200円のしあわせな衝動買い。

締めのデザートについては、また明日のおたのしみ。


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水嫌いだけど、俺も水浴びしたい

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