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生がダメなら揚げればいいじゃない〜ジャポネの心を取り戻す、アジの南蛮漬け

noteを始めて1ヶ月が経ったので、この週末は、淡々と書き上げてきた一皿入魂料理のエトセトラを簡単にカテゴリー分けしてみた(カッコ内は記事数)。

結果、洋風ごはん(17)・おやつ系(7)が多いのは、住んでいるところの特性上、わかる。

問題は次点のカテゴリー。
エスニック風ごはん(4)に対して、和風ごはん(3)。

・・・

ワタシ、ジャポネーゼなのにエスニックにタマシイを売ってしまったのか・・・?

今あるストックのお皿たちも、正直に言うと、エスニック系のほうが多い。
そして、インディカ米を受け入れてからというもの、最近の我が家ではインディカ米のほうがむしろジャポニカ米より消費量が激しいのが現状。

いろいろ浮気しすぎて、食における「日本人のこころ」を忘れてしまいつつあるのではないか?そんなことあるわけないと思っていても、実際がこれだと説得力に欠ける。

ということで、日本人のこころを取り戻すべく、今日は、5月の終わりに作ったアジの南蛮漬けについて。


魚のアジ、その名もシャンシャー

5月某日、愛犬の散歩をしながら木曜日のマルシェをぶらぶらしていたら、魚屋さんで「chinchard」と書かれた小ぶりの魚を発見した私。

私のフランス語ボキャブラリーで、野菜とか肉系は習得した単語が割と多い。
一方、魚介系はなかなかに難しく、とくに魚。sardine(いわし)とかsaumon(サーモン)とかthon(まぐろ)とか簡単なものを除き、なぜかなかなか覚えられないのだ。最近ようやくちょこちょこ語彙が増えつつあるけど、レストランでも辞書アプリが欠かせない。

そんな難しいおさかなネームなのだけど、chinchardは、何回も調べたので、さすがに記憶にちゃんと定着していた。アジだ。

この大きさ(10cmくらい)でchinchardとなると、ぎりぎり豆アジっていうのかな。しかもかなりお買い得。2人分だから10尾くらいで十分だろうと買ったら、2ユーロくらいしかしなかったと思う。

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これを目にしたときから直感で作ろうと思ったのが、アジの南蛮漬けだ。

ちょうどその頃フランス人との電話面談があって、緊張とストレスと疲れが溜まっていたせいか、酸っぱいものをからだが欲していたからだと思う。

なお、フランスの内陸で、マルシェに売られた魚を生のまま食べるのはなかなか勇気がいる。たまに誘惑に負けてまぐろとかを衝動買いしてそのまま食べてしまうことがあっても、基本は火を通して食べるようにしている。

ここヨーロッパでも、地中海風の料理にエスカベッシュってあるくらいだから、きっとOtto氏も喜んで食べるだろうと、冷蔵庫で白ワインをキンキンに冷やしながら調理にとりかかることにした。

アジの南蛮漬けの材料(2〜3人分)

・アジ:10尾くらい。大きさによるけれど、値段から換算するとトータル300gくらいだったかな。
・片栗粉:小麦粉でもよいと思う。適量。
【漬けだれ】
・お酢:100mlくらい
・水:150mくらい(味見しつつ調整)
・砂糖:大さじ2〜3
・白だし:大さじ2
・しょうゆ:大さじ1/2〜1
・輪切り唐辛子:適量
・塩、胡椒
【一緒に漬ける野菜】お好みで
・赤玉ねぎ:1個
・にんじん:1本
・赤パプリカ、緑パプリカ:各1/4個くらい

アジの南蛮漬けの作り方

1、アジの下ごしらえをする。えらと内臓、ぜいごをとり、よく水洗いして、塩をふって少し置き、水気を拭き取っておく。頭が苦手ならとってしまっても。こちらの動画がわかりやすい。

2、一緒に漬け込む野菜を、スライサー等を駆使して、すべて千切りにしておく。

3、漬けだれの材料を鍋にいれ、沸騰させて味を整えておく。

4、魚の水分を再度きちんと拭き取って。片栗粉または小麦粉を全体にまぶし、フライパンで揚げる。

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5、カラッと揚がったら、油を切って、バットに並べる。そこに3の漬けだれをかけて、切っておいた野菜を上に並べる。粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし、頃合いをみて頂く。

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完成。コリアンダーが残っていたので、さりげなくそえてみた

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カラフル野菜は元気がでる


達成感に包まれながら、いただきます・・・

魚の下処理、揚げ、野菜の千切りとなかなか手がかかる作業が多い分、出来上がったときの達成感たるや。

白ワインもキリッと冷えて、準備は万端。
さあ、いつでもおかえりくださいOtto氏。

・・・21時ちかく、仕事から帰ってきた氏。
これはなんだ?と訝しげにお尋ねになられる。

エスカベッシュのジャポネ版なんだけどね、魚はアジだよ。
ピリ辛甘酸っぱくてとても美味しいよー♪と、ハイテンションで説明差し上げた。

だがしかし、返ってきた答えは、

"Ce n'est pas possible."

うずらの卵同様、「ワタシ一切食べません」事件の、再来。

さらに説得に試みるも、氏の意思はダイヤモンドよりも硬い。
結局数日かけてひとりで食べ切ることになった。


ちなみに、なんとなくその日は一皿入魂のリスクを感じていたのか、このときは珍しく複数皿で「イカと夏野菜のカラスミたっぷりソテー*」も作っていた。魚介祭りと称して。

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*小ぶりなイカと夏野菜をにんにくとオリーブオイルでソテーして、白ワインでサッと蒸して、仕上げにカラスミをファサーっと振りかけたおつまみ。これがまた白ワインに合って、うまい。

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それが功を奏し、氏はイカばかり食べていた。

ああ、これが、Tsumaの勘ってやつかしらね。


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ネコじゃないけど、生魚が気になってくわえてみたい犬


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