毎日超短話198「隣の住人」
隣の部屋からトントンと小気味のいいリズムが聴こえる。あまりに小気味いいので、そのリズムに合わせて、ギターを鳴らし、歌を作った。
それをYou Tubeにあげる。
反応は、ない。
ベランダに出て、タバコをふかす。
隣の住人が出てきて、目が合った。
「いっしょに、やらない?」と思わず言うと、隣の住人は答えた。
「木はある?」
「木?」
「いい木をくれるなら」
「じゃあ、探しに行こう」
隣の住人を肩に乗せ、わたしたちは木を探しに出かけた。
これが「キツツキとわたし」の結成秘話。今はギャラのほとんどは、新しい木を探す旅の費用になってます。
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