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歌詞の書き方のコツ(基本編)

歌詞を書くのって、難しいですよね。僕もバンド活動などで10年以上歌詞を書いていますが、本当に難しい。ですが、良い歌詞が書けた時はとても嬉しいし、報われた気持ちになります。

そこで今回は、初心者の方に向けて、自分なりの歌詞の書き方のコツを紹介してみたいと思います。そもそも、作詞自体に絶対的なルールというものはありませんが、こうすると伝わりやすいとか、こうするとグッとくるみたいなテクニックはあると思っています。使えそうと思った部分は、ぜひピックアップして使ってみてください。
(※ なお、ポップスでの作詞を対象にしていますので、ご了承ください。)

本記事では、基本編ということで5つのコツを紹介します。また、オリジナル楽曲「きみのこえ」を参考曲として、具体例を交えながら説明していきます。「きみのこえ」の歌詞は、以下の通りです。

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楽曲は、YouTubeで聞くことができます。

それではさっそく見ていきましょう!

1. テーマを1つだけ決める

テーマというのは、「お題」や「中心になる主張」のことですが、これを決めずになんとなくで書き始めてしまうと、何が言いたいのかわからないという状況になるので、まずテーマを決めておきましょう。

また、テーマは複数あると主張がブレてしまう可能性があるので、1つだけに絞ることをおすすめします。複数のテーマを扱いたい場合は、別の楽曲として分けてしまうのがベストです。

ちなみに、参考曲のテーマは、

昔好きだった人を思い出して、切ない気持ちになる

という感じでした。「テーマ」というと、「海」とか「秋」とか、単語で決めるようなイメージがあるかもしれませんが、割と文章として考えた方が良い気がしますね。

2. 登場人物や状況を整理する

歌詞の中に出てくる登場人物や状況を、事前に整理しておくことで、歌詞が書きやすくなります。

逆にこれを整理しておかないと、歌詞を書いた後に矛盾が生じてしまったり、結果的に予想もしていなかった状況になったりします。

非常に細かい設定をする必要はないかと思いますが、ある程度の人物設定や状況設定はしておくことをおすすめします。

参考曲の場合だと、

・主人公は都会の会社員
・昔好きだった相手は、今は同じ街にはいない

のような状況を設定していました。また、登場人物としては主人公のみで、相手は過去のシーンにしか出てこないという風に決めていました。

また、できるだけシンプルな状況にした方が、リスナーが状況を把握しやすく、感情移入しやすいかもしれませんね。

3. Aメロは、『どういう状況なのか』を書く

いわゆるAメロの部分では、どういう状況なのかを書くと良いかと思っています。というのも、どのような状況にいるのかを描写しておくことで、リスナーが感情移入しやすくなったり、共感を得られたりするからです。

Aメロでリスナーに「この歌詞は、自分と同じ状況だ」と思ってもらえれば、そのまま聞き続けてくれる可能性が高まります。

参考曲のAメロでは、たとえば

ビルの合間で空を見ては
過ぎた日々の間違いを探す

といった具合に、淡々と状況を描写するようにしています。
Aメロであまり感情的な表現を多用してしまうと、サビの印象が薄れそうという理由もありますね。

4. サビは、『どう感じているか』を書く

サビは基本的に盛り上がる部分なので、どう感じているかという主張を書くことが多いです。個人的には、感情的な表現を使う方が、盛り上がるサビにはハマる気がしています。

また、インパクトを出すために、命令形にしてみたり、強めの語調にしてみるのも有効な手段だと思います。

参考曲のサビの部分では、たとえば

・ため息が出る
・あの頃には戻れはしないから
・振り返らないよ

というように、感情的な表現や、意思を感じさせる歌詞を置いています。
あまり、淡々とした説明的な歌詞にはしないように心がけていますね。

5. 息継ぎ部分(休符部分)で歌詞を区切る

こちらは、実際にメロディーに音を当てはめていく際のコツになるのですが、息継ぎになる部分(つまり休符部分)で歌詞を区切るようにしましょう。これをする理由は、歌詞が聞きとりやすくなるからです。

具体的な例として、例えば「ラララ、、、ララ」のようなリズムのメロディーがあったとします(「、」の部分は休符ということで)。

この時、例えば「君が好き」という歌詞であれば上手くハマりますが、「目に涙」のような歌詞だと、「目にな」で切れてしまい、そのあとの休符の部分でリスナーは、「メニナってなんだ?」という不安を持つ可能性があります。さらにその後、「ミダってなんだ?」となってしまうかもしれません。

「歌詞が聞き取れない」というのは、リスナーにとって意外とストレスになるものです。言葉遊びをしたいなどの意図がない限りは、息継ぎ部分(休符部分)で歌詞を区切ることを意識しましょう。

まとめ

ということで、歌詞の書き方のコツ(基本編)として、の5つ書いてみました。
まとめると、

1. テーマを1つだけ決める
2. 登場人物や状況を整理する
3. Aメロは、『どういう状況なのか』を書く
4. サビは、『どう感じているか』を書く
5. 息継ぎ部分(休符部分)で歌詞を区切る

の5つでした。ただし、あくまで僕のスタイルですので、参考になりそうな部分のみピックアップしていただければ嬉しいです。

(2021.5.21追記)
基本編の続きとして、『応用編』も公開しました!
ぜひこちらもご覧ください。↓

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今回の参考曲
▼ ゆうひがさ - 「きみのこえ」リリックビデオ
https://youtu.be/H41vlVgJvzc

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