2020年新型コロナに関する備忘録 4
NHKWEBでも「WHO「日本は成功」も感染者発見など措置継続を 新型コロナ」 との報道がなされ、緊急事態宣言も全国で解除されたことで、なんとなく区切りは付いた感じがしてきた。
確かに日本は欧米諸国や南米・アフリカなどと比較すると、とても人的な被害は今のところとてつもなく低く済んでいる。果たしてそれが的確な政府の対応によるものなのかどうかはわからない。
むしろ東南アジアにおける死亡率の低さと比較した場合特段の好成績ともいえず、このウィルスの人種的な傾向や、巷間言われるBCGとの関係、また生活習慣として対人的な接触の少なさ、マスクの日常的使用など解析されるべき要因は多くあり、今後の研究が待たれる。
ソーリは会見で、「対応」が冒頭にあげた報道にあるように国際機関からも評価される優れたものであったと述べているが、実態とこれまで時系列でみてきた通り、厚労省の政権に対する忖度やら、法律運用の判断ミスなどを現場の専門家特にクラスター対策班に押し付け、疲弊させた挙句にどうしようもなくなって緊急事態宣言を発動、それも知見なく1週間遅らせたというどうしようもないもので、強制力もなく補償も決まってもいない行動抑制に国民が従った結果であって、それを対応というのはおこがましいというものだ。
喫緊の課題としては、傷んだ経済特に当面は需要の減退と収入の減少にどう対処するかということになるが、さすがにバブル崩壊・リーマンショックと場数を踏んできているので、遅きに失してる感はあるもののそこそこの対策は打ち出されている。真水はお題目の3割との評価もあるが、総額200兆円というのは、傷だらけの政権のやけくその起死回生策という面は否めないだろう。
しかし現実に目を向けるといろいろ危うい。
ます第一に、このウィルスの感染が一応の収束を見せているものの、何ら科学的に100年前より進化した対策があったわけではないということ。
有効だったのは 隔離と接触の減少・・・それだけである。
もちろん感染の発見という意味では様々な検査が発達しているが対応策はないのだ。アビガン含め有効そうな薬は喧伝されているが効果・副作用含めて検証されたものはなく、どちらかと言えば「やってる感」のためのプロパガンダとみている。
むしろ、収まってきてしまったことで具体的に対策にあたった厚労省の責任を問う議論はなされないままになりそうなことが大きな問題だろう。
厚労省に限定するのは酷かもしれないが、このような感染症に関しては安全保障の問題であり、国家としての対応策が議論されていくべきだろう。
アホな政治家がこの際改憲の議論をすべし、と言って完全にセンスがないことを露呈したが、燃えてる最中の大火災を前に通報制度をこの場で考えようとわめいているようなもので、むしろ健全な議論をあれで封じ込めた感がある。憲法改正解散は違憲だとする人だけに歳は取りたくないものだと思った。
感染症のもならず、サプライチェーン、ひいては国土の外資による保有制限など安全保障の基本的議論がなされることがほとんどない状況は、国境がすべて海という先進国では稀有な条件によるものだろうが、海が大きな障壁とは言えなくなってしまった時代である以上知恵を絞り、再検討の上明文化しておくことは必要だと考える。
第2に経済的な問題は、目前では国内の需要と収入の喪失であり、国債発行による給付などで乗り切るのはそれしかないし、ほめられたことではないが致し方ない。とはいえ、ソーリがそれが対策であることを誇らしげに語り、その問題点・副作用を語らず、一国のみで成り立っているわけでもない経済の今後の問題の予測と対応策には全く触れもしないのはさらなる問題が見えていないのか無視しているのか、触れたくないのか理解できない。
世界中で拡大する政府債務の膨張、移動制限による需要の減退、発展途上国(嫌いな言葉だが)の医療体制不備とそこから派生するであろう経済的混乱、すでに一部ではコロナが主因とも思えないがデフォルト起こしており今後拡大しないとは誰にも言えない混乱。
既に債権市場では仕組債のノックインが起きており、国内の金融機関も今期決算で多額の損失が出ることが予想されている。また世界中での未曽有の通貨供給に債権の大量発行は、以前中共が行ったものが子供用にしか見えないような規模であり、壮大な実験で結果は誰にもわからないのではなかろうか。
日本は長くデフレであるとされてきてり、インフレとは無縁であったし、政府の政策もいまだに貿易立国的な発想のまま、円安歓迎だが果たしてそれでいいのか?内需がGDPで占める割合が圧倒的に多く、資本収支が大きな国家として円高のほうが望ましいに決まっていると思うのだが違うのか?
もしそうでないならば政府の判断はなぜそうなのか?
相変わらずプロンプター読むだけのソーリは答えていない。
マスコミも聞きもしない。
世界中が同じ見えないウィルスとの戦いに苦しむ中、幸いにも軽い被害で済んでいる状況で、隣の独裁大国はあらゆる方向で生き残りをかけて動き始めている。我が国はすでに既存勢力の一端を担っておりかの国を含めキャッチアップしようとする人々から見れば抵抗勢力である。
先の2度の大戦のさなかに猛威を振るったスペイン風邪とは状況は異なるが、同様に世界秩序を変容させる可能性があり、そのために政府は何をしなければならないかが本来の課題なのだろうが、自分が捕まらないことがより重大事な人の好いソーリに期待するのはむなしい。
この国に生まれて、もうじきこの国で死んでいく身としては、なんとも情けない状況であるが、逆説的にはそんな状況でも大して飢えることもなく、銃殺されることもなく暮らしていること、先人の苦労と恵まれた国土に感謝するしかないのであります。
世界の我々のように環境に恵まれない人々と伍して今後も生き残っていくためには、今回のような危機を奇貨として変えるべきものは変え、決めておくべきことは決めておく必要があるだろう。
言うまでもなく、ほぼ無策で何とかなった今回の感染拡大をこの秋冬に繰り返してはいけないけれど。
この項目おしまい。
2020/05/26
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