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私は7月3日東京に出張していました。そこで優生保護法裁判の最高裁判決の歴史的瞬間を見ました。
傍聴券を求めて並んだのですが、抽選に当たったのは集まった900人中40数人。私は抽選には漏れ、最高裁前で待機していました。
原告弁護団の旗出しは「勝訴」「旧優生保護法は違憲」「優生思想を打ち破る」「司法府、その役割を果たす」「障がい者の声が届いた」「全ての被害者の救済を」「今までありがとうございました」。

かつて「不良な子孫の出生を防止する」ことを目的とする旧優生保護法に基づいて、国は優生手術(実態は非人道的な強制不妊手術)を推進しました。旧優生保護法は1948年に成立し、1996年に廃止されるまで続きました。強制不妊手術を受けさせられたのは2万数千人と推定されます。優生保護法に基づく強制不妊手術については国際的にも批判が起きており、国連勧告にも、日本政府に優生保護法問題の迅速な解決を求める内容が含まれていました。

私はこれまでに、東京と神戸で優生保護法裁判を傍聴しました。

最高裁は、
・旧優生保護法は憲法13条・14条に違反すると明示した
・20年経つと不法行為責任を問えなくなる除斥期間について、判例が変更され、当事者が主張しなくても権利が切れないこと、一時金支給法で支給を受けても(一時金支給法は損害賠償とは無関係に制定された)新たな賠償は請求できると示した
・48年もの間、国が進めてきた優生施策を差別と評価した

衆議院議員会館で開かれた、判決後の報告集会にも参加しました。報告集会で呼びかけられていた裁判費用のカンパもしました。

誰かを劣ったものと一方的に決めつける優生思想に基づく事件は後を絶ちません。特に障害者が企業で働くということは、優生思想どっぷりの世界に入っていくようなものといえます。余裕のなくなった経済が優生思想と結びつき、能力主義や自己責任論が疑われることのない現実。そんななか、この歴史的瞬間に立ち会えたのは良かったことでした。

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