「直感」文学 *こんな日は。*
今日は何をやってもうまくいかないのだった。
全ての物事が負に働く。
たとえそれが良きことであったとしても、結果として僕に降り掛かるのは”負”という代償だったのだった。
さて、どうしたものか。
と、なぜだか冷静になる自分もいて、
だけど、
そんな”かりそめの冷静”なんて、その後すぐに訪れる”負”に簡単に負かされてしまうのだ。
どうしてこうなってしまうのだろうか。
また僕はその”かりそめの冷静”を使って、少し離れたところから、客観的に考えてみようとするのだった。
「そういう時ってさ、もう自分の心がやられちゃってるのよね。だからダメよ、もう何をやってもダメ。だってそれらを感じる自分自身がもう負けてるんだもの」
”負”が嫌という程貼りついた僕の顔を見ながら、彼女はそう言った。
おそらく彼女の意見は正しいのだと思う。
今の僕には、”負”のものしか見えなくなってしまっているのだ。
こんな日は、ただなんの意味もなく目を瞑ろう。
ただ静かに、目を瞑ろう。
古びた町の本屋さん
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